つぶやき |
◆精神科医の異常 下田治美『精神科医はいらない』を機内で読む。 この文庫本の解説者(精神科医)は 正常と異常は区別不能といい、自らの異常を語る。 私自身にも歴然たる異常がある。そんなに自慢するほどの話じゃないと思うけどね。 |
◆生命力 連休中はバーサンのデイケアも休みだ。 つまり、ずっとバーサンといっしょってこと。 また、毛が抜けて小汚い老犬の散歩もぼくのしごと。 バーサンも犬もけっこう食欲旺盛だから不思議だ。 |
◆読書に淫する 本屋と古本屋をまわれば読みたい本ばかり。 じっさい、書くに値することがらは すでにことごとく他の人によって書かれている。 で、ついつい、しこたま本を買ってしまった。 翻訳のしごとをしなきゃと思いながら 関係のない本ばかり読んでいる。 |
◆下の世話 赤ちゃんのウンチでさえ苦手だったぼくだ。 バーサンの脱糞さわぎには逃げ出したくなる。 いつかは我が身と、わかっちゃいるんですがね。 |
◆スーツ 1度しか着てない服が2着もみつかった。 身内の葬式のときにあわてて買った地味服。 ふだん背広なんか着ないから忘れていた。 立川のデパートで買ったものなので 鹿児島の「青山」で買ったものより上等だ。 しかし,やはり着る機会はめったになさそう。 |
◆村(ソン……谷岡ヤスジ風に) 鹿児島空港近くの溝部町営銭湯に行く。(200円) 「ふれあい館」という名前からすでに田舎臭い。 小さな浴槽と狭い洗い場に村人があふれ 文字どおり肌と肌を触れ合っていた。 その濃厚さ=なつかしいような、うっとうしいような。 |
◆知識人 ブルデュー研究者、紀葉子さん(東洋大学)は善人である。 鹿児島国際大三教授を支援する会が開いたシンポジウムで 「大学教員はもっと言挙げせよ」と呼びかけた。 人々は目隠しをされたまま不利な状況に置かれている。 知識人は啓蒙のために「暴力的に」介入すべきである。 大学教員は学生に価値観を押しつけるのが正しい。 と、衒い(てらい)もなく言い切る。 う〜む、世の中はまたグルリと一回転したみたい。 参考:『いま大学で何がおきているか』2004、かもがわ出版 |
◆ボケ 夕方、近所のスーパーで買い物しての帰り道。 ふと気づけばスーパーのカゴを手に下げて歩いている。 レジで金を払ってそのまま店を出たわけだ。 きっと何か考えごとをしていたせいだろうが 何を考えこんでいたのやら、もう思い出せない。 |
◆遠隔指導 わが家の無線LANが不調だという。 電話でアドバイスし、修復を試みてもらうが やはりラチがあかない。 パソコン4台のLANゆえ問題は深刻だ。 どうしたものかと悩みながら一晩をすごす。 翌日聞くと「電源を入れ直したら復調した」とのこと。 機械の故障は叩けば直る、の説は正しい? |
◆シネマクラブ 街の映画館の会員だが、4月末で期限切れ。 日曜日の夕方、映画を観ようと出かけたが 更新事務は5時までです、と窓口嬢は冷たい。 期限切れの人には会員割引もできないという。 300円分の割引をえようとこちらも食い下がる。 雨の中、バスで街まで来たので、おめおめ帰れぬ。 必ず更新しますから、と頭を下げてもダメ。 映画はあきらめ、三越地下で買い物して帰る。 フランスパン、チーズ、安ワインの3点セット。 |
◆歴史ロマネスク回廊 家の前の道路にギョーギョーしい名前がついた。 設置された案内板もなかなか立派だ。 その上にプリントされた古地図によれば なるほど昔はここが鹿児島の中心地であった。 ちょっとうれしい。 |
◆ファシリテーター 会議のやり方を変えれば会社も元気になるらしい。 かつては「短時間で効率的に」が求められたが 会議での発言参加をとおして社員を成長させ さらに全体の活性化も狙うのが最近の風潮。 消極的・否定的な者をも会議に巻き込むような 進行役の働きが重要で、その育成に会社も励んでいる。 うちのゼミでも学生の「会議力」を育てたいが 教員自身に「会議力」がないことを思うと いささかおこがましいかな。 ノリの悪い者をすぐに見捨てるようじゃダメだ。 |
◆浮世風呂 午後の4時ごろ、学校近くの銭湯に行く。 明るい陽光が浴場にもあふれて この時間帯に入浴できる幸福感をつのらせる。 |
◆安価DVD 本屋のワゴンセールで映画「踊る大紐育」の DVD を買う。 新品で500円は安い、と飛びついたが 観てみると画質が最悪で、やはり安物は安物。 |
◆組合アンケート 教員の組合の総会が近いので、要求アンケートをとる。 回答は半分以上メールで得られ、まとめるのも楽だった。 うちの組合は全員加盟ゆえ親睦活動も重要だが 回答を読むと「親睦行事を望まぬ」者が2名いる。 和を貴ばぬ人の存在は理論的には貴重だが 情のレベルではいささかうっとうしい。 なんて思うようじゃ、まだまだ人間ができとらん。 |
◆保存食 冷凍食品半額セールのとき買ったのがたまっている。 買ったのを忘れてもいた。 外は大雨の日にこそ使わねば、と スパゲッティをレンジでチンする。 味はともかく、食感はヌチャヌチャ。 |
◆菱山泉 なぜか鹿児島国際大の理事長にまでなったが 学長をしていた時代に3人の教員の首を切った。 今日、その解雇事件の裁判で、菱山氏自らが証人となる。 人の生活権を奪った立派な理由を示してくれるはず と期待したが、残念ながら今日のところ聞けず。 |
◆芥川龍之介と閃輝暗点 養老孟司『身体の文学史』を100円古本で買う。 薄い文庫本だが、これは当たりだったね。 このごろ歴史学者の阿部謹也なども文学を語りたがり ああいう門外漢の文学論はしばしば片腹痛い。 しかし、解剖学者の養老孟司の語りはいささか趣きが違う。 門外漢ならではの卓見らしきものが随所にある。 下の引用はそういう部分ではないが、ちょっとおもしろい。 晩年の芥川は『歯車』を目に見る。 |
◆食パン 街のパン屋で買った食パンがおいしい。 スーパーで買うのと大違いだと知る。 この小発見で、毎朝しみじみとしている。 |
◆忙殺 管理職をやめたらヒマになるはずだった。 ところが何だか自分で仕事を作ってしまう。 組合の役員になって機関紙づくりに励んだり 学生による授業評価(しかも他人の講義)を 毎回(つまり毎週)Web公開したり……。 それを歓迎する人があまりいないのもめでたい。 一方、翻訳の仕事は滞っている。 |
◆東京ラーメン 用事で鹿児島大学に行った帰り、ラーメン屋に寄る。 最近できた「東池袋大勝軒」には店外にも行列。 車でしか行けないような場所なので やはり、というべきか男女のカップルが多い。 男たちはつけそばタイプのラーメンを注文して その珍しさで会話を弾ませようという魂胆だろう。 と一人ひがみながら普通のラーメンを黙々と食す。 |
◆傍若無人 夜10時すぎ、東京駅から中央線に乗る。 満員の車中で会話するオヤジたちがうるさい。 仲間内の話を大声で楽しげにやりあっている。 まことにイヤな感じだが ひょっとしたら、あれはぼく自身の姿か。 そう思うと、ますますおぞましい。 |
◆切腹の美学 フランス社会学の研究会でロシア人女性の発表を聞く。 奈良女子大の院生で、日本語は達者。 フランス社会学を道具に日本文化の分析を試みる。 久しぶりに「滅びの美学」なんて言葉を聞いた。 もちろん発表者は先生方からつっこまれる。 しかし彼女は全然めげず、そのあたりはジャパナイズ不足。 |
◆機内にて 鹿児島にもどる機内でノートパソコンを開ける。 人前でのPC作業は恥ずかしい行為だが 今日はほとんど乗客がいないので平気だ。 と、ここまで書いたら、まもなく着陸だと。 |
◆姶良町(あいらちょう) 空港から鹿児島市内への帰路に一般道路を選ぶ。 いつも高速道路なので、たまには違う道を走りたい。 途中で「サンピアあいら」という温泉に立ち寄る。 厚生年金事業振興団の施設で、入湯料310円。 人件費節約のせいか、お湯の清潔度が低い。 長いこと入れ替えてない感じがする。 経営団体の名前からしてすでに怪しい。 それでも販売コーナーで地元野菜を買って帰る。 |
◆愛の新世界 社会思想史の講義でフーリエの情念引力の話をした。 下の引用は学生に提出させた感想文から。 今日の話、好きですねー。 |
◆陸游(Lu You) 結婚したとき大学院の指導教官に仲人役を頼んだ。 先生の祝辞は陸游の漢詩の紹介と解説が柱だった。 先生もインテリだね〜、と感心させられたことと 陸游という名前のほかには、もう何も覚えていない。 話の中身はもちろん、詩の題も、その断片さえも思い出せない。 最近、陸游についての本が出たと何かで知り その瞬間は「読まなくちゃ」と思いながら 数日を経たら、本の名も、何で知ったかもを忘れた。 |
◆タオルケット 使うのはやはりまだ早かったか。 鹿児島でも明け方には寒すぎる。 |
◆8ミリ映画 幼稚園から高校までいっしょだった旧友と会う。 医者の学会で鹿児島に来たのだ。 自作のDVDを「おみやげ」にもらう。 学生時代の自主製作映画をデジタル化したもの。 しょーもないといえばしょーもない作品だが 60年代の乗り物やファッションは懐かしい。 |
◆飛行艇 旧友と彼の医者仲間1名をつれて鹿児島観光。 連中はプラモデル愛好家で、ちょっと兵器オタクだ。 鹿屋に戦前の飛行艇が運ばれてきた話をしたら 二人は「二式大艇だ。ぜひ見たい」と狂喜する。 で、当初予定した南薩周遊をやめて鹿屋に向かう。 自衛隊基地内に展示された飛行機のあれこれ そこの博物館の展示物あれこれを 彼らはじっくり眺め、うんちくを語り合い これで一日が費やされてしまった。 |
◆長崎大学の68年闘争 旧友からもらったDVD所収の自主製作映画を一通り観る。 劇映画はしょーもないが記録映画はよかった。 68〜69年、彼がいた大学の学園闘争の記録だ。 友人は「全学闘」の側から撮影している。 編集が下手っぽいので、話はよく理解できないが ぼくも同時代を生きた人間ゆえ想像力で補う。 学生どうしの激突シーンは生々しくて、心が痛む。 |
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