2002年

 つぶやき


9/1

◆プロの手際
 植木屋さんが庭の手入れをしている。
 さすがはプロだ。
 テキパキと手際がよく,仕上がりも上等。
 こちらもプロの研究者・教育者を称しているのだが
 感心させられるほど手際よく仕事をこなしているだろうか。

◆学会発表の準備
 秋の日仏社会学会でのスピーチ準備もこれからだというのに
 来年の経済学史学会のフォーラムの準備もしなければならない。
 経済学史学会はさすがに「業界大手」だけに
 1年以上も前から共通論題を決めて準備させる。
 フォーラムのテーマは「産業主義とアソシアシオン」で
 ぼくの担当は「初期社会主義の変容」だと。
 ま,ノミネートしてくれただけでもありがたい。


9/2

◆病理解剖
 遺体はまだ病院に置かれている。
 今日,月曜日の病理解剖のためだ。(土日は休み)
 その後「帰宅」することになるが火葬は明後日。
 明日は友引で火葬場は定休日らしい。


9/3

◆パソコンの不具合
 エンジン(CPU)を高速化し,ハードディスクも交換した。
 ハードディスクは6月末に40ギガに交換したばかりだが
 異音を発し,ついには認識もしなくなった。
 新たに60ギガを1万円で購入し,40ギガは修理に出す。
 ところが,この60ギガも調子が悪いのだ。
 エンジンが高速すぎて,連動しきれないのか?
 と,いろいろいじりつつ物思いにふける。


9/4

◆葬儀
 火葬場の待合室でビールがふるまわれ
 父と娘が差しつ差されつ。(変な感じ)
 酒に強い娘はビールをグビグビ飲む。
 父親は「弱ったな〜」と思う。


9/5

◆意識モーロー
 日仏社会学会の用事で都心にでかける。
 理事会のあと,ビアホールで打ち上げ。
 連日のように昼間からビールを飲んでいる。
 自分でも気づかぬうちに疲れていたようで
 ひどく酔いが回って,みんなの声が遠い。
 眠っちゃいけないと思うから,けっこうつらかった。


9/6

◆学生の死
 今朝、うちの学生が鹿児島市内で交通事故にあった。
 信号待ちをしていたときに大型重機にはねられた。
 企業研修(インターンシップ)に行く途中のできごとだ。
 こんなことで殺されてはたまらない。
 ぼくは学科長だからもちろん葬儀に出る。
 ところが、わが家の葬式もまだ完了しておらず
 香典の始末、遺品の整理、親族の送迎で働かねばならぬ。
 今日の鹿児島行きは無理、と弱っていたら
 通夜は明日の夕方になった、と事務局より連絡あり。
 飛行機は昼の便にしたが、洗濯屋に出した黒服は間に合わぬ。

 → 南日本新聞の記事


9/7

◆帰鹿
 暑い鹿児島にもどり,タンスからスーツを引き出した。
 黒っぽい服なので,これなら通夜に出られる。
 虫食いの穴もあいてないようだ。
 しかし,スーツを着ると汗が噴き出す。


9/8

◆剪定
 1ヶ月ほど留守している間に玄関の木が伸びた。
 枝が歩道にはみだし,通行人のじゃまになる。
 昨夜遅く,ひとりシコシコと枝を切りまくる。
 切り落とした枝は玄関先まで運ぶ。


9/9

◆法話
 このごろ立て続けに葬式で坊主の法話を聞く。
 一昨日,昨日の坊主は頭が悪そうだった。
 世の無常を説くが,本人が内容を理解していない。
 思えば,これまで聞いた法話のうちで最良のものは
 15年ほど前,指宿の田舎寺(浄土真宗)の坊主の話。
 父親の葬式で,お布施もろくに払わなかったが
 坊主は他力本願の意味を教えてくれ,感動させられた。
 田舎にもすごい人がいるもんだと思った。
 自分もああいう人間になれたらな,と思った。


9/10

◆保護者
 奥さんが社会人入学している大学から授業料の督促。
 ぼくが「保護者」だからだ。
 昔(結婚したての頃)ぼくは定職についてなく
 奥さんの世話になった時期もあるので
 いわばご恩返しで,その授業料を銀行に振り込んだ。


9/11

◆名刺
 新しい名刺はロゴ入り2色刷にしたいと思ったが
 肝心のロゴを上手に作れないでいるため
 けっきょく,ごく普通の名刺にした。
 タウンページで探した自宅近くの印刷屋は
 古い木造平屋の狭くて長い土間の突き当たり。
 ジーチャン,バーチャンによる家内制手工業。
 なんだか半世紀ほどタイムスリップした気分になる。


9/12

◆9・11
 World Trade Centerのなかにいた消防士たちを
 フランス人のカメラマン兄弟が撮影している。
 1年たって「封印」が解かれ放送された。
 人間が空からドスンドスンと落ちてくる音。
 落下の絵はなくても,その音だけで十分に恐ろしい。


9/13

◆風の芸術展
 12日から旧友夫妻を鹿児島観光に連れ回している。
 13日は南下して枕崎へ行く。
 枕崎には南溟館という市立の美術館があり
 13日は「トリエンナーレまくらざき」の最終日だった。
 「風の芸術展」と称するこのコンクールには
 全国から応募があるらしく,じっさい選ばれた作品には
 なかなかのものが多かった(ように思われる)。
 枕崎市の中心部はシャッターのおりた店が多く
 ひどくさびれはてている印象を与えるが
 この展覧会に並んだ現代美術の作品を眺めていると
 この建物を起点に街を活性化できそうな気がしてきた。


9/14

◆「つぶやき」の読者
 このごろ,ここを読む人の数はけっこう増えたようだ。
 それはそれでめでたいが,困ったこともある。
 「深読み」をして「これは自分へのあてこすりだ」と憤る人
 また「あんたの悪口が書かれてる」と人に知らせる人
 と,いろんな人がいて,身辺が騒がしくなった。
 職場の内情を表沙汰にすべきではないとの批判もある。
 職場はいま「夏休み中」で,批判もやや小声だが
 9月も末には,このくすぶりに油をかける人が加わり
 議論(というか消耗戦)が盛り上がりそうだ。
 いや〜,教員は研究や教育にこそ燃えるべきで
 学内政治はほどほどにしてほしい,と願った戯れ言がアダ。
 このページを誰も読まなかった頃が懐かしくなる。


9/15

◆大学は共産圏?
 自分のホームページに「日記」を載せている人は多い。
 ある大学の教員は学長(理事長だったか?)の悪口を書いた。
 すると「名誉毀損で訴えるぞ」と脅かされるはめに。
 この話は旧ソ連のアネクドート(政治小咄)を思い出させる。
 酔っぱらって「ブレジネフはバカだ」と言った男が逮捕された。
 罪状は「国家機密の漏洩」。


9/16

◆やはりPCは難しい
 息子が2週間のアメリカ旅行から帰ってきた。
 父親が貸したモバイルギアは使われなかった。
 使おうとしても,うまくいかなかった,という。
 マックしか知らない息子だから予習させたのに
 息子はメールぐらいなら簡単,とPCをなめていた。
 見知らぬソフトでも何とか操作できるだろうと思うのは
 マックの利用者にありがちな驕慢だ。


9/17

◆精神安定剤
 怪しい教育学者,斉藤孝の活動ぶりをテレビで見た。
 本人は超多忙を楽しんでいるようで,めでたい。
 ぼくとはずいぶん落差があるが共通点もある。
 本屋に入ると幸福感を覚える。
 昨日は古本屋で持病の「暗点」が出たが
 店内をうろついている間に解消した。


9/18

◆お父さん助けて
 近くの食堂で,そなえつけの新聞を読む。
 福岡の立てこもり事件で人質の女の子(9歳)が殺された。
 警察の不手際で,30時間以上も監禁され
 そして解放直前に刺殺されてしまう。
 その女の子の叫び声が新聞の見出しになっている。
 お父さん助けて――この一行を見ただけでぼくは泣いた。


9/19

◆PC改造の費用対効果
 手元に6年前のPC(PowerMac 9500)がある。
 CPUやHDを交換すると7万円かかる。
 かつてはこの機械なしでは暮らせなかったのだが
 いまは新型機のかたわらで眠っている。
 起こす必要もないのだが,使ってやりたい気もする。
 「身内」ゆえ費用対効果など無視したくなる。


9/20

◆来年の学会発表
 経済学史学会は例年10月か11月に開かれてきた。
 ところが来年から5月に変更される。
 報告の準備は1年かけて,と思っていたので
 半年間短縮されて,気分的に少し焦る。


9/21

◆父親思い
 上京して、夜遅く家族宅に着く。
 すると娘が「仮装大賞を録画しておいたよ」という。
 父親が見たがる番組を知っているのだ。
 先月も息子が「鳥人間コンテスト」を録画しておいてくれた。
 「ロボットコンテストも好きだよね」とお見通し。
 父親思いの気遣いはありがたいが
 彼らの父親像はもっぱらテレビの前でくつろぐ姿と重なり
 なんだか小市民的すぎて、ちょっと困惑。


9/22

◆閉店セール
 近くの量販店「ダイクマ府中店」は近日完全閉店。
 在庫品大処分で,すでに店内はかなりスカスカだ。
 ぼくもふらふらとDVDコーナーで1枚購入。
 メル・ブルックスの「ヤング・フランケンシュタイン」
 はい,こういうおバカ系が好みなので。


9/23

◆さむっ
 いや〜,関東地方は寒いぞ。
 鹿児島気分をひきずって薄着のままでいたら
 とたんに鼻風邪をひき,鼻水ズルズルだ。


9/24

◆寸法違い
 浴室のバスタオル掛け用の鉄パイプを買いに行く。
 あらかじめ両手の人差し指で長さを測り
 その姿勢を記憶してDIY店へ向かう。
 店で鉄パイプを切断してもらったが
 家に戻ると2センチほど長すぎ,取り付け不能。


9/25

◆旅支度
 明日の米沢行きのため,みどりの窓口でチケット購入。
 さらにインターネットでラーメン情報を調べると
 
米沢商工会議所サイト内のガイドは充実していた。
 それにもとづき,店の目安をつけて準備完了。


9/26

◆モバギ不調
 米沢にモバイルギアを持参してホテルでメールの送受信。
 それは問題なかったが,ホームページの更新はできない。
 なぜか自分のプロバイダに接続したときだけ不調。
 学科関係とか,別の(秘密の)サーバについては順調。
 理由はまったくわからないので
 息子がアメリカでモバギを使えなかったことも責められない。
 [後記:鹿児島の地元プロバイダ「MINC」に難ありとの噂]


9/27

◆うまぐね〜
 楽しみにしていた米沢ラーメンは期待はずれ。
 そして米沢の街も予想以上にさびれていた。
 地元の公立短大の教員がグチっていたように
 米沢牛は地元民にとっても高価なので
 ここは酒がうまいという点だけが取り柄か。
 といっても日本酒のおいしさがわからないぼくには無意味。


9/28

◆バーサンの腰痛
 デイケアセンターで遊戯中にこけたらしい。
 帰宅してから痛がる。
 トイレに行くときも人手を頼むようになった。
 しかし,じっとしているときは痛みを忘れている。
 動こうとするたび「新鮮な気持ちで」痛がるのだ。


9/29

◆我が師
 現在無職の津田内匠先生と久しぶりに会う。
 研究面ではいまでも現役の,先生の話もたっぷり聞けた。
 資料探索に没頭し,推理・発見を楽しむ先生の
 語りはいつもおもしろく,かつ刺激的だが
 別れた後はなぜか泣きたいような気分になる。


9/30

◆もう秋?
 9月の終わりの鹿児島は中途半端に暑い。
 でも,いちおう秋なので窓を閉めて寝る。
 うちにはエアコンがなく,窓の開閉で室温を調整するのだ。


過去の記事:
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2001年---------10-11-12月
2000年---------10-11-12月
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1998年

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