2000年

 つぶやき


2/1

◆エマユス
 Emausはフランスの一神父(l'abbe Pierre)が1949年につくった慈善組織。
 廃品回収し,バザーで売るんだが,こいつにはぼくもお世話になった。
 84〜85年,フランス東部の田舎町で暮らしていたころ
 ナイフやスプーンからベッドにいたるまで,ここで買いそろえた。
 ベッドには南京虫が棲んでいたので,ひどい目にあったが。

 昨年死んだ須賀敦子(エッセイスト)もこの運動に加わっていたという。
 それを新聞で知り,須賀敦子の作品を文庫本で4冊,単行本で1冊買った。
 読みもせずに買ったのは,彼女をべたぼめする書評を信じたから。
 しかし,これがちっともおもしろくないんだな,どれも。
 文章がすっきりしているわけでもなく,観察が鋭いって感じもしない。
 表現に味があるわけでもなく,話の筋立てで読ませるものでもない。
 エマユスのお世話になったお礼のような気持ちで買ったんだけどね。
 作品をみんなが誉めるから何かいいものがあるのかもしれないけど
 ぼくには全然わかりません。


2/3

◆批判される能力
 学科の授業評価アンケートの集計結果をWeb上で公開
 7回目なので,要領はよくなっているが,その分だけ作業は単調に。
 さっさとやれば昨日にも終われたのに,ノロノロとやって今日にいたる。

 『本はどのように消えてゆくのか』(津野海太郎,晶文社,96)を
 古本屋で買って読み,今もまだちょっとしみじみとした気分が残っている。
 著者は「批判される能力」を鍛えたいという。
 サイバースペースで交流しあえる環境は整いつつあるが
 そもそも対話に習熟していないわれわれは批判とまともに向き合えない。
 批判される立場に積極的に立つ訓練を受けなければならないが
 この修行がひどくつらい,という話。
 昔からある「寛容論」の新しい説き直しみたいなもんだが
 ちょうど,あるBBSで議論が盛り上がっているところなので
 説教がひとしお身にしみた。


2/4

◆眠ってしまいました
 教授会でのこと。
 ぼくに対する質問があったらしく,学長に起こされる。
 熟睡してたので,「ここはどこ? 私はだれ?」の状態。
 あわてました。


2/5

◆Old Mac 改造への道
 4月から地域研究所長だというので,研究所サーバーを設置したい。
 マシン調達のめどはたったが,それはPowerMac7100/80でやや旧式。
 調べてみるとメモリーを増設するには内蔵HDも取り外さねばならん。
 7100は組み立てがきわめてゴチャゴチャしているらしい。
 ならば,いじくりついでにHDも2ギガ程度のものと入れ替えよう。

 などと考えながら秋葉原のラジオデパート地下を歩き回れば
 なんだかその道の達人気分。
 じつは工作のたぐいは小学校のころから不得意だったんだけどな〜。


2/6

◆Mont d'Or
 モン・ドールはフランスのチーズ。
 においはきついが,おいしい。
 雑誌で紹介されているのを見て,ひさしぶりに思い出す。
 かといって,いまどこで買えるのかわからず,探すほどの気力もない。
 ただ,サンジェルマン(パン屋)にバゲットを買いに行っただけ。
 刻みタマネギとトマトと溶けるチーズをフライパンで炒め,
 これをオカズにパンを食べれば,いつものことながら幸福感が得られる。


2/7

◆飽きやすの好きやす
 と,ガキのころから母親にたびたび言われた。
 飽きっぽいが新奇なものにはすぐに飛びつく性格をいうらしい。
 どこの方言か知らないが,指摘はいまなお当たっていると思う。

 今月10日(あと3日)で締切の書類を作成している。
 商経学科の大学改革プランをまとめればよいのだが,
 昨年11月末に書いたものの手直しにすぎないので
 作業自体がおもしろくない。
 それよりは新しい地域研究所プランなどをひねりたいな。
 いままでの所長がやらなかったことばかりやりたい。
 事務局など学内のあちこちから文句の出そうなことをやりたい。
 おもしろいことをおもしろいと思う仲間と大騒ぎしながらやりたい。


2/8

◆鹿児島は雪?
 メールでそんな知らせが届いたが,東京は暖かい。
 終日コタツに入って,書類作成(つまらぬ作文)。
 すぐに飽きちゃうので,しばしばうたた寝。
 このしごとは早く終わらせたい。
 別に,頼まれしごとながら,またしても翻訳が待っている。
 博物館についての社会学的考察。
 本になる話もあるらしいが,どうなることやら。
 さっさとしごとができる人間だと思われているようなので
 そのイメージを大事にせねば,と見栄みたいな気持ちが働く。


2/9

◆お受験
 東京も昨夜は雪になった。
 ほとんど積もらなかったが,今日は強風のせいで寒い。
 朝,高校受験生の息子といっしょに志望校(都立)の変更手続き。
 午後は大学受験生の娘のために,「すべりどめ」の大学入学金振り込み。
 寒風吹きすさぶなか,けっこう歩き回った。


2/10

◆お次のしごと
 前に書いたものを書き写すだけのしごとだが,ようやく終わった。
 で,つぎは博物館学のような論文の翻訳にとりかかったが
 やさしいことを難しく書いているだけの論文のようだ。
 知り合いにもそんなやつがいるが,どこの国にも同類はいるもんだ。


2/11

◆心を病む
 知り合いの男は,大手銀行から中小企業に出向。
 経営改善というので人員削減に取り組んだが
 ついには自分自身も辞めるはめに。
 人の首を切る痛みからではなく,成果が上がらぬことで
 本社復帰の目はなさそうと思い,鬱屈。
 少なくとも1ヶ月は入院が必要とのこと。


2/12

◆春の風
 暖かいので息子のバイクを借りて,そこらへんを走ってみた。
 気持ちがよい。
 鹿児島のバイクは売り払ったが,また欲しいような気分に。
 3月の免許更新の前に大型2輪の免許を,と年末にも考えたが
 ぐずぐずしているうちに2月の半ば。
 教習所に通えば免許がとれるので,老け込む前にとっておかねば。


2/13

◆田舎
 明日からまた鹿児島……だからってわけでもないが
 『日本一の田舎はどこだ』(清水ちなみ,幻冬舎文庫)を読む。
 鹿児島についての記述:
 「すごい教育熱心。国公立じゃないと学校じゃないと思ってる」
 これは多少あたっているが
 「東京の男はすご〜くやさしく思えた。それでバカ男にハマってしまった私」
 これはどうかな〜。


2/14

◆マックもむずかしい
 妹はiMac DVを買った。(高松のデオデオで山積みされてたそうだ)
 搭載されているはずの総合ソフト「クラリスワークス」が見あたらないという。
 電話ごしに操作の手助けを試みたが,どうにもダメ。
 すぐにでも喜びの声が伝わってくると思ったんだけどな〜。


2/15

◆翻訳
 友人に頼まれて,博物館関係の翻訳をしている。
 文部省の科学研究費から謝礼が出るというので,無賃のしごとではない。
 少しおもしろそうだから,というのは引き受けた理由の一つ。
 社会学と哲学(美学)に関わって,何だか勉強になりそうな論文だから。
 メールに添付されたA4で30枚を超える論文が2本。
 一つは40枚を超えていたが,最初の10枚分は不要だと。
 それを知ったのは昨日。(郵便物で知らされた)
 上京中にやったしごとは不要の部分だった。
 そこらへんがちょっとむなしい。
 頼んだ友人は20日から1週間イタリアだって。(華々しいね)
 頼んだしごとは3月末までに終わってほしい,と言い残して。


2/16

◆クラリスワークス
 妹はiMacに付属ソフト「クラリスワークス」が入ってないと言ってたが
 付属のCDからインストールしなおせばよかったのだ。
 さっそくデータベース部分についての質問に答えてやった。
 家計簿を作るんだそうだ。


2/17

◆なぜか早起き
 朝7時前に目が覚めてしまう。(寝るのはだいたい1時頃)
 今日は入試で,朝からずっと試験監督。
 受験生を「見張って」いるのがしごとなので眠るわけにはいかんが
 お日様の光が教室のなかに入ると,ひなたぼっこの気分になり
 ああ,いけない,と思いながらやっぱり睡魔に負けて……。


2/18

◆肩こり
 昨日あたりから肩が凝る。
 これまでは終日パソコンに向かっていても肩こりなんかしなかったのに
 齢かな〜?
 そういえば小さな字も読みにくくなったぞ。


2/19

◆車
 ワイパーのゴムがヘロヘロになったのでちかくのDIY店へ。
 ゴムのみ購入し,自分で交換。
 これだけでも立派なことをし終えたような達成感。
 自分へのごほうびに鯛焼き屋へ行くとなぜか長蛇の列。
 鯛焼きはあきらめてアンパンにする。


2/20

◆鯛焼き
 学校の前の鯛焼き屋には今日も列ができている。
 どうやら17日のテレビ(ど〜んと鹿児島)で紹介されたせいらしい。
 恐るべし,地元テレビの力。(しかし,効き目はいつまで持続するか?)
 ぼくも並んで1つ買ったが,黒あんは味が少し薄くなったような印象。


2/21

◆果てた後?
 息子のガールフレンドが彼女のホームページに短歌を載せている。
 「果てた後 君のベッドが吸い込んでいく 夕べのためらい 汗と一緒に」
 何だかな〜,弱っちゃうね。


2/22

◆クラッカー
 チーズだけを食べるのはイヤなのでフランスパンかクラッカーに乗せたい。
 クラッカーはナビスコみたいなやつじゃいけない。(味が出しゃばる)
 チーズの試食のときに使われるようなやつがいい。(サクサクの食感だけのもの)
 前に国立市の紀ノ国屋(高級スーバーだよ)で見つけた。
 それが何と,うちの学校の前のスーバー(だいわ)にあるじゃない。
 さっそく買ったが,チーズはそこらへんのやつ。
 それでも夜一人しみじみと食せば,安直ながら幸福感がこみあげる。


2/23

◆家庭内LAN化計画
 次男の高校入試,娘の大学入試が終わった。
 娘は2勝4敗とやや散々な出来だが,
 滑り止めに支払った入学金30万円がムダにならなかったと喜びたい。
 娘が,これからしばらくヒマなのでパソコンの練習をしたいという。
 よろしい,iBookを買って上げよう。
 ついでに長男のパソコン(LC475)もG4に買い換えようか。
 妻用の初期型G3を母艦として,すべてを無線LANでつなごう。
 う〜む,ワクワクするな〜。


2/24

◆礼儀
 ええ,そりゃー私は噂どおりの礼儀知らずですよ。
 でも,鹿児島で引越をするたび,ご近所には挨拶しました(菓子折もって!)
 鹿児島はそういう点にうるさいところだろうと思って……。
 ところが,最近うちの裏に引っ越してきた人からは挨拶がない。
 少し前,そのまた裏に来た夫婦からも挨拶がない。
 もちろん,それでかまわないし,むしろありがたいんだけど
 鹿児島ってのはそういうところなんだな〜と,あらためて認識しました。
 道理で,カギをかけとかないとドロボーが入ってくるわけだ。
 つまり,ここは意外にも都会だったってこと。


2/25

◆備品の検査
 公費で購入した備品のチェックが3月3日におこなわれる。
 数年前までは1万円を超える品物は備品のカテゴリーに入れられていたので
 けっこう「しょーもないもの」まで備品として管理しなければならない。
 たとえば「ちんけなソフト」や安物の電気製品も備品だ。
 研究室がゴミの山状態なので,それらの「備品」を探し出すのに苦労する。


2/26

◆インターネットで検索
 翻訳をやってて,よくわからないことはweb上で調べる。
 マックの場合,Sherlockという検索エンジンがついてるのでさらに便利だ。
 佐渡島で町並みを保存する「しゅくねぎ」は「宿根木」。
 「活断層ミュージアム」ってのは淡路島の「野島断層保存館」のことだった。
 クリス・マーカーのドキュメンタリー映画「レベル・ファイブ」のことも
 モンブランのトンネル火災事故も,第一次大戦の激戦地ベルダンのようすも
 画像つきで理解することができた。
 いや〜,いまさらながら,ありがたさに涙こぼれる。


2/27

◆販促用品
 卒業生が研究室に遊びに来た。
 iMacを買いたいがメモリーは増設しなきゃならないか,との相談事。
 ぼくの場合,卒業後に遊びに来る卒業生はきわめて稀。
 今日は,さらに驚いたことに「おみやげ」までもらった。
 会社の販促用品だというが,けっこう嬉しかった。


2/28

◆家の掃除
 娘が3月半ばに鹿児島へ遊びに来ることになりそう。
 部屋を掃除しといてね,だと。(ハイハイと答える親もだらしない)
 滞在中,娘は一人で遊ぶつもりでいるようだが
 温泉には行きたがっているので,これには同伴が必要。(車で行くから)
 いま使っている車は一人乗りだから,別の車を借りなきゃならん。
 なんだか,いろいろめんどいね。


2/29

◆石の蔵
 鹿児島港の北埠頭ちかくに石の倉庫群がある。
 保存しながら新しい街づくりに利用するアイデア,これを精緻化して
 商経学科=頭脳集団というイメージを県内で形成しようと思ったのが昨年。
 しかし,そんなことは誰もが考えることらしい。
 まだ体系的ではないが,個別的に店舗への転用が見られ始めた。
 「布団屋」ができたので,行ってみると,中はなかなか広くてステキ。
 開店記念特売品の掛け布団カバー(1500円)を買う。
 こういうの欲しかったんだ。


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