2003年
 つぶやき

12/1
◆ Bow Tie
 蝶ネクタイを買おうと立川のデパート街へ行く。
 高島屋,伊勢丹……と回るが求めるものは得られず。
 手結び式がないのである。(フック式はある)
 帰宅してネット検索してもフック式ばかり。
 こうなると,ますます手結び式が欲しくなる。

 [後記:アメリカの専門店にネット注文した。
  Free Style 3本で約$100,送料$15]


12/2
◆仏国製の中国映画
 「中国の小さなお針子」(2002)を DVD で観る。
 文革時代,山村に下放された青年たちの物語。
 涙しようと思うのに,だんだんつまらなくなる。
 中国人監督だがフランス仕込みのせいか
 話がやや「ドラマチック」で,あざとい。
 主役の青年は「山の郵便配達」(2001)にも出ていた。
 「山の郵便配達」は泣かせる佳作だったけどな〜。

12/3
◆街中徘徊
 寝坊したついでに繁華街に立ち寄る。
 お昼をどこで食べようと楽しく悩む。
 来春からはこれが日常化するのだ。
 職場での「役立たず」の烙印と引き換えに
 個人的には「本来の自分」に戻れる。
 はい,もともとノラクラ者なんです。

12/4
◆ブレスト
 くらたまなぶ氏の講演会(鹿児島アリーナ)に行く。
 「とらば〜ゆ」など多くのヒット雑誌を創刊した人だ。
 この人の本『創刊男の仕事術』(日経新聞社)を読み
 彼が激賞するブレーンストーミングの手法について
 もっと深い話を聞きたくて参加したのである。
 ぼくもゼミなどでブレストを試みるものの
 学生たちに「なぜブレストするのか」説明できず
 毎回しらけた空気を作り出してきた。
 「とんでもないこと考えよう」と呼びかけても
 その「必要性」がわかってもらえない。

12/5
◆お歳暮
 芋焼酎「百合」は甑島の小さな蔵元の酒。
 「味は日本一,いや世界一」と評する人もいる。
 味の評価はともかく,希少であることは確かだ。
 たまたま鹿児島三越で発見し
 お歳暮という形で数人に送る。
 お歳暮なんて,人に送るのは初めてかな。
 ま,そういう芸当もできるようになりました。

12/6
◆脳卒中
 テレビで「失語症」の人々のドキュメントを観る。
 この人たちの大半は50代で脳卒中になり
 以後,身体障害と言語障害に苦しんでいる。
 他人事ではない。
 うちは父も(伝聞によれば祖父も)脳梗塞で倒れた。
 ぼくも父が倒れた年齢にさしかかっている。
 鹿児島には介護してくれる人もいないので
 長わずらいになれば悲惨だが,そこは大丈夫。
 ぼくが倒れても,発見は遅れるから
 永井荷風のように孤独に死ぬだろう。
 そういうのも味わい深い。

12/7
◆デモ行進
 街なかでのデモ行進に参加した。
 イラクへの派兵反対,というデモである。
 顔見知りの鹿児島大学教員と談笑しながら歩く。
 デモの列に加わるのはひさしぶりだが
 ちょっと楽しかったよ。

12/8
◆孤食
 日曜日,映画館で「ラスト・サムライ」を観る。
 ついでに食事も近くで,と歩き回ったが
 けっきょくは吉野家で牛丼。
 おしゃれな店に入りたくても一人じゃ,ね。

12/9
◆人を動かせぬ
 12日,学生たちは大隅半島で調査活動をする。
 学校としても地域貢献をアピールするチャンスだ。
 ただし,その日は教授会で,ぼくは行けない。
 管理職だからね。
 新任の若手教員に学生の引率を頼んだら断られた。
 「教授会に出ないと学内で悪評がたつから」だと。

12/10
◆蝶ネクタイの結び方
 1日に注文した蝶ネクタイが9日に届いた。
 鏡に向かって結び方の稽古をする。
 結び方もWeb検索でゲットしたのよ。

◆オーダーメイド
 ファッション関係の話をもう一つ。
 体の寸法を測ってシャツを作ってもらう。
 3枚1.5万円と安かったので,オーダーした。
 恥ずかしながら,これも初体験。
 できあがったシャツを着てみると
 期待したほど着心地はよくない。
 エリが硬い,ボタン穴が狭い,など。
 安物はやはり作りも安っぽい。


12/11
◆新車購入
 2人乗りのスズキ・ツインを買った。
 車49万+エアコン9.8万+諸経費=69万円。
 エアコンを買うのは初めてだ。(家にもない)
 旧愛車ミゼットは同僚が4万円で買ってくれた。
 さて,週末は新車の慣らし運転を兼ねて遠出しよう。
 これからは生活もガラリと変わりそう。ムフ?

12/12
◆ Un Dragueur
 ドライブしませんか,とあちこちに声をかけ
 ことごとく断られている。
 声音や目つきから怪しさを消したつもりでも
 まだまだ修業が足りん,てか。
 いや,そもそも人間に魅力がないせいだと思え。

12/13
◆大食い
 学長をかこむ管理職の忘年会は4000円の鍋。
 体重67.5キロをもう少し減らそうとしているが
 小柄な体育教員が「オレと同じ体重だ」というので
 妙に安心し,セキを切ったように大食い。
 ひさびさにお腹が苦しくなるほど食べた。

12/14
◆凝集力の衰退
 学科の新任教員のために歓迎会を催す。
 出席するのが礼儀なのに,教員の半数以上が欠席。
 もはやこの学科には集団としてのまとまりがない。
 学科長として指導力の欠如(集まりの悪さ)を詫びた。
 すると同僚からするどいツッコミ。
 「学科長が替われば集まりはまた良くなりますよ」
 「斉藤さんは管理職,組織者には不適だね」
 「ゲリラ戦,いや単独でテロ活動するのが似合ってる」
 そうだね,破壊する方が楽しいのは確かだ。

12/15
◆ちょっと長距離ドライブ
 大隅半島の東海岸まで走る。(片道100キロ)
 先日,学生たちが調査活動をした町を
 自分も見ておかないと,議論に参加できない。
 行きは山道で迷い,砂浜に行けば車輪が空回り。
 一人で勝手に冒険をしてしまいました。

◆入浴+読書
 バスタブで使うブックスタンドを通販で購入(5900円)。
 これまでは風呂のフタをたたんで
 それをテーブルがわりにしていたが
 雑誌で風呂場読書の専用品を知り,これだと思う。
 ところが,じっさいの品は作りがヘナヘナで
 腕など乗せたら折れてしまいそう。


12/16
◆ドライブ+温泉
 薩摩半島の西海岸,吹上温泉に向かう。
 有名な「みどり荘」の露天風呂に入るつもりが
 最初に見かけた町湯(町営浴場)に入ってしまい
 あとで露天風呂にも,と思えど,すでに湯疲れ。

12/17
◆隠れ念仏
 薩摩藩は浄土真宗の信仰を禁じた。
 親鸞の教えは危険思想なのである。
 信者は見つかれば拷問・死罪。
 村人は仏像を隠し,ひそかに講を開いた。
 鹿児島市の隣町,郡山には隠れ念仏洞がある。
 山里の,さらに森の奥,昼なお暗き山道を登っていくと
 洞は小さいが,なんとなくありがたさが漂う。

◆温泉でランチ
 郡山も温泉地で,大型の温泉施設がある。
 「スパランドららら=裸楽良」は準町営みたいだが
 けっこうがんばって商売をしている。
 入浴+休憩で800円。ランチをつけると1000円。
 ぼくはもちろんランチ付きのコースを選ぶ。
 広々とした露天風呂で冬晴れの空を楽しむ。
 豪華な施設に客はまばらだから,少しかわいそう。


12/18
◆ポコチン
 郡山町の「とどろき温泉」は午前中200円。
 露天風呂もすごいぞ。
 すぐ外に拡がる田園の光景が丸ごと楽しめる。
 逆にいえば,向こうからはこちらの裸が丸見え。
 ならば,これ見よがしのポーズで
 腰に手をあて,大声で笑いたくなる。

12/19
◆おぞましや
 年明けにゼミで新年会をやることにしたら
 学生に「お金は先生が出すんでしょ」とねだられる。
 言われずともそれなりに「援助する」つもりでいたが
 あけすけにおねだりされ,鼻白む。

12/20
◆ツインの燃費
 満タン法で測ったら 22.5 Km/l。
 20を超えれば大成功と思っていたのでうれしい。

◆鉱泉
 温泉ガイドブックをたよりに吉田町の山奥へ行く。
 鹿児島市に隣接するが僻地の趣。
 初雪がぱらつく夕暮れ,曲がりくねった山道に迷い
 同じところを何度も通りながら
 ようやく「みやぎ温泉」にたどりつく。
 番台には小銭が盛られ,客は自分で釣りをとる。
 湯船は小さいが,お湯は常にあふれつづける。
 浴室のお粗末さや薄暗さも「秘湯」っぽい。


12/21
◆ゴルフリゾート京セラ
 鹿児島市から車でおよそ2時間
 薩摩町山中のゴルフ場に併設されたホテルに行く。
 倒産したのを京セラが買い取ったものだ。
 大きな温水プールや大会議室もあるので
 新入生合宿などに使えるかもしれない。
 いわば下見をかねての訪問。
 豪華なホテルであったが土曜なのに人の気配なし。
 電気はついているが幽霊屋敷を思わせる。
 フロントで咳払いしたらようやく従業員が現れた。
 「入浴だけですが,いいですか」と聞くと
 「本日はサウナのご利用はできませんが,それでよろしければ」
 「それでもけっこう」と,500円払って入る。
 まだらに雪の残る庭を眺めつつ露天風呂を楽しむ。
 ホテル丸ごと一人で貸し切りの状態だった。

12/22
◆都城(みやこんじょ)
 宮崎県の都城市まで足を伸ばす。
 日経流通新聞などによれば
 都城は「まちづくり」の一成功例みたいなので
 その成功度をこの目で確かめたかった。
 車は市営駐車場にあずけ,歩いて見てまわる。
 日曜日の昼,大通りに人影はまばらだ。
 ここも「シャッター通り」の印象が強い。
 どうしてここが成功例なのか,解せぬ。
 活性化への取り組みをアピールしたポスターは見かけた。
 取り組んだだけでも「成功例」に数えられるらしい。

◆日当山(ひなたやま)
 都城からの帰り,隼人町の日当山温泉郷に寄る。
 町営の公衆浴場に入る。
 番台は無人で,客はガラス瓶に200円入れる。
 夕方5時,中は近所のオヤジでいっぱいだ。
 一人のオヤジが何か語りかけてきたが
 なまりが強くて言葉が理解できない。
 あいまいに笑うと,もう話してくれなかった。


12/23
◆市比野(いちひの)
 北薩の市比野温泉はお座敷売春で有名だが
 行ってみるとけっこう品の良い温泉郷だった。
 狭くて未舗装の通りに,平屋の商店がたち並ぶ。
 通りは現在舗装工事中で,これは愚挙。
 せっかくの、ひなびた感じが消えてしまうぞ。
 大型銭湯「ふれあい館」に310円で入湯して帰る。
 車の慣らし運転を兼ねた秘境めぐりもこれで一段落。

12/24
◆夏目房之助
 学会の用で上京し,恵比寿の日仏会館に行く。
 道で漫画評論家の夏目房之助を見かけた。
 意外にも小男だったので驚く。
 有名人をジロジロ見るのは田舎者,と
 都会人を装い,そしらぬ顔ですれちがう。

12/25
◆アクセス5万超
 約7ヶ月で1万というペースは変わらない。
 学科のホームページからのリンクをやめても
 これまでの「常連」が来てくれているようだ。
 ありがたいことである。
 この「つぶやき」は同僚の不興を買ったが
 リンクを外して以後は誰も何も言わない。

12/26
◆子機
 家の電話の子機がこわれた。
 近所の量販店で子機は1万5800円。
 しかし,新品の親子電話セットが1万2800円〜だという。
 買ってもよいが,今の親機が不要になって
 これを捨てさせるような仕掛けも不愉快。
 けっきょく何も買わずに帰る。

12/27
◆夜食
 炊飯器の中にご飯がいつもある。
 ある意味これが「幸せ」のしるしである。
 家庭の原風景でもある。
 鹿児島の「つぼづけ」をおかずに
 夜,一人お茶漬けをかきこむ。
 夜食は体に悪いぞ,と思う分だけ
 つまり,罪悪感を伴う分だけ幸福感も増す。

12/28
◆こたつ暮らし
 ほとんど一日中こたつの中にいる。
 やるべき仕事がないわけではないのに
 レンタルDVDを1日平均2本観ている。
 奥さんや子どもたちはそれぞれ部屋で「お勉強」。
 犬の散歩も息子らが「運動のため」と引き受ける。
 こうしてぼくは再び肥満への道を歩んでいる。

12/29
◆タンデム走行
 奥さんは故障した車をディーラーに預けていた。
 電子部品の交換だけで修理完了の知らせ。
 ディーラー(小金井市)までちょっと遠いので
 オートバイで奥さんをつれていく。
 冬晴れの空の下,東八道路をスイスイ走る。

12/30
◆ブコウスキー
 未見だった映画「バーフライ」(87) をDVD で観る。
 ブコウスキーのファンなら必見だろう。
 監督の音声解説付きでも観て2度楽しんだ。
 さらにWeb検索でブコウスキー関係BBSを見つけると
 彼の作品は原書で読むべし,との書きこみあり。
 そうだ,楽しみはまだ残っていた,と気づく。
 即,Amazon でとりあえず小説ばかり6冊注文した。

◆リボウスキー
 「バーフライ」のミッキー・ロークのパンツ姿で
 「ビッグ・リボウスキー」のジェフ・ブリッジスを思い出す。
 誰かも似たようなことを言っていたな。
 さて,個人的におもしろいのは
 ぼくの息子の数少ない DVD コレクションのなかに
 この「ビッグ・リボウスキー」があるってこと。
 思いがけず趣味の重なりを発見した気分。


12/31
◆卵かけご飯
 鹿児島のWeb通販「晴天街」でタンカンを注文したら
 サービスで鶏卵10コが送られてきた。
 添付された紙に「卵かけご飯に最適」とある。
 これはなつかしい,とさっそく夕食に使う。
 しかし,期待したほどの「違い」は感じられず。

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