2001年
 つぶやき

9/1

◆デイケアの力
 ふだんはボーっとしているバーサンだが,デイケアを受けると
 妙に元気になって帰ってくる。
 むこうにはプロがいて老人を上手に楽しませているのだろう。
 バーサンは眠っていた気力が呼び覚まされ
 家に戻ると台所で食器洗いなどを始める。
 目がよく見えず,手に力が入らないので
 バーサンの洗った食器はまだ油汚れが残ったまま。
 小さな女の子だったら,それでも良い子・良い子してあげるのだが
 こちらは人間ができてないもんで,邪険に食器洗いをやめさせる。

 あ,それと関係ない話だが,これを書いてるとき閃輝暗点。
 視野の異常が30分ほど続いた。


9/2

◆ITと地域おこし
 10月に「ITと地域社会」などというテーマで講演をする。
 三鷹市郊外のSOHOセンターも話題のひとつ。
 だから、一度それを実見しておこうとバイクで走った。
 今日は日曜で休館。だから外観のみ眺める。
 町はずれの、このちんけな建物が地域活性化の拠点だという。
 大事なのは中身(コンテンツ)だってこと。
 うちの学校だって、やりようによっては……と
 夢をかき立てられたよ。


9/3

◆JASの営業努力
 JAS(日本エアシステム)には介護者割引がある。
 こういうときだけバーサンをありがたく利用させてもらう。
 午後1時の便で鹿児島にもどったが
 飛行機は意外にも満席。(JAS=ガラガラという個人的偏見)


9/4

◆鹿児島大学の本気
 県内のすべての大学・短大で単位互換(授業交流)が実現しそう。
 今日,鹿児島大学の本部で専門部会が開かれた。
 来年4月には開始したいと座長(鹿大の副学長)はいう。
 話が始まったのはついこの間だから,本当なら無理だ。
 ところが鹿児島大学(教員も事務サイドも)は本気だ。
 同じ国立でも鹿屋体育大はやや低温。
 私立の大学・短大はノリが悪い。
 やはり鹿大は独立行政法人化をめぐる騒動の
 いちばん微妙な部分にいるから,自己改革も本気っぽくなるのか?
 このままでは鹿大のせいでうち(県立短大)の存在感も薄れてしまう。
 だから負けてはならじと今日の会議では声を出しまくった。


9/5

◆雷雨
 長く続く雷鳴,見上げれば黒雲が低い。
 季節はもう秋に近いのに夏姿で寝ているせいで
 朝からくしゃみがとまらない。


9/6

◆降れば土砂降り
 豪雨が続くが,食事は外でとらねばならず,ずぶぬれ。
 かつて家を失った,あの水害を思い出させるほどの大降りだ。
 あちこちでサイレンを鳴らした車が走る。
 崖崩れとかの水害が出ているのかもしれない。
 帰宅するときはいつもの山道を避けて遠回りをしよう。


9/7

◆焼き酢豚
 先月,「きょうの料理」という雑誌を参考に作ったが
 昨夜のNHKテレビで「じっさいの手順」を見ると,どうも違う。
 しかし,いちど自分で作ったおかげで説明がよく理解できた。
 細かいところにうなずきながら,なんとなく腕が鳴る。
 しかし,鹿児島での一人暮らしに戻った今,腕は眠りに入る。


9/8

◆理髪店
 行きつけの床屋のオヤジは演歌好き。
 客は有線放送でベタな演歌をたっぷり聞かされる。
 これはワールドミュージックとして聞くのがコツだ。
 そうするとなんとかガマンできる。


9/9

◆娘はいずこ?
 昨夜の飛行機で娘は帰国したはずなのだが
 夜1時ごろ,どこかからか電話をかけてきただけで
 今日の夕方になってもまだ帰宅しない(という)。
 居場所不明でヤキモキするのは「娘」だからか?
 もしこれが息子だったら,それほど心配しないかもしれない。
 したがって心配の度合いを「平等化」するため
 小声で「弱ったね」と独りつぶやくにとどめた。


9/10

◆ iPass
 月末,中国(上海・南京・蘇州)に行くときはモバイルギアを携帯しよう。
 あちらにいてもメール送受信やWebページのアップをしたい。
 プロバイダのローミングサービスを使うが
 こんどは iPass という会社のやつ。
 これまでは Gric という会社をタダで利用できたが
 プロバイダの都合で有料化されたのでこれは使えぬ。
 奥さんが登録しているAT&Tなら iPass が1ヶ月に120分間は無料。
 試しに接続してみたらうまくつながった。


9/11

◆情報発信
 市の創業支援センター「ソフトプラザかごしま」に立ち寄る。
 周辺の商店主向けに講演を頼まれているので,その打ち合わせ。
 ITによる地域活性化の要は積極的な情報発信,と
 係の人に向かって偉そうに語りながら,自分自身はどうかと振り返る。
 県立短大の教員40名のうちホームページを開設・更新しているのは
 約2名だから,全体の5%だが,これはいかにも少ない。
 とはいえ,パーセンテージではよその大学も似たようなものだ。


9/12

◆低強度紛争(Low-Intensity Conflict)
 昨夜,たまたま10時のNHKニュースを見たらCNNの中継だった。
 それで2機目の衝突場面をリアルタイムで見てしまった。
 今朝,事務局から「ハワイで研修中の学生は全員無事」とのメール。
 事務局はITを活用した連絡にますます熟達しつつある。
 一方,教員サイドは遅れている。
 ハワイやインドネシア研修に随行している教員からは連絡なし。
 こういうときにこそメールやBBSを使ってほしい。
 海外にいればこその見聞を伝えてほしい。


9/13

◆秋の蚊
 早朝,足を一匹の蚊にやられ,かゆくて目を覚ます。
 なんだかもう眠れなくなり,早めに登校。
 おかげで朝のうちに少し余分に仕事ができたよ。


9/14

◆ずぶぬれ
 昨夜10時ごろ帰宅しようとしたら,外は大雨に変わっていた。
 その雨の中を自転車で走る。
 背中のリュックに入っている本やパソコンが濡れないよう
 傘を後ろに傾けて差したので体の前面はずぶぬれ。
 メガネも雨滴で役に立たなくなったから外す。
 メガネなしのままでいるのは久しぶりのこと。
 思ったより目が悪くなっており,ほとんど障害者の気分。


9/15

◆いっちょあがり
 ITと地域生活といったテーマでの講演を準備するついでに
 学内研究誌のための論文を作っちゃおうと思った。
 8月中に終わらせるつもりだったが,気分が乗らず
 とうとう今日まで延びてしまった。
 明日からは別の雑文(鹿児島の高等教育)にとりかかるかな。


9/16

◆アカンタレ
 本屋に立ち寄って,ついふらふらと文庫本を2冊買う。
 まず後藤正治『リターンマッチ』(文春)は定時制高校ボクシング部の話。
 部を指導する英語教師の物語というべきか。
 立ち読みでこの教師のつぎのような独白にふれ,それが購入動機。

いつの頃からか貧乏人の子がケンカに弱くなった。
そのうえ怠け者で,横着で,金持ちのように不人情になった。
<アカンタレがほんまにアカンタレになりよった>と古老は嘆く。
京大がアメフトに優勝したのは象徴的だ。
唯一の誇りであった肉体と腕力からも疎外されたら
ぼくらには一体何が残るというのだ。
 そうそう,それをぼくも知りたかった。
 で,勇んで読んだが,答えはない。
 しかも,大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したのに
 話がおもしろいの最初だけで,後半はひたすら平板。
 もう一冊は城山三郎による昭和の俳人の伝記『部長の大晩年』(朝日)で
 これは城山の筆力によって最後までスイスイと読ませる。

9/17

◆保存用ご飯
 賞味期限切れが近いレトルト食品をレンジでチンして食べる。
 おかずは,これまた期限切れ間近のキムチ。
 生ゴミで出すよりお腹に入れた方がいいと思った。
 これがけっこうおいしい組み合わせで,しみじみと食す。


9/18

◆よけいなこと
 国立大学は多少とも自己改革を進めねばならないのに対し
 うちのような公立の場合は(東京都を除き)風が吹かない。
 つまり,改革をせよという声は内からも外からも聞こえない。
 個人的には市民のための大学づくりをしたいのに
 そういう苦労をせずとも生き残れるのは幸せだぜ,と
 同僚にクールな声で耳打ちされ,一瞬それもそうだなと思った。
 言外に「よけいなことはよせ」というメッセージ。
 よけいなこと,とは「自分の研究」以外のこと。
 これには教員のあいだにもけっこう賛同する者がいる。
 みな研究でりっぱな業績を挙げたいのだ。
 でも,このごろのぼくは違う。
 地域を生き生きと楽しいものにする活動を本気で展開したい。
 そのために大学をつくり変えたいんだ。
 これにも賛同者はいるが,やはり内部じゃ嫌われ者。


9/19

◆モーニングサービス
 ふだん朝食はとらないが,今朝は早く起きたもんだから
 ふと「モーニング」ちゅうのを食べたくなった。
 喫茶店で出るトースト+ゆで卵みたいなやつ。
 しかし,うちの近所にも通勤路にもそういう店はない。
 これが鹿児島の特徴だっけ?(ちょっと調査不足)


9/20

◆夏風邪
 微熱があり,体の節々も少し痛い。
 保健室で相談したら,夜に窓を閉めずに寝てるからだとの診断。
 たしかに,このごろ明け方くしゃみをして目を覚ますことがある。
 夏風邪を治すには,ひたすら昼寝をせよと勧められる。
 こうして自力での快癒をめざし昼から「努力」している。

 午後4時半,体温を測ると37度5分を超えていたので
 早めに帰宅することにしたが,自転車で大丈夫か?


9/21

◆寝れば治る
 夕方からずっと横になり,そして夜11時には消灯。
 こうした動物的休息が功を奏した。
 朝7時に目覚め,体温を測ると35度8分(平熱)。
 念を入れて休息を続け,昼すぎに起床する。
 トイレの水が止まらなくなったのでなじみの工務店に電話。
 それから外出して,桜島フェリー乗り場近くの食堂で昼食。


9/22

◆反旗?
 朝,事務局から「NYのテロ事件で半旗を掲げたい」との電話。
 ハンキは最初「反旗」に聞こえ,何か変だと思ったが
 変なのは私で,「掲げる」のは半旗,
 反旗なら「ひるがえる」だから,つまりは国語力の不足。
 それにしても,すぐに「半旗」が頭に浮かばなかったのはなぜだろう。

 この電話の最中にトイレの修理屋さんが来る。
 タンク内部の装置を入れ替えて,料金は9800円。


9/23

◆旅支度
 中国へ行くのは公用なので,ちゃんとした服を着ていかねば。
 といっても,あちらでは大混雑のなかを汽車で移動するし
 床の上に座ったりすることもあるらしいから
 あまり上等の服は着ていられない。
 ズボンとシャツはユニクロでそれぞれ1990円で買った。
 上着は量販店(青山やフタタ)で探してみよう。
 それにしても今度の旅は費用節約のために苦行に近い。
 なにしろ5泊ともオヤジ3人同室だからね。
 しかし,これが地方公務員の出張旅行の模範的な形態だ。


9/24

◆やりくり
 洋服ダンス(もらい物)に上着が数着(これも大半はお下がり)。
 上下揃いも2着あるが,一着は虫にくわれ,もう一着は夏物。
 さて,所有するジャケットで人前に着ていけるのを探そう。
 ほこりを叩きつつ,甘めに判定すれば2着ある。
 これで中国行きの洋服問題は解決ということに。


9/25

◆外貨両替
 鹿児島銀行でドルを買おうとしたら「行き先は?」と問われた。
 「中国です」と答えると,「ならば円の方がいいですよ」だと。
 千円札を多めに持っていくとよい,ともいう。
 親切な助言をいただいたのでドル買いはやめる。


9/26

◆現在晩点
 上海空港からタクシーで鉄道の上海駅に向かう。
 時間的にはギリギリだったのだが,汽車の方が遅れていた。
 「現在晩点」(遅れてます,という中国語)の表示。
 現地時間3時半の発車が4時半に変わり,
 したがって到着も8時半が9時半に。
 上海駅は広い待合室にも人があふれ,座る場所もない。
 構内禁煙なので,同行している事務局次長はもだえる。
 さて,いま車中だが,満席だったのは最初だけ。
 一駅目で半分の人が降りた。
 ずいぶん楽になったものの,この汽車はひんぱんに停車する。


9/27

◆短大の悲哀
 わが短大と交流協定を結んでくれる中国の大学を探している。
 ところが中国で「短期大学」はまともな大学扱いをされない。
 今日訪問した南京農業大学でもそれをちょっと感じた。
 最初はこちらの方が「農大?」なんて思ってたが
 思い上がりも甚だしかったわけだ。

◆南京農大
 →会見の画像(60KB)
 われわれの相手をしているのは外事弁公室副主任(雷治海教授)


9/28

◆南京・三日目
 朝9時,金陵旅館管理幹部学院の代表者と会う。
 江蘇省の斡旋によるもので,これで南京での用事は終了。
 その後は市内観光ということで,お約束の南京大虐殺記念館へ。
 昼食は南京農大内で,と決めたのは,農大をもう一度見たかったから。
 で,今日初めて正門から入ってみて驚いた。
 けっこう立派な大学じゃないか!
 昨日は裏門から入って,ちょっとみすぼらしいという印象をもった。
 学内にある寮の隣の食堂で安い昼食をとる。
 観光の続きで,有名な長橋をわたり,経済開発区へ。
 夕方,そこから市内へはバスでもどる。
 貧しい人々の暮らす地区ばかりを経巡り,勉強になった。
 夜は繁華街で広東料理を食べ,金鷹という大きなデパート見物。


9/29

◆蘇州
 蘇州市で泊まったホテルでは外線電話は交換呼出。
 つまり,自動ではつながらないので本日は通信できず。

 今朝は6時半に出発し,7時20分発の汽車に間に合った……
 と思ったら,中国語で汽車はバスのことだった。(汽車は火車)
 初歩的なミスで間違った駅に行ったわけ。
 しかし,ともかくギリギリでバスの出発に間に合う。
 蘇州についたらターミナルで蘇州一日ツアーの客引きにあう。
 これにまんまと引っかかって中国人観光客とともに市内巡り。
 終点近く(町外れ)でホテルを見つけ,泊まる。
 深夜,蚊が出てきて眠れず,フロントに電話。
 ひたすら叫んだら蚊取り線香をもってきてくれた。


9/30

◆上海
 早朝,蘇州で評判のラーメン屋に行く。
 TBSでも放送されたので,日本人客も多いようだ。
 黙っていても「TBSラーメン」が出てくる。
 蘇州から上海へはミニバスで約1時間半の旅。
 空港そばのホテルにチェックインしてから市内観光。
 明日の国慶節を前にものすごい人出だ。
 有名な外灘の通りを含め,どこも歩行者天国状態。
 逆にいえば,どこへ行くにも徒歩。
 楽しかったが疲れたよ。


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