2001年
 つぶやき

7/1

◆ネタ本
 『インターネットは儲からない』(橘川幸夫著,日経BP社,01年6月)。
 似たような題目で講演をしようと考えているので購入。(恵比寿にて)
 じっさい,いろいろ参考になるが,納得できない点もある。
 そもそもの前提というか現状認識として著者は
 「情報は受信するものでなく発信するもの」になりつつある
 というが,商経学科の経験によれば,発信者は常に僅少。
 西垣通『IT革命』(岩波新書,01年5月)にも同様の違和感。
 これら二つの本は俗見と一味違う視点で立論し
 なかなか良い本だが,大前提のところに問題あり。


7/2

◆正しい大学
 下で紹介した橘川の本は中盤からお説教だが
 同世代の人間としてその気分は理解できる。
 インターネットのキラーコンテンツは教育だ,という主張の
 背景にある橘川の「体験」は同世代の共通体験だからだ。
 学生時代,ある教授をつるしあげていると
 「今の大学が悪いというなら,何が正しい大学か示せ」と
 叫びかえした教授に,橘川は何も言えなかった。(素朴)
 一生かかっても,何が正しいか言ってやると決心する。(素朴)
 それが,まあ,この本になるのだが
 答えを簡単にいえば,教師・学生がともに主体的に参加する空間。
 若者は参加型メディア(インターネットだ)で鍛えられ
 主体的力量を向上させるだろうと橘川は期待する。
 おあいにくさま。われわれの学科の経験はその困難さを示す。


7/3

◆ブレードランナー
 ディレクターズカット版のDVDが1980円で売られてた。
 いのちのあり方を見つめなおさせる名作だ。
 もう一度「レプリカント」の想いを聞いてみたい。
 買いたいが,肝心の再生機がもはや手元にない。


7/4

◆小さな扱い
 うちの学生が殺された事件は上京中に知ったが
 新聞などの扱いは小さく,ほとんど目立たぬ。
 テレビのワイドショーで話題にされてもいないようだ。
 それは,ある意味では,けっこうなことだろう。
 事務サイドの「危機管理」ぶりも見事で,学内は平静。


7/5

◆犯人
 殺人犯は同じ階の住民(25才,男性)だった。
 女性が抵抗したから殺したのか?
 男が迫ってきたら,女性はあえて身をまかせるのが
 自分の命を守る方法ってことになるのか?


7/6

◆久々のドライブ
 午後から大雨の天気予報ゆえ,車でソフトプラザへ行けば駐車場は満車。
 しばらくたたずんだが,ふと思い立って東市来町へ向かう。
 ゼミ合宿のため予約しておいた宿舎(江口浜荘)を視察。
 プールが使えないと聞かされ,心の中で×。
 庭に蛇が出るという卒業生の家(空き家)は実見すると◎。
 以上,有益な視察をすませ,朝のうちに学校に戻る。


7/7

◆長文不可
 ゼミ学生への連絡は携帯電話でのメールによる。
 もうパソコンを使え,とは言わない。(空しいから)
 ところが,携帯電話の場合,長文は読めないらしい。
 500バイトというから日本語だと250字が限界。
 だから,なるべく改行はしないでね,と言われた。
 いやな感じだが,しかたないか。


7/8

◆デイパック
 雑誌でユニクロ製のデイパックがほめられていたので
 さっそく購入したが(2900円),これは当たり。
 というか,これまで使っていたのが劣悪すぎたようだ。
 今度はスポンジパッド付きでパソコンも収納できるぞ。
 背中にあたる部分はメッシュみたいで,これも快適。
 真っ赤なデイパックに大きく黒字で名前を入れた。
 ちょっと小学生風だが,まあ,いい味になった。


7/9

◆学生ベンチャー
 かごしま産業支援センターがアイデア・コンテストを行う。
 県内の学生が対象だから,本気で取り組めば賞がとれる。
 賞金は1等20万円,2等2名10万円だ。
 うちの学生に狙わせたい。
 学科レベルでは動きが期待できないので,ゼミでやる。
 といっても,すぐに夏休み。(締切も9月末)
 アイデアだけで賞金がもらえるのだから狙い目だけどな〜。


7/10

◆授業評価
 授業評価アンケートの配布・回収・集計をさっさとすませた。
 このサイトで結果も公表中。もちろん自分の分だけである。
 学科の教育活動をアピールするために始めた事業だが
 もはや単なるルーティンと化し,その意義を知る者もいない。
 ぼくを除けば,誰にとってもただわずらわしいだけの仕事だろう。
 イヤならやめればいいのに,やめる元気もないようだ。


7/11

◆通信カラオケ
 ゼミ合宿に使わせていただいている家は
 東シナ海に面した浜辺の一軒家。
 どんなに騒いでも近所迷惑にならない。
 かつて商経学科に社会人入学した女性の持ち家で
 商経学科に寄付しようとしたが息子に反対されたという。
 でも,どんどん利用してください,というので借用した。
 トイレが2ヶ所,エアコンも3部屋それぞれにある。
 カラオケの装置も学生には大受けだ。
 彼女たちは夜遅くまで歌って騒ぐ。
 しかし,学生はカラオケを好まぬ教員に無理強いはしない。
 そこらへんは感心。(歌自体はうるさいけど)


7/12

◆きちんとした服装
 合宿から帰れば,教育庁に行く用事。
 合宿のときそのままの服装で行くつもりでいたら
 同僚が「せめてネクタイと靴は替えて」という。
 思えば,一橋の関という先生が鹿児島のホテルで講演したときの服は
 ほとんどヨレヨレのシャツにノーネクタイだった。
 ああいう風にどこでも同じスタイルで通すのがよい。
 なんて思ったが,すぐ説得に応じて自宅まで着替えに帰る。
 まともなズボンもないので,カビの生えた黒ズボンをはく。


7/13

◆ノーネクタイ
 県庁の職員でもある第二部学生によれば
 課によってはネクタイをしてると課長から怒られるらしい。
 省エネのためか,市役所ではすでに全体化しているとも。
 んなら昨日わざわざネクタイをしなくてもよかったわけだ。
 しかし,鹿児島県では県庁は「お上」の居場所。
 「お上」へ直訴に行くときの百姓は紋付き袴が原則だ。
 じっさい,われわれが会った教育課長は「頭」が高く
 へいこらするわれわれと,構図的には調和。


7/14

◆顧客満足度
 教育サービス機関として顧客(学生)の満足度を重視する,と
 ご立派なことを(本気で)学科方針に掲げた時期もあったが
 いまはあっさり旧に復して教員の都合優先。
 こんなことでは存在も危うい,とあせる気持ちも薄れ
 いまでは同僚と「逃亡兵」どうしの無機的な会話をするのみ。


7/15

◆ペナルティ
 ゼミ生を募集するさい「やる気のない学生のみ」と条件づけた。
 卒業だけを目標にしている学生にとって
 ゼミの必修は無意味な強制にすぎず
 不本意な履修になるが,ぼくはこういう学生を集めようとした。
 ところが「感心なことに」登録者はゼロ名。
 すると,「負担」は公平に,といったルールがあるらしく
 ペナルティが課され,学科内の別のしごとをやらされる。
 学科会議はなんだか昔のホームルームみたいな雰囲気。
 教育は掃除当番と同様「イヤイヤやる仕事」のようだ。
 「センセー,ここにさぼってる人がいま〜す」てな感じ。

◆10000突破
 昨年7月10日にサイトを移して1年。
 アクセスカウンターが1万を数えた。


7/16

◆ベッドの移動
 昨年秋,インドネシア人学生をホームステイさせるんで
 畳を総替えするとともに自分のベッドを狭い部屋に移した。
 狭いと冬は暖かいが,夏は逆に暑苦しい。
 畳に生えたカビを掃除するついでにベッドも元に移動。


7/17

◆美少年
 深夜,近くのコンビニへ行けば
 ガテン系(死語?)の若者数名が群れていた。
 みな16,7才ほどに見える。(肌の艶)
 しかも,そのうちの一人は妖しいまでに美しい。
 一瞬目があったとき,ヘテロながらドキンとしたよ。
 「ベニスに死す」さながらの,ジジイと美少年。


7/18

◆集金
 金融機関に入った卒業生から「ボーナスをよろしく」と頼まれた。
 卒業生にお金を預けるのは初めての体験。
 先生をカモにするようなやつはこれまでいなかった。
 おそれ多くてできない,と思うのが「普通」だろう。
 ノルマが1千万円というから,せっぱ詰まっての依頼か。
 いや,先生を軽んじていると見るのが正しい。


7/19

◆師,走る
 朝,郵便局でおろした金を卒業生のいる信用金庫へ預ける。
 三越地下のパン屋でゼミ合宿用のパンを予約。
 パリジャンを3本。(とりに行くのは夕方)
 圧力鍋は同僚に借りた。皿・スプーンは学食で借りた。
 シチュー用の肉・野菜は近所のスーパーで。
 ワインやチーズは三越で買おう。
 今夜は2部のゼミ合宿なのだが,なぜか教師が走り回る。


7/20

◆私語について
 落語家の立川談四楼が専修大学で一年間した講義が
 文庫本に(『落語的ガチンコ人生講義』新潮社OH!文庫)。
 おもしろいのは落語家でも学生の私語に悩まされること。

 「この教室は私語が多い。その私語については再三再四注意した。
  怒鳴ったこともあった。でもすぐに始まるンだよな。
  アンケートの余白や出席カードの裏に色々書いてくる子が少なからずいる。
  先生,後方中程の私語がうるさいです。注意してくださいって。
  で,あなた方に訊きたいンだけど,それオレの役目か?
  オレは私語をやめさせるためにここにいるのか?
  違うだろうがよ。
  そんなもの,隣のやつがシーって唇に指を立てれば済むことじゃねえか。
  どうしてオレにそうやって全てを委ねるの?
  自浄作用が働かねえのかこの教室は?」


7/21

◆誰もいない
 上京したが,家にはバーサンがいるだけ。
 テレビ(大相撲中継)の大音量が家中にあふれる。


7/22

◆暗点
 何の前触れもなく,久しぶりに視野に閃輝暗点が出る。
 直前までむしろ気分はいいぐらいだったので,少し驚く。
 もちろん,いつものようにしばらくすると正常化。


7/23

◆簡単レシピ
 奥さんはこの夏,2週間スウェーデンに行くという。
 んで今日は本郷3丁目での集まりにでかけた。
 夕食はよろしくね,といわれたので
 料理雑誌「超簡単レシピ夏号」を買い,今夜は肉どうふに挑戦。


7/24

◆怪しい雲行き
 午後3時頃から空が暗くなり,うちの犬もさわぎだした。
 カミナリが怖いので家の中に入れてもらいたいのだ。
 デイケアセンターに行っているバーサンももうすぐ帰宅の時間。
 奥さんは8月の国際会議,9月の大学院入試に備えて
 連日猛勉強で,今日もずっと部屋にこもっている。


7/25

◆代車
 うちの車(プリウス)は軽微ながら追突事故にあう。
 バンパーはひとりでに復元したが,トランクは少し凹む。
 車検のときは代車がないのに,保険で修理するときは別。
 しかも,代車を届けた人は歩いて帰る。
 トヨタは人員削減など厳しい経営をしているみたい。


7/26

◆オープンシネマ
 学会の用事で恵比寿に行くとガーデンプレイス(広場)にスクリーン。
 週末の夜7時から無料の映画会が催されているようだ。
 こういうのは鹿児島でも,というか,うちの学校近くの商店街でやってほしい。
 安価な映画を選べば,実現不能とは思えない。
 今日は週末ではないので恵比寿で映画を楽しむことはできなかったが
 会場のベンチに座ると涼しい風が吹いて気持ちよかった。
 鹿児島でもきっと涼しい風が来場者を慰めるだろう。


7/27

◆休職
 奥さんは大学院入試に合格したら2年間休職するんだと。
 その間は無給らしい。
 そうだったの?と聞くと,「それは前に話したでしょ!」だと。
 中学校教員が社会人入学する場合はけっこう厳しいんだね。


7/28

◆滝本やすゆき
 明日は参院選の投票日。
 今朝の新聞で保守党の広告を見て驚いた。
 党首の扇千景と並ぶ候補者のなかに滝本さんがいる。
 学生時代は大学生協の活動に燃えていた滝本さん!
 大学生協連に就職して海外旅行を担当し,その後独立。
 津田塾卒の奥さんと国立市の団地の一室で会社をおこす。
 会員制で安価な航空券を提供し,安全なホテルを紹介する。
 この会社,けっこう当たってそこそこ大きくなった。
 学生時代から山気のあった滝本さん(初め先輩,卒業は同期)。
 今は保守党で楽しく暇つぶしできる身分になったってことか。


7/29

◆単位互換
 南日本新聞のWeb Pageによれば鹿児島県内の大学・短大で
 国公私立を超えた単位互換が始まるらしい。
 うちは県内で唯一の夜間部設置校だから
 サービスの質で名を売る絶好の機会が到来する……
 なんてことは考えないようにしなければ,と思っているのに
 ついまた調子に乗ってしまいそうな気配。


7/30

◆大同酒家
 鹿児島にもどり,昼食は天文館の高級中華料理店で。
 高級だと思うのは「汁そば」が千円だから。(根が貧乏)
 月曜日の店内は女性3人連れが一組。
 こちらは一人なので,なんだかゆったりできない。


7/31

◆朝食
 9時前,ソフトプラザへ行くついでに吉野屋で朝食(280円)。
 ふだんは朝は食べないのに,なぜか今日はその気分。
 昨日,機内で読んだ週刊誌アエラに吉野屋の記事があったせいか?
 昼は韓国料理店クムヨンで冷麺+サラダバー(780円)。
 それでも夕方になるとまた空腹を覚える。
 だんだん健康になっているんだろうか?


過去の記事:
2001年-----6月
2000年---------10-11-12月
1999年
1998年

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