2002年
 つぶやき

8/1

◆卑小な万能感
 Konishiki も新弟子のときイジメられたとTVで語っていた。
 実力では劣る連中が「目下の者」をいたぶって楽しむらしい。
 この図柄は大学にもあてはまるかもしれない。
 これは,ある大学の人事話だが
 同僚の昇格を阻止したがるのは研究面でも冴えない教授たち。
 職場の同僚の運命を手玉にとって万能感を味わう。
 自分では「チェック機能を果たした」といい,悪魔のように笑う。
 Konishiki の場合は兄弟子を稽古場で押しつぶし入院させた。


8/2

◆宿題
 秋の学会に向けてブルデューの勉強をせねばならぬ。
 コメンテーターとして何か一言「しゃれたこと」を言うためだが
 焦るような気持ちになれないのは年の功というか
 老いとともに「恥じらい」を忘れたせいかな。


8/3

◆錯覚?
 学会の用事で上京し、恵比寿界隈を歩く。
 昼、すれちがう女性たちがみな美人に見えた。
 夕方、帰路につくころ「正気」にもどったが
 幸せ気分がしぼんだのは残念。


8/4

◆DVD
 クーラーを買いに立川のビックカメラへ行く。
 たまったポイントを使いDVDプレーヤーも買う。
 居間のテレビにつなぎ,家族とともに鑑賞すれば
 テレビドラマのような一家団欒の図。


8/5

◆みな多忙
 奥さんも息子もそれぞれ大学の図書館でお勉強。
 奥さんの場合は,来週から夏期閉館なのであわてている。
 もう一人の息子(高3)は受験勉強そっちのけで部活。
 バーサンはありがたいことにデイケアセンター。
 家に残るのは奥さんの妹(肝臓ガンで「帰宅」療養)。
 今日の昼食「冷そうめん」はぼくが作る。


8/6

◆人をほめない
 人心を掌握するには誉め言葉が大事らしい。
 「偉い! よくやった ごくろうさん……」
 この言葉を投げかけないと,逆に大変だ。
 互酬あるいは等価交換の,単純な原理である。
 ところがこの行為をしばしば怠るので
 結果は,当然のことに人心の離反。


8/7

◆涼風
 鹿児島に吹く風は東京より涼しい。
 夏休みだけど用事があるので鹿児島にもどってきた。
 じつは,このごろは鹿児島の方が居心地がよい。
 お盆はバーサンのデイケアセンターも休みだから
 家にいると終日バーサンの顔を見なければならない。
 お盆のあいだも鹿児島にいようかな,と考えてしまう。


8/8

◆大学見学会
 高校教師や受験生に向かって学科のPRをする。
 「学生のプレゼンテーション能力を向上させます」
 とか言いつつ,自らのプレゼン術の拙さを恥じる。


8/9

◆景品
 雨の日しか車に乗らないのでガソリンも減らない。
 近くのガソリンスタンドはときどき景品をくれるが
 20リットル以上の購入が条件。
 これまでトートバックや包丁セットをもらった。
 今月の景品「入浴セット」のボディたわしにも心ひかれる。
 しかし,現時点では10リットルで満タンだ。


8/10

◆いずこもさびしい
 午後の飛行機で上京することにした。
 自分の研究室の方が快適だし,勉強道具もあるが
 スーパーの弁当や「ほかほか弁当」が常食になるのは減点。
 しかもお盆の間は,学内に人影なく,遊び相手がいない。


8/11

◆Mobile Gear の出番
 来月,息子が2週間ほどアメリカに行くというので
 メール送受信の道具としてモバイルギアを貸すことにした。
 使い方の伝授で,また父親の出番もあるわけだ。
 ちょっとうれしい。


8/12

◆ADSL の高速化
 ADSL を1.5Mから8Mに変えた。
 スピードを実測すると正午前で2.3M。
 1.5Mよりも速い数値だから満足すべきだろう。

◆新聞投稿
 南日本新聞の「ひろば」欄に以下の文を投稿した。
 ボツになるかもしれないので,ここに掲載しておく。

空港はなぜkukoなの    短大教員 斉藤悦則

高速道路の標識で成田空港が Narita Kuko と表示されているのを見て,「国際化の時代に何だこれは」と憤慨した評論家がいた。アルファベットで表記するのは外国人にもわかりやすくするための配慮なのだから,空港は Kuko でなく Airport と表記すべきだというのである。

その点,鹿児島空港の場合はちゃんと Kagoshima Airport と表記されていた。ところが,先日気づいたのだが,いつのまにか鹿児島県内の高速道路の(緑色の)表示板では Airport が消され,一斉にKukoと書き換えられている。いくつかの表示板は書き換えの痕跡もあらわで見苦しい。それでもとにかく空港を Kuko と表記したがる高速道路公団の真意は何なのだろう。英語ばかりをありがたがるなというメッセージなのだろうか。


 [後記:上記の文は8月18日付の「ひろば」に載ったが
     8月28日には下記の反論が掲載された]
インターにちなみkukoと明記    JH鹿児島管理事務所長  山本 弘

十八日付「ひろば」欄に掲載されました「空港はなぜkukoなの」についてお答えさせていただきます。
高速道路のインターチェンジ(IC)出口の案内標識は,政令などに基づき設置しております。ご指摘のありました溝辺鹿児島空港ICの出口案内標識の[kuko」の表記は「溝辺鹿児島空港」がインターチェンジ名称であり,いわゆる一つの固有名詞であるため「Mizobe-kagoshimakuko]とローマ字で併記しています。
空港施設そのものを案内する標識については,普通名詞であるため「空港」「Airport」と英語併記した案内標識を同位置に設置し案内しております。
日本道路公団(JH)といたしましては,安全で快適な高速道路の管理に努めてまいりますので,今後ともよろしくお願い申し上げます。


8/13

◆鬼気迫る
 バーサンは時間の感覚も失調気味。
 夕方にもならぬうちから寝間着に着替え
 しかも,帯の結び方もむちゃくちゃなので
 かなり怪しい格好のまま家の中をうろつく。
 奥さんの妹もこのごろ一段と怖ろしい姿になった。
 顔や腕はやせ細り,お腹と脚の浮腫は激化。
 歩けるのが不思議なほどだ。


8/14

◆Baby Powder
 誰が使うのか,洗面所にパウダーの缶。
 歯を磨きながら缶を見つめていると
 過ぎた昔の夏の匂いがよみがえる。
 首筋にできた「あせも」の手当ての最後に
 母親がつけてくれる「てんかふん」の匂い。


8/15

◆コードレス電話機
 子機つきの電話機を買った。
 手にとらずに話せるスピーカーフォン機能とか
 便利そうな仕掛けがあれこれついているが
 操作法を覚えるのがめんどうくさい。
 これも老いのあらわれか。


8/16

◆脱糞
 例によってバーサンがひきおこす騒動。
 ウンコをあちこちに落としている。
 感心というか,自分で「片づけた」部分もあって
 いくつかは紙にくるんでゴミ箱へ。
 しかし,居間のソファにはこすりつけられた跡がある。


8/17

◆非弁提携
 サラ金で困っている人の救助を看板に
 事務員70人を雇っていた弁護士を知っている。
 先月「非弁提携」をとがめられて,東京弁護士会から除名された。
 整理屋など債務整理業者(非弁護士)との結託は
 悪質な犯罪とされ,かれは弁護士資格を失った。
 しかし,かれのおかげでサラ金地獄から脱した人もいる。
 たしかにこの弁護士はたくさん金を稼いでいたが
 蓄財の意欲はなく,金は取り巻き連中にばらまいていた。
 絵に描いたような成金趣味を発揮していたが
 この男の学生・院生時代の貧乏ぶりを知るぼくには
 何となく納得できる行動様式であった。
 サラ金対策を専門にしたのも,根が善良だからだろう。
 事務作業を要領よくシステム化したので
 この事務所は巨大化したが,それはかれの本意ではなかろう。
 事務所の巨大化は派手な宣伝につながり,破滅にもつながった。


8/18

◆秋来ぬと
 台風接近で関東地方も雨。
 おかげで夜は涼しく,眠りも深くなる。
 バーサンは,いつものように早起きしたものの
 居間のソファで二度寝を楽しんでいる。
 その寝姿はとても直視できない。


8/19

◆参考文献の書き方
 奥さんは夏休みの「宿題」でレポート3本を抱える。
 くわえて老母や重病の妹の世話もあるので大変だ。
 で,ひまを見つけてはパソコンに向かっている。
 ようやく1本書いたが,参考文献の書き方で迷っていた。
 どれどれ,と偉そうに介入し,アドバイス。
 すると,「それはこのガイドブックのと違う」という。
 んなバカな,とインターネットで調べ直してみた。
 あちこちの学会誌の論文執筆要領を見てみると
 事項の配列や表記法とかで,予想以上に差異がある。
 こちらもプロのつもりだったが,世の中は広いね。
 結局,読み手(評価を下す人)の趣味に合わせるしかなさそう。


8/20

◆ I am Sam
 立川シネマシティは平日でも混んでいた。
 観客の大半が女性というのは鹿児島と同様。
 昼前だったので,隣接するデパ地下にて弁当を買い
 映画館のなかで上映前に早食いした。


8/21

◆MUG
 鹿児島にも Mac User Group があるという。
 ネット上でメンバーを募集していたが
 定例会の場所は城山観光ホテルだと。
 そういう「高級な」場所を選ぶのは医者が多いからか。
 こちらの「貧乏趣味」には合わないような気もする。


8/22

◆Do-It-Yourself
 奥さんの妹の病状はさらに悪化した。
 歩行はできるが,立ち上がるのが難しい。
 そこでトイレの壁に起立補助の手すりをつけた。
 DIY店でパーツを買って,大工仕事。
 誰もほめてくれないが,なかなかの仕上がりだ。


8/23

◆Terminal Care
 奥さんの妹は入院した。
 抗ガン剤注入のための1日入院のはずだったが
 もはや「治療」の段階は過ぎたようである。
 ただし「ここはターミナルケアの場ではないので」
 入院の期間は2週間までとされた。


8/24

◆鼻水
 夏と思えぬ涼しい日が続くせいで鼻水がとまらぬ。
 今日は Mac OS-X 10.2 (Jaguar) の発売日だが
 動かず,家で映画(DVD)三昧。


8/25

◆アカデミック・プライス
 Mac OS-X 10.2 を買いたいのに,今日も不可。
 アカデミック版は14,800円→8,500円となるが
 そのためには店頭で学生証などを見せねばならぬ。
 こういうときに限って,頼りになる者がいない。
 学生証をもつ息子も娘も奥さんも,みな外出。


8/26

◆賞味期限切れ
 昼食は冷蔵庫内の整理をかねて炒め物。
 豚肉は賞味期限が1週間前に切れている。
 変な臭いもしないので,息子とともに食す。
 うまくもなかったが,体に変調はなし。


8/27

◆自分の居場所
 家族は朝からみな出払って,家は静かなもんだ。
 蒸し暑い部屋のなか,読み差しの本を腹にのせて眠る。
 これなら鹿児島の方がまだ居心地がいい。
 ここはよその家という気持ちがいまだに消えない。
 というか,現実にも私専用の居場所がここにはない。


8/28

◆塩辛
 子どものころから塩辛=まずいという思いはあるが
 味の好みは歳とともに変化するようなので
 スーパーで「タコの塩辛」1袋100円を買ってみた。
 やっぱりとてもまずかった。
 しかし,チャレンジングな自分は偉いと思う。
 100円で得られた満足感。(貧乏〜)


8/29

◆パソコン高速化
 わが家で稼働する4台のマック中,一番の古手を高速化した。
 Power Mac G3 DTの CPU (エンジン)を G4 に換えた。
 通販で3万9800円。
 233 → 500MHz となり,体感速度も2倍ほど増加した。
 狙いどおり(数値どうり)の改善がなされたわけだが
 苦労の度合いが低いせいか,さほど感動も覚えない。

◆ラグビー
 高3の息子はまだ部活をやっている。
 秋の公式戦(トーナメント)で敗れるまで続けるらしい。
 今日,夏休み最後の練習試合を観に行った。
 父親はスポーツがからきしダメな人間なのに
 うちの子どもはみんな体を動かすのが大好き。
 大汗をかいて何が楽しい,と思ったりもするが
 それはそれで幸せな人生につながるかもしれない。


8/30

◆末期
 あと1週間で奥さんの妹は退院し「帰宅」する。
 それからどうする,が大問題。
 医療生協系の診療所の医者に往診を頼もう。
 肺の水を抜くのは在宅でも可能らしい。
 病人がもう自分でトイレに行けない場合
 ベッドの横にポータブルトイレを置くか
 あるいは,おむつをあてるしかないが
 いずれにせよ,誰かがその始末をせねばならない。
 どこかの病院に空きベッドができるのを待ちながら
 けっこう大変な日々が続く。


8/31

◆臨終
 奥さんの妹が息を引き取った。
 早朝,病院から電話で危篤を知らされて
 奥さんはすぐ駆けつけ,最後を看取った。
 もはや看病の問題はなくなったが
 ぼく的には葬儀用の服をどうするか考えねばならない。
 いまジーンズとTシャツ,あるいは短パンしかない。
 靴もスニーカーとサンダルだけだ。


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