2002年
 つぶやき

6/1

◆キャッシング
 先月のクレジットカード使用明細書を見て驚いた。
 銀行のカードと間違えて,銀行でお金を引き出している。
 5万円に対し1200円ほどの「利息」を取られた。
 1200円はけっこう大金である。
 くやしさがこみあげる。(ここらへんが小者)
 昔なら「カードが違います」とか親切な警告が出たのに。


6/2

◆年波
 廃棄された本棚を拾って運ぶ作業をしたせいで
 今朝から上腕部など節々が痛む。
 作業はまだ半ばだが,手伝いは期待できず(人柄のせい)
 しばし中断して学生たちのスポーツ(体育祭)を眺める。


6/3

◆ワールドカップ
 テレビで1日3試合放映されたのを全部観た。
 人からもらった一人用ソファが長時間観戦の役に立つ。
 ただ,弁当の空き箱やペットボトルが周囲に散乱し
 我が家はホームレスの段ボールハウスよりむさ苦しい。


6/4

◆換気扇
 台所の換気扇が回らない。
 3月4日の工事(「つぶやき」2月28日参照)が原因か。
 この家は県の公舎なので,管財課に電話した。
 業者がすぐさま点検し,工事のせいではないとの報告。
 んで管財課がいうには,換気扇の修理は入居者の負担だと。
 「壊れたままでも私が平気なら放置してよいのか」と問うと
 「ご自由に」との返答だったので修理しないことにする。

◆本棚運び(続)
 上腕部・肩の痛みがなくなったので作業を続行。
 本棚4台を4階から1階まで担ぎ降ろし
 軽トラックに乗せ,昼間の国道をノロノロ走り
 市中の「ソフトプラザ」の一室に運び入れた。
 疲れる仕事はイヤ,という人の顔を見るのがイヤなので
 例によって一人で作業をすませたが,ほめる人もいない。


6/5

◆ロートレアモン
 夜間部の講義「社会思想」でフォイエルバッハを紹介した。
 すると,ある学生は受講レポートのなかでこう書く。
 「今回の話を聞いてイメージしたのはマルドロールの歌でした」
 「うさんくさいキリスト教を否定するのは共感できます」
 わかった風な書き方ゆえ,レポートの評点はB+としたが
 ここでロートレアモンが出てきたのには正直おどろいた。
 70年代ならともかく,いまどきの学生がこういう詩人を知っているとは。


6/6

◆自尊心
 市が住民の声を聞く一つの集まりに参加した。
 かごしま新世紀100年プロジェクト会議という。
 参加者は高齢者が大半だが,みな真剣だ。
 自分たちのプランが「上」まで届くことを真剣に願っている。
 市の職員たちも老人の意気を阻喪しないように気遣う。
 ぼくなんかはつい発言者の自尊心を傷つけがちなので
 こういう集まりを修行の場として,ふるまい方を見習おう。


6/7

◆朝風
 早起きしたのでゴミを出す。
 そよ吹く風が心地よい。
 リゾート地で朝の散策をしているような気分になる。
 小学校(母校)の校歌「薫る朝風」を口ずさんだりする。


6/8

◆精神錯乱?
 商経学科は非常勤講師をまねいて懇親会を催した。
 学内の商経資料室で,おつまみとビールだけの粗餐。
 学長(4月新任)も参加し,ぼくの隣に座る。
 宴会もしだいに盛り上がったとき学長がぼくにいう。
 「あなたは話があちこち飛ぶので精神錯乱かと思った」
 学生たちによる授業評価でもぼくの話は飛ぶと指摘されているが
 それを精神錯乱と評するのはなかなかの毒舌ぶりである。
 しかし,それは頭の回転速度の差のように思われ
 そのまま聞き流してしまったが,重要な教訓を逃したか?

◆身の丈
 学長からは別の点で迫力のある指摘を受けた。
 商経学科は地域への具体的貢献を志向しているが
 大学の本分である学的知の探求もおろそかにしてはならない。
 俗世を離れて,ひたすら沈潜しなければならない場面もある。
 短大という枠におさまって,大学の本分を忘れてないか?
 いつのまにやら自分の身の丈を「短大」に合わせてないか?
 なつかしい叱声であった。


6/9

◆復職闘争
 鹿児島国際大を解雇された3教授を守る会ができ
 その総会に参加すべく,自転車で鹿児島大学まで行く。
 解雇されて収入もなく,子どもらは情緒不安定になり
 研究室に入れないため研究の継続もできぬ……
 という話も明日は我が身と思えばこそ。


6/10

◆部屋干し
 部屋干し用の洗剤が発売され,よく売れているらしい。
 情報誌によれば独身女性の8割以上が部屋干しをしている。
 部屋干しした衣類は雑菌がのこり悪臭を放つ。
 そうか,道理で,と思い当たる節あり。
 これ以上ひとに嫌われないよう新洗剤を使わねば。


6/11

◆武久源造
 『新しい人は新しい音楽をする』(アルク,02年4月)の著者。
 チェンバロ奏者だが,「鍵盤の思索者」という帯文句どおり
 奥行きのある思考を明晰な言葉で語る,なかなかの論者だ。
 全盲であることが思考をさらに研ぎ澄ます装置になっている。
 ひさびさに読んでしびれる本に出会った。


6/12

◆月星シューズ
 先日,市中のデパートでスニーカーを買った。
 表布はメッシュっぽく,全体に涼しげで夏向き。
 ところがじっさいはけっこう蒸れる。
 涼しそうなのは見かけだけじゃないか!
 メーカー(月星)は久留米の会社で
 偉いさんの息子とは高校の同級生だから
 製品を何度も購入しているが,そのつど後悔する。


6/13

◆テレビ台
 大学生協で5千円だったので購入。
 この値段だから組み立ては自分でやらねばならない。
 工作手順の絵図をみながら完成させたがちょっと汗をかいた。
 やや大型で,二つの引き出しまでついているから
 けっこうやっかいだったのよ。


6/14

◆ほこりまみれ
 組み立てたテレビ台にいよいよテレビをのせる。
 テレビのそばにあったオーディオ装置ものせる。
 といった作業をすると,その周辺の積年のほこりが舞う。
 スパゲッティ状態のケーブルやコードも厄介だ。
 テレビ台の組み立てよりもその後の据え付けの方が
 はるかに大がかりの作業になろうとは。


6/15

◆ケータイ
 金曜の夜は東京駅発JR中央線も満員だ。
 ぼくのまわりはオヤジばかりだが
 このオヤジたちはみな携帯電話をみつめている。
 ケータイと戯れるのは若者ばかりでないと知る。
 携帯電話はオヤジらにとっても暇つぶしに役立つようだ。


6/16

◆シニア社会学会
 高齢社会を社会学する集まりに出た。
 研究報告は20分間だが報告者はいずれも手慣れていて
 段取りのよい発表の流れに感心させられた。
 ヨレヨレの発言ばかりかも、と予想していたが外れた。
 分科会は「多様な働きの場の創出」というのを選ぶ。
 ここでは予想どおり長々とした自慢話を聞かされて退屈。
 あんまり退屈なので挙手をして質問などしてしまった。
 懇親パーティーに出て、あっ、と思ったのは胸の名札。
 ふつうの学会のように自分の所属も書いたが
 ほかの人はみな名字だけ。
 参加者の大半が退職高齢者であることを思えば
 所属を書く方が失礼だったかもしれない。


6/17

◆年休とりやめ
 家族の入院とかもあって年休をとったが
 学生部長が夜間部の問題を議論したいというのでとりやめた。
 つまり,朝の便で鹿児島にもどってきた。
 ところが学生部長はすでにぼくの代理人を見つけている。
 ぼくの参加が不確かだと思っての措置だ。
 代理でOKの用事なら帰ってくることもなかったな。

◆ワールドカップより大事?
 「話し合い」は近くの小料理屋で続行される。
 話し合いといっても集まることに意味があったようだ。
 呼べば集まることを確認したかったのだろう。
 呼びかけ人は座をはずして電話ばかりしている。
 8時半になり,話すこともなくなったので
 ぼくは帰ってブラジルの戦いを見ることにした。


6/18

◆暗躍
 人事となると燃える人々がいる。
 自分の影響力のほどを確認して,生きている喜びを味わう。
 本人たちは「全体の将来を考えて」やっているから
 めでたくもあり,めでたくもなし。


6/19

◆おだぶつ
 わが家のマック(初期型G3)が起動しなくなった。
 ちょっとした兆候はあったから滞在中に手当てしたかったが
 予定より早く鹿児島に戻ることになったので放置した。
 今朝,家族から「パソコンが動かない」とのSOS電話。
 それで電話であれこれ指図して修復を試みるが
 もどかしいばかりで,しだいに腹が立つ。
 誰に向かって怒ってよいやらわからぬのも腹立たしい。


6/20

◆雨合羽
 昨夜,大雨となったが車で送ってくれる人もいない。
 蘇州で買った自転車用レインコートの出番である。
 こういうときのために研究室に置いといたのだ。
 最初は楽しかったが,30分の道のりの半ばで
 ズボンはズブぬれ,靴のなかもグチョグチョ。
 結論=帰宅時には使えるけど,出勤時には使えないね。


6/21

◆クレームへの回答
 月星シューズは足が蒸れると苦情メールを出したら
 感心なことに回答のメールが来た。

当該商品の通気性に関する再検査を弊社技術部に実施させました。
WM165と他の合成皮革のウォーキングシューズと比較検査の結果、
足甲部分でWM165が温度で約1度、湿度で15%程低く、
ムレにくい結果となりました。
足裏に関しては、ほぼ同程度の結果となりました。
(足裏は湿気が溜まりやすく、
スリッパのようなはきものでも湿気が高く蒸れやすいものですが、
ワールドマーチシリーズはドライフットインソールを使用しており、
停止状態ではスリッパよりも足裏湿度は低いという結果が出ております。)
但し、「足の温湿度」「ムレ感」は、外気候に大きく左右され、
また、個人差も大きいものです。
 この数値はじっさいの不快な体感と乖離するが
 ご回答には感謝すると返事を出した。

6/22

◆キモチワルい
 二村ヒトシ『モテるための哲学』(幻冬社文庫,02年6月)は
 男としての自分のありようを見つめなおさせる。
 モテない理由=「それはあなたがキモチワルいからでしょう」
 この一言に目を開かされる。
 著者はAV監督・男優だそうだが,なかなかの人だ。
 この種の本を買うこと自体がキモチワルいと喝破する。


6/23

◆オーディオ
 オーディオ装置も結線しなおしたら音が良くなった。
 根が百姓なので「ドンシャリ」気味に調整して満悦。
 ただ,読書しながらゆえ,どのCDも後半は印象に残らぬ。


6/24

◆ワンス&フォーエバー
 原題「We were soldiers once ... and young」という映画を観る。
 「少林サッカー」を観に行ったのだが満員なので変更。
 ベトナム戦争の映画で,敵将も立派だったと描く。
 全体としては底浅の印象。


6/25

◆たらいまわし
 沖縄県の対米請求権事業協会は研究報告書を出している。
 下部の地域問題研究所による対米協研究シリーズ
 No.12「沖縄観光人材の育成・活用・確保」
 No.13「沖縄版MBA大学院構想」を読みたいと思う。
 元締めにあたる沖縄県庁の企画開発課企画調整室に電話したら
 係の者は不在。(庁内にいるがいつ戻ってくるかわからない)
 庁内の「わしたショップ」に電話したら隣の本屋で売っているという。
 その「サンプラザ県庁店」に電話したら郵送販売はしないという。
 そこで対米協の電話番号を教えてもらい
 対米協に電話したら県庁内の「ブックスじのん」で買えといわれる。
 「じのん」に電話したら研究シリーズは No.8までしかない。
 物があれば郵送販売するのですが,というので
 何とか取り寄せて郵送してほしい,と頼んだ。
 かなり疲れたが,どの人も声はやさしかったのが印象的。

◆浄化作戦
 22日(土)の夜,うちの夜間部の学生が逮捕された。
 彼はストリートミュージシャンで
 入学時も異色の学生として地元テレビで紹介された男だ。
 しかし,鹿児島市の繁華街は路上ライブを許さない。
 天文館浄化作戦と称して若者たちを界隈から追い出す。
 うちの学生はそのさい警官に頭突きをした(警察の談)。
 警官は唇に五日間のケガ。
 学生は拘置所に二十日間拘留されるとのこと。


6/26

◆Be the Reds !
 韓国のサッカー応援団 Red Devils のTシャツをもっている。
 かつての厳重な反共国家において今「Be the Reds」のロゴが
 むしろ誇らしげに見えるおもしろさ。
 ところがこの赤い応援団の熱っぽさは日本で評判が悪い。
 あまりにも非寛容な狂乱ぶりにネット上で批判が渦をまく。
 んで,このTシャツ,なんだかシャレでも着づらくなった。


6/27

◆ラタトゥイユ?
 職場のワインパーティーに参加する。
 事務局次長が山奥の渓流で釣ってくるイワナは
 ほんとうにしみじみとおいしい。
 今回(第5回目)はラタトゥイユが新メニューに加わる。
 作った人はラタトゥイユを食べたことがなく
 電話で人からレシピを聞いて作ったので
 見た目にはラタトゥイユらしからぬ料理だったが
 お味はなかなかよかったのでマル。


6/28

◆ありがたや
 上野千鶴子『サヨナラ,学校化社会』(太郎次郎社,02年4月)
 この本は思いのほか「買って良かった」たぐいの本だった。
 立ち読みで,夜間部礼賛の個所が目にとまり購入した。
 四流私大から東大までの教師生活を語るのが売りだが
 いつも以上のサービスぶりに,両手を合わせたくなる。
 坊さんの講話に合掌する田舎のバーサンと同じ心境。
 さて,この本で上野は自分の修業時代を回顧する。
 「対話のなかからしかアイデアは育たない」といい
 自分のアイデアを聞いてくれる聴衆が不可欠だという。
 理解者がいることはすごく大事。
 この言葉にうなずきながら,ぼくは少し泣いた。


6/29

◆ハードディスク入替
 わが家のマック(初期型G3: MT233)の不具合を解決。
 内蔵ハードディスクが絶命していたので新品と替えた。
 記憶容量は4ギガから32ギガへと8倍増。
 それでいて値段は9800円(数年前の10分の1だ)。
 また,こういう作業を気軽にやってしまうぼくの成長ぶり。


6/30

◆弁護士
 娘のバイト先の小料理屋は金持ちの客が多い。
 常連の弁護士は金をばらまくように使い
 子分をはべらせ,本人はいい気分だが,陰では笑い者。
 娘から話を聞くと,何だ! ぼくの知人じゃないか。
 大学・大学院の寮でいっしょだった後輩だ。
 司法試験に合格するまでは貧乏で,さえない田舎者。
 合格後は「ブスと結婚しないため」の勉強に励む。
 それまで女性とつきあってこなかったために
 どういうのが「美人」なのかわからないといい
 映画雑誌や男性誌を見て,目を肥やそうとする。
 「弁護士というだけで女は寄ってくる」から
 うかつに結婚して「笑い者」になりたくないと語っていた。
 それから四半世紀,まだ独身なのでまだ勉強中らしい。


過去の記事:
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2001年---------10-11-12月
2000年---------10-11-12月
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