2003年
 つぶやき

9/1
◆ライフライン
 今朝からインターネットがつながらぬ。
 無線LANは機能しているが外部につながらぬ。
 ADSL はダメだが電話線ならネットにつながるので
 本日の「つぶやき」は旧式の方法でアップした。
 プロバイダ(ATT系)に電話で相談しようとしても
 終日「ただいま大変混雑しております」の自動応答。

 [後記:不愉快な気分で悪戦苦闘し,夕方復旧した。
  ルーター,AirMacその他,周辺機器を初期化し
  こまめに設定しなおした結果だ。
  つまり,原因はいまだ不明のまま]


9/2
◆怪しい画像
 娘がパソコンでお絵かきをしている。
 行きつけの DJ バーの自主CDの表紙づくり。
 娘は,その店のホームページも作ったりし
 よそではけっこう重宝がられているらしい。
 しかし,家では兄や父に頼りっぱなし。
 「小さな花の絵を作って」というので
 父親が「いま忙しいから無料の画像をいただこう」と
 娘の横に座って,ネット検索をしたら
 アメリカのポルノサイトに入ってしまった。
 あわてて閉じようとしても
 怪しい画像がしつこく出続け,父親をあせらせる。

9/3
◆意欲の再燃
 小中学校では2学期が始まった。
 うちの奥さんも中学校に授業にでかけた。
 研究のための授業実践である。
 2〜3年前は「教師を辞めて土いじりしたい」などと
 弱音を吐いていたが,いまは燃えている。
 早く現場に復帰したいという。
 大学院で,まさしく心に火をつけられたわけだ。

9/4
◆締切間近
 論文の締切日は5日,と自分で勝手に定めた。
 というわけで,勝手に忙しがってる。

9/5
◆ハワイ行き
 15日から学生の引率役で2週間ハワイに行く。
 それなら私も4〜5日行きたい,と奥さんがいう。
 バーサンの世話で,それは無理かと思えたが
 子どもたちが妙に協力的で
 ぼくらはハワイで合流することになった。

9/6
◆データ消失
 論文の「参考文献」リストの入力作業を終えて
 残るは英文のサマリーだけだなと一安心。
 ゆったりした気分で昼食をすませた。
 食後,リストをプリントしようとしたら
 なぜか中身の大半が消えている。
 バックアップしておいた分も同様だ。
 最後に保存するとき誤って削除したのか?
 中身を削除したファイルを保存したのか?
 久々に血の気の引く思いを味わった。
 当然,論文の完成は夜がふけてから。

9/7
◆社会学者のふり
 恵比寿での日仏社会学会の理事会に出る。
 会のあと,近くのビアホールで歓談。
 ぼくは「悩み」をうち明けてみせた。
 社会学者の役割は常識の枠をうち破り
 柔軟な思考の力を誇示してみせることだから
 ぼくも鹿児島のまちづくりとか大学改革とかで
 なるべく「異説」を唱え,人を驚かせたい。
 ところが,その企てはほとんど「こけて」しまう。
 という「悩み」である。
 これを聞いて,理事仲間のひとりが言った。
 「優等生が不良のふりして煙草をふかしてる感じ」
 これがぼくの姿だそうだ。
 本物の不良(=社会学者)になりきれてないってこと。
 さすがにおもしろいこと言うなあ。

9/8
◆谷川書店(国立市)
 学生時代から行きつけの古本屋だ。
 オヤジは今ではけっこう有名人になっちゃった。
 客であるこちらの方が有象無象なのだが
 立ち寄れば「鹿児島は暑いでしょう」と声をかけられる。
 客の個性を把握しているわけだ。
 そして,あの人この人の消息を語ってくれる。
 しかし,あいにくながら大半はぼくの知らぬ人。

9/9
◆閃輝暗点の連発
 視野の一部が欠損する「閃輝暗点」。
 1回出たら,その日はもう出ないのが通常なのに
 昨日は夕方6時のあと,夜11時にも再発。
 症状は20〜30分でおさまるが,不愉快である。

9/10
◆Hot Spot
 羽田空港のJALラウンジでは無線LANが使える
 という話だったので,ちょっと試してみた。
 たしかに i Bookの AirMac は電波に反応したが
 パスワードを要求されて,接続不可。
 よく調べると,やはり無料じゃ使えない。
 NTTコミュニケーションズとの契約が必要だった。
 月額1600円,1日利用カードなら500円。
 日本でHotSpotのある空港は羽田のみ。
 鹿児島県には HotSpot すら存在しない。
 話にならん。

 [後記:鹿児島でも2〜3のホテルは無線LANを備える
  との情報を得たが,やっぱり話にならん]


9/11
◆フレッツ ADSL モア II
 我が家のインターネット接続を高速化すべく
 ADSLをこれまでの12Mから24Mにした。
 今日からの変更だが,ぼくはすでに鹿児島。
 したがってセッティングは息子に頼む。
 ところが,ADSLモデムを替えたら不調だという。
 ぼくは遠隔の地で何もできず,やきもきし
 あらためて電話すると「現在は快調」の返事。
 問題はひとりでに解決した感じだが
 家のことはもう息子にまかせてよいな。

9/12
◆おみやげ
 ハワイのコミュニティカレッジの校長にさしあげる。
 自分の「趣味」に合わない行為だが
 すでに学生引率費の一部として予算が組んである。
 出発の日が近づいたのであわてて購入した。
 県の産業会館内にある物産販売所にて
 地味めの薩摩焼花瓶を選ぶ。
 展示品の少なさは選択の悩みを軽減させる。

9/13
◆また盗難
 ママチャリ(もらいものだが)を盗まれた。
 玄関先に置き,カギはかけてなかった。
 もう一台の自転車(クロスバイク)は大丈夫。
 そちらは家のなかに入れておいたからだ。
 この家での盗難は2回目。(前回は99年10月)
 先日DVDで観た "Bowling for Columbine" によれば
 カナダでは玄関にもカギをかけないのが普通らしい。
 鹿児島の治安はカナダ以下ってこと。

9/14
◆時差ボケ対策?
 明日からハワイだというのに,くしゃみと鼻水。
 おかげで早朝5時に目が覚めてしまった。
 しかし,ここがハワイならもう午前10時。
 だから,エイッとばかりに起床した。
 トースト,卵,トマトで朝食をすませたら
 また眠たくなり,けっきょく二度寝。

9/15
◆ハワイに来ました
 ホノルル空港の両替所では1万円=71ドル。
 レートが低いうえに手数料5ドルとられて,これ。
 同僚はホテル近くの両替屋で83ドル。
 インターネットでも不愉快な目にあった。
 ホテルの室内からインターネットにつなごうとすると
 電話料が1通話75セント,とけっこう高い。
 しかも,市内のアクセスポイントにダイヤルすると
 なぜか必ず人の声がして,つながらない。
 隣室の同僚が調べてくれたところ
 チェックインのときにクレジットカードを提示しないと
 部屋から外線につないでもらえないらしい。
 団体宿泊で手続きしたのが災いした。
 クレジットカードを提示して,ようやく問題解決。
 さて,部屋は小さなキッチンも付いて,広いが
 掃除の人に毎日2ドルのチップを払わねばならぬ。
 払いたくないが「払うのが常識」とのこと。

9/16
◆寝過ごした
 ハワイにおける学生たちの研修は今日が初日。
 朝7時40分に学生をホテルのロビーに集合させ
 スクールバスに乗せて学校に行かせる。
 これが,いわばまあ,引率者の主な仕事だ。
 ところが,6時50分にセットしたはずの目覚ましが
 なぜか7時50分に鳴り,すでにもう遅刻。
 明け方5時に一度目を覚ましたんだけどな。

◆奥さんも来た
 学校のカフェテリアで昼食中,携帯電話がなる。
 学生からの緊急連絡用に現地で借りたものだ。
 ホテルの部屋から奥さんがかけてきた。
 彼女はぼくの留守中にホテルに到着した。
 研修のプログラムを枕元で見つけ
 午後からのイベント(フラダンス指導)を
 自分も楽しみたいという。
 同僚が借りたばかりのレンタカーで迎えに行く。
 奥さんは学生の誰よりもダンスを楽しんでいた。


9/17
◆ハワイのデパート
 ハワイに来たからにはアロハシャツを買わねばならぬ。
 Macy's というデパートに行く。
 ところが,いざ買おうとすると店員がいない。
 鹿児島なら客より店員の方が数が多いぞ。
 この彼我の差に,ちょっとびっくり。
 食器売り場でも驚いた。
 エッグスタンドを探したが,やはり店員がいない。
 店員を見つけても,彼はエッグスタンドそのものを知らない。
 エッグカップと言い換えてもダメだった。
 隣の大型ショッピングセンターに行けという。
 そこの食器専門店で探せというのだ。
 行けば,たしかにあった。
 しかし,すごくお粗末な上に値段も高い。
 エッグスタンドってのは特殊ヨーロッパ的なものなのか?

9/18
◆ハワイは寒い
 風が心地よく,外は鹿児島より快適だ。
 ところが,室内は学校でさえガンガン冷房。
 Tシャツだと,30分おきに外気にあたらねばならぬ。

◆スト対策
 ハワイの市バスは先月末からストライキ中。
 交渉は決裂したままだというから,当分続きそう。
 うちの奥さんは,市の代替サービス(無料循環バス)を使い
 ひとりであちこち動き回っている。
 明日はぼくもその乗り方を教えてもらおう。


9/19
◆フォー(ベトナム麺)
 ホノルル市の西にあるチャイナタウンに行く。
 予想したよりも活気のない街であった。
 それでも To Chau というPho 専門店には客の行列。
 昼前10時だったが,行列を見て,並んでしまった。
 じつはハワイに来て,フォーを食べるのは3回目。
 ちょっと病みつき状態である。

9/20
◆ポリネシア文化センター
 運賃・夕食・ショー見物込みで一人68ドル。
 鹿児島の山川町フラワーセンターより狭いし
 ハコモノ関係にもあまり金をかけてない。
 それでいて一日めいっぱい楽しませてくれた。
 モルモン教団がつくった施設なので
 大勢の学生信者たちがボランティアで働き
 それで経営もうまくいっているように見えた。
 鹿児島の観光振興の参考になるような,ならぬような。

9/21
◆ハワイで活字にひたる
 早朝,奥さんは日本に帰った。
 分厚い日曜版の New York Times を
 ワイキキの浜辺のベンチで斜め読みするが
 タイトル+αのみの速読でも昼近くまでかかった。
 今日はあまり動かず,部屋で寝ころび,本でも読もう。
 連日「お祭り」が続いたので,ちょっと疲れた。
 枕元には,こちらで買った本が4冊ある。
 ニール・サイモンの戯曲集(1986)2巻本がうれしい。
 Amazon では買えず,ハワイで買えたからだ。
 ダニエル・ゲランの「Anarchism」の英訳本(1970)は
 例のチョムスキーが序文を書いている。
 Gary Larson のナンセンス漫画は特売コーナーで6ドル。

9/22
◆強大な日本
 学生をつれて真珠湾へ「遠足」。
 そこの記念館で見せる映画や展示品は
 日本をそれほど悪者扱いしていない。
 むしろ逆に,強かった日本の姿が見えてきて
 人によっては誇らしい気分になるかもしれん。

9/23
◆サンダル
 現地調達を旨として,ほとんど手ぶらでハワイに来た。
 買うのはまずサンダル,と思っていたが
 ハワイではなべて物価が高いことに腹が立ち
 2週間の滞在中,革靴で過ごそうと決めた。
 で,1週間がすぎた昨日,ふとした気まぐれで
 ついサンダルを買ってしまった私は意気地なし。
 アスファルトの道をペタペタ歩いております。

9/24
◆スピーチ
 語学研修の引率者でありながら,実は,いたって不調法。
 英語の達者な同僚の陰にかくれて過ごしている。
 奥さんが来ていたときは奥さんにすがった。
 さて,そろそろ研修も終わりに近い。
 最終日のフェアウェル・パーティーでは
 スピーチをよろしく,と同僚がいう。
 う〜ん,も〜,いけず〜,と同僚を恨んだ。

9/25
◆円高
 ドルが急落し,そこらの両替屋でも1万円=88ドル。
 換金するなら今だ,の声もあるが
 もはや買いたいものもない。
 残りの数日を手持ちのドルでしのぎたい。

9/26
◆語る
 長広舌をふるうのを,鹿児島では「語る」という。
 学生風には「語る〜」と音が延びる。
 そして,ぼくはその「語る〜タイプ」なのである。
 それがわかっているだけに,学生とつきあいたくない。
 人をうんざりさせながら「語りつづける」ような
 そんなオヤジになりたくない,という美意識。
 でも,しばしば抑制がゆるんで「語って」いる。
 昨夜も,3人の学生から「夕食に行きましょ」と誘われ
 ついイイ気になって,ふと気づけば一人で「語って」いた。

9/27
◆ハワイの美術館
 州立の美術館はチャイナタウンにあった。
 たいして期待もせずに入ったが,意外にいいぞ。
 建物は鹿児島の市立美術館より,かなり小さいが
 鑑賞者に与える inspiration の度合いは倍以上。
 へたっぽい作品でもけっこう心を震わせる。

◆Pho To Chau
 ハワイ大学の人3名が口をそろえて言うには
 そこがハワイで最高のベトナム麺(フォー)の店。
 先日(19日)奥さんを連れて偶然に入った店だ。
 今日がハワイ最後の日なので,再訪した。
 午後2時半の閉店まぎわ,行列の末尾に並ぶ。
 中盛り4ドル50のフォーを,一人しみじみと食べた。


9/30
◆大学も商売する
 学生たちはハワイを楽しみ,もっと滞在したかったようだ。
 われわれ教員は研修が無事に終了したことを喜ぶ。
 あちらの学校は,学生の満足度を気にし
 最終日,プログラムについて評価アンケートをとった。
 こうして改善をすすめ,品質を維持するのだ。
 われわれも似たようなことをやっているが
 「本気」の度合いが違う,と痛感させられた。
 われわれの「殿様商売」もそろそろ許されなくなる。
 学生=お客様にとって魅力的なプログラムづくり
 という点で,ハワイ大学コミュニティカレッジは
 われわれ教員にも instructive であった。

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