2002年

 つぶやき


11/1

◆弁当
 このごろは昼も市販の弁当だ。(ふだんは食堂)
 幸せなことに今日は組合の学習会で
 けっこう豪華な弁当が出た。
 欠席者の分ももらって帰った。
 明日は学校の体育祭で,また弁当が出る。
 こういう事態を「うれしい」と思う貧しさ。


11/2

◆街を社会学する
 来週末9日は市内のタウンウォッチング。
 学生気分で楽しみにしていたら講師役だと。
 ウォッチングするさいの目のつけどころを
 当日参加者にレクチャーしてほしいと言われた。
 こちらが教えてもらいたいよ。


11/3

◆おはら祭
 かつては,この11月初旬の連休中,家族宅で過ごし
 子連れで国立市民祭(一橋大学祭と合同)に行くのが常。
 いまは子どもたちも成長し,地域の祭とも縁遠い。
 そして今年,ぼくは連休を鹿児島で過ごす。
 鹿児島では「おはら祭」をやっている。
 うちの学生たちは100人ほどの集団で参加し
 冷たい雨にもめげず,燃えていたらしい。
 ぼくは傘をさしながら自転車に乗って見に行ったが
 学生の荷物の番をする教員に出会っただけ。


11/4

◆不審な紛失
 商経学科の共同研究室(資料室と称する)が
 土日・祝日は施錠され,使えなくなった。
 学内で備品の「紛失」が続いているせいである。
 備品といってもテレビの室内アンテナとか
 スチール棚の棚2枚など「せこい」ものばかり。
 持っていくのは人を困らせるのが趣味のようだ。
 おかげで休日の学校はとても使い勝手が悪くなった。
 とくに資料室は休日でも学生が利用できるように
 いろいろ仕掛けを作ってきただけに残念だ。
 初めから「モノは盗まれるもの」と観念していればよいのだが
 県立の学校(お役所)だから,そうもいかない。


11/5

◆本棚のパーツ
 研究室に増設した本棚5脚はいずれももらいもの。
 言っちゃ悪いが,すべて安物のスチール本棚である。
 棚を支えるフックが1個「紛失」したので
 DIY店に買いに行ったが,同型の金具は見あたらず。
 しかたなく,棚支えになるような金具と接着剤を買う。
 指から血を流しながら,作業はなんとなく成功。
 んで,横積みにした本を棚に収めていくと
 本の下からフックが見つかった。
 まあ,そういうものだね。


11/6

◆マルチタスク
 異なる作業を並行処理する能力が
 このごろ急に失われたような気がする。
 ひとつのことに関わると他のことを忘れたりする。
 かつては,こうしたシングルタスク型の人間を
 「バカじゃないの」と笑ったりしてたが
 いまやそれは自らの姿である。
 財布をどこにしまったか忘れる騒ぎも続く。
 騒ぎといっても自分の個人的な騒動だが
 考えごとをしながら帰り支度をしたせいで忘れ
 立ち寄ったスーパーのレジで赤恥を2回。
 (財布は着替えた服のポケットやリュックの底にあり)


11/7

◆街に出よう,てか
 学生に本を読ませるのは至難の技。
 おもしろいから読め,と強制するのも趣味じゃない。
 無理強いは読書を苦行に変えてしまうから。
 といって,テキストなしでゼミをしようとすると
 どうも芯が通らず,間抜けな時間が流れる。
 テキストなしで学生たちが喜んでいるわけでもない。
 斉藤ゼミでは学びの手応えがなく,学生も不満が募る。
 こうなったらもう路上に出るしかないが
 フィールドワークは教員自身が訓練不足。


11/8

◆自転車は消耗品?
 インドネシア人の研究員に自転車を貸している。
 昨日,彼が違う自転車に乗っているのを見かけ
 「どうしたの?」と聞くと
 「あれはパンクしたので……」との答え。
 「それじゃ家まで取りに行くよ」というと
 困った顔をして「別のところにあります」
 う〜む,どこかに乗り捨ててきたらしい。


11/9

◆タウンウォッチング
 イベントには30名ほどの学生が集まり,一安心。
 ミニ講義「街を社会学する」にもまずまずの反応。
 今日ウォッチングする街は市内の繁華街だったので
 つまらないかと思われたが,案外楽しんでいた。
 集団で動き回ることそれ自体が楽しかったのかな。


11/10

◆頭が高い
 商工会議所は街づくりのアイデアを求めるのだから
 「学生さんたちに来ていただく」態度で臨むべきだ。
 ところが逆に,学生に街頭調査のタダ働きまでさせる計画。
 学生にとって「勉強」になるだろう,という。
 なんだか発想も硬く頭も高い。
 こちらは向こうの企てに乗じて「実」を取る作戦で
 「実」とは「われわれ自身の成長」だから
 勉強といえば勉強なのだが
 それを企画者側から言われたくない。
 そこで「調査よりも観察に専念させたい」と
 控えめに注文したら,妙にあっさりと受け入れられた。


11/11

◆おかわり自由
 500円でバイキングという店には長蛇の列。
 一瞬立ち止まったものの,今回はパスした。
 その隣の定食屋「めしや丼」に入ってみる。
 ここもご飯は食べ放題,おかわり自由。
 でも,なんだか3杯目のときは少しためらう。
 人目を気にする歳でもないけどね。


11/12

◆うかうかしてられない
 12日は学生の文化祭で学食も休み。
 文化祭の場所は繁華街そばの文化センターだから
 昼食もまちなかでとれば祭も楽しめる。
 というわけで昼から街に出て,夜まで遊び過ごす。
 レストラン2つ,喫茶店2つ,本屋2つを回った。
 夜遅く学校にもどれば,アマゾン・フランスから
 注文の書籍5冊郵送しましたとのメールが届く。
 あ,そうだった,来年5月の学会発表の準備用だ。
 学会といえば,日仏社会学会の年報も
 原稿がそろったのでDTP(編集)作業を急がねば。
 一方,まちづくりの会合が毎土曜にある。
 種子島での調査は来週末だ。
 ひえ〜,じつはけっこう忙しい体なのである。
 それを失念し,ついうかうかと一日を過ごした。

◆進歩なし
 9日のイベントの画像を記録したCDをもらう。
 学生に向かって何かを語るぼくの姿も
 デジタルビデオで収録されている。
 それをみて驚いた。
 早口で,滑舌も悪く,意味も不明瞭。
 身振りも落ち着きがなく,怪しい。
 自分としては教員生活もかなり長いので
 その間にだいぶん成長したと思っていたが
 これにみれば,昔から指摘されてきた欠点だらけ。
 われながらあまりの情けなさに涙した。


11/13

◆種子島の観光案内
 高速船が出る鹿児島新港に案内所がある。
 行ってみると,係員もいなければパンフもない。
 隣のフェリー乗り場に行けばさらに何もない。
 (屋久島のパンフならどちらにもたくさんあります)
 ふたたび案内所にもどると,係のおじさんがいたが
 いまから会議なのでお話しできないという。
 あまりのことに,うっ,と唸ったら
 「種子島はロケットと鉄砲伝来だけ」と冷たい。
 詳しくは種子島に行ってから聞きなさい,と
 自分の名刺をくれて去っていった。
 肩書は鹿児島日々新聞社取締役編集主幹。
 観光案内所は編集室でもあったのね。


11/14

◆今日は車検
 軽トラック「ミゼット2」を買って5年。
 総走行距離は1万3千キロ。
 つまり,ほとんど走っていない。
 ガソリンも月あたり10リットルで済む。
 車検と任意保険の負担だけが重たい。
 [今回の車検費用=8万2千円]


11/15

◆親切
 木曜日は昼休み前後に授業があるので
 昼食は生協の棚にあるもので済ませる。
 「うどん」は湯をかけるだけだし,かつ美味である。
 給湯室に行くと,お掃除おばちゃんがいた。
 お湯をかけてあげましょう,と親切だが
 やかんのお湯はまだ沸騰していない。
 おばちゃんはぼくが急いでいると思い
 さらに親切にも,そのぬるい湯をかけてくれた。
 これが鹿児島スタイルの親切である。


11/16

◆頭痛
 朝起きたときから頭が痛い。
 激痛ではないものの,かつてないことゆえ
 いささか心配になり,早朝から薬屋にかけこむ。
 薦められるままに生理痛の薬を買って飲む。
 ジワっとした痛みにはこれが効く,とのこと。


11/17

◆学内開放
 学園祭で,自治会主催のオープンキャンパスに登壇。
 夜間部の学生を確保するため受験生に呼びかける。
 30名ほどの高校生・社会人を相手に
 夜間部で学ぶ「ありがたみ」を力説した。


11/18

◆DVD
 DVDプレーヤーを買った。
 ソフトは家の近所のビデオ屋で借りようと思う。
 ところが近所のは2軒ともDVDコーナーが貧弱。
 国立市の小さなビデオ屋よりも品薄なのはおろか
 うちの学校の図書館にすら負けている。
 鹿児島でのDVD普及率の低さ。
 結局,CDショップでDVDを買って帰る。
 1945年のミュージカル映画「錨を上げて」1600円。


11/19

◆床屋
 朝,遅い通勤の途中,校門前の床屋に入る。
 ここのオヤジもだいぶん老けた。
 サービスで肩もみまでしてくれるが
 老人にそんなことさせていいのか,と
 なんだか申し訳ないような気分になる。


11/20

◆th の発音
 米国アニメ映画のDVDを購入(1500円)。
 「アイアン・ジャイアント The Iron Giant」(1999)は
 封切り当時「けっこう感動的」と評されたものだ。
 なるほど,と思わせる作品であった。
 2日連続で(つまり2度)見てしまった。
 主人公 Hogarth の名前を人が呼ぶシーンで小発見。
 口元を見ると th の発音は舌先をかむ。


11/21

◆栄養の偏り
 スーパーで買った弁当を夕食にする日が続く。
 そのせいか口内炎みたいなのができた。
 また,塩分過多のせいか,口の中が渇く。
 いや,原因は別(病気)かもしれないが
 それは恐ろしいので考えないことにする。


11/22

◆威風堂々
 自転車通勤のさい,県庁跡地の横を走る。
 放送大学を含む総合的な生涯学習施設が建設中だ。
 最近,囲いの塀が少しずつ取り払われ
 この大建造物の姿がはっきり見えだした。
 暗い灰色の石造りで,まさしく威風堂々。
 「お上」の頭の高さを物語り,いかにも鹿児島風。
 上から教えを垂れる県の教育観の具象化でもある。


11/23

◆船酔い
 早朝,水中翼船に乗って種子島へ来た。
 波浪注意報どおりの海で船は激しく上下動。
 いっしょに来た学生たちも気分悪そう。
 ところが上陸してしばらくすると
 コンビニでパンを買って食べている。


11/24

◆種子島IT事情
 宿は港のそばでシティホテルと称する。
 このホテルでは内線が使えないだけでなく
 フロント横の電話でもネット接続不能。
 ホテル近辺にもグレー電話は見当たらない。
 ネットカフェもない。

 二泊目の旅館は内線電話が使えたものの
 モデムで外線につなごうとするとうまくいかない。
 韓国・中国・インドネシア・マレーシアでできたことが
 なぜか種子島ではできないのである。


11/25

◆波頭を越えて
 けっきょく種子島ではネット接続できぬまま過ごす。
 来たときよりも激しい強風波浪のなか,本日帰鹿した。
 船に乗るとき「Uターンすることもありうる」と
 予告されたが,船はがんばって海を渡りきる。
 学生たちも帰路は船酔いしなかった。


11/26

◆ふっしょく
 不良銀行の国有化を唱える木村剛がTVに出ていた。
 彼は「払拭」の意味で「ふってい」という。
 そういえばうちの文学科長も
 入試説明会のとき「ふってい」といってたな〜。
 こういう読み違いを聞くと自分自身の恥ずかしい体験を
 あれこれ思い出してしまい,一人赤面する。
 ぼくも長いこと「ご託宣」を「ごせんたく」と読んでいた。


11/27

◆みかん
 こたつに入ってみかんを食べるのが
 子どものころは冬の定番だった。
 長じてからは,みかんに限らず果物を食べない。
 嫌いになったわけではなく,皮をむくのが面倒だから。
 それでも昨夜は気まぐれにみかんを買う。
 果物を路上販売していたオヤジと目が合い
 ついフラフラと一袋買ってしまった。
 寒空の下,お互いさびしい身の上,と思いこみ
 インドネシア語でいうゴトン・ロヨン
 つまり助け合いの精神で財布を開いた。


11/28

中国映画
 街の映画館で「きれいなおかあさん」(99)を観た。
 原題は「漂亮媽媽」( Breaking the Silence )。
 聾唖の息子を「普通の」小学校に入れようと
 がんばるシングルマザーの物語である。
 もう観る前から大泣きする構えでいたのに
 仕掛けられた泣かせのツボに心がハマらず
 涙がこみあげる場面もほとんどなく終わった。


11/29

独身の弁護士
 この「つぶやき」を読んだという人から電話。
 テレビ番組の企画をしている会社の人だそうだ。
 年末12月29日にTBSでやる「お見合い」特番に
 出演してくれる金持ちの独身男性を求めていた。
 インターネットで「独身,弁護士」を検索したら
 「つぶやき」6月30日の記事がヒットしたという。
 ぼくの後輩の弁護士についての問い合わせである。
 「そいつは弁護士資格を失いました」と答えると
 「あ〜,そ〜ですか」で会話は終わり。

ポンカン
 ネット通販でポンカン(10Kg=6000円)を注文した。
 昨年は注文が遅れてポンカンは品切れと言われ
 1月から出荷されるタンカンに替えた。
 そこは良質の品を提供してくれるとわかったので
 今年は早めにポンカンを注文したのである。
 ポンカン園下吉は開聞岳麓の農家だが
 ネット販売でもちゃんと商売しているのが偉い。


11/30

アンテナ
 今夜のテレビドラマを録画しようと思うが
 家のビデオは壊れているし
 学校(商経資料室)のビデオはアンテナがない。
 久々の雨の中,電気屋に行き室内アンテナを買う。
 学校のビデオにつないだが受信状態が不良。
 朝からバタバタ動いた分だけ大きく落胆した。

 [録画したNHKドラマ「迷路の歩き方」を
 翌日鑑賞し,久々に山田太一節を味わう]


過去の記事:
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2001年---------10-11-12月
2000年---------10-11-12月
1999年
1998年

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