2004年
 つぶやき

6/1
◆無為の人(faineant)
 校費削減で盛夏前は研究室のエアコンが使えない。
 だから蒸し暑い日はとても仕事ができん(と思う)。
 かつては研究室でなきゃ仕事できなかったが
 このごろはどこでも仕事できるよう修業中。
 ノートパソコンを担いで街をうろつき
 涼しげな場所をみつけては、ひたすら休憩する。

6/2
◆ランチ・ジプシー
 昼食をどこで、という問題がある。
 家の近所に適当な店がないから困る。

6/3
◆ブログ(Blog)
 Web上での「日記」公開が流行しているらしい。
 最近では画像付きのが無料で簡単につくれる。
 隣室の同僚にも手口を教え、開設を促した。
 すると当人も驚くほどイージーに開設成功。→「えらぶのBlog」
 しかし日々更新できるかどうかが課題だ。
 じつはそれが一番むずかしい。

6/4
◆静けさや
 どの飲食店に入ってもBGMがうるさい。
 日本人は民度が低いんじゃないか、と
 中島義道ばりに憤ってみたりする。
 繁華街の路地裏で「昼定食」の看板につられ
 フラフラ入ったら、そこは無音がサービス。
 しかし、隣席のオヤジの咀嚼音がうるさい。
 オヤジが去ったら客はぼく一人。
 妙に静かで、いたたまれない気分になる。

6/5
◆熱帯雨林
 1月に、隣家(鹿児島銀行の頭取宅)からの苦情で
 庭の樹(名前知らず)を根元から切った。
 最近ふと庭を眺めたら(=ふだん見ない)
 ふたたび高さ2m以上の樹がそこにあった。
 鹿児島もトロピカルだね〜。

6/6
◆雨に唄えば
 夕方、チャリで帰宅する途中に雨。
 しかも、だんだん本降りになった。
 ずぶぬれになってしまえば、もう急ぐこともない。
 むしろ笑いたくなるほどハイな気分だ。
 チャリで走る三人の女子高校生とすれちがう。
 彼女らも笑いながら走っている。
 ずぶぬれの制服姿も絵になるな、とオヤジの目。

6/7
◆お殿様
 雑誌『レタスクラブ』などをみて気分を高める。
 さて、娯楽としての自炊作業を始めようか。
 一日中、家にいて、疲れた。
 腰をのばして、いそいそと買い物に出る。
 夕方、混雑するスーパーのレジ前に並び
 まわりの民草の顔を睥睨(へいげい)する。

6/8
◆情実人事
 鹿児島国際大3教授解雇事件の裁判を傍聴する。
 菱山泉学長(当時)への尋問が続く。
 菱山氏は解雇の理由を説明しなければならないのだが
 今回もやはり説得力に乏しい。
 口調の重々しさで頭の悪さを隠している感じ。
 「3教授は仲間を引き入れる情実人事をした」と発言し
 裁判官に「情実人事だという具体的根拠」を求められると
 菱山氏には答えられない。
 解雇は思想信条と無関係のはずだったからだ。
 ならば、情実人事なんて口にしなきゃよかったのにね。
 つい本音を出して、自縄自縛ってとこか?

6/9
◆ケンカ騒ぎ
 夜間の講義の終わり頃(9時頃)だった。
 事務の青年が教室にきて「センセー、ちょっと」という。
 駐車場で学生どうしがケンカしているらしい。
 それをとめてくれ、というのである。
 もめごとの仲裁は不得意というか、嫌いだ。
 ほかにセンセーはいないのか、とも思うが
 この事務の青年は昔の斉藤ゼミ生なのだ。
 彼の頼みは断りがたく、グズグズ足を運べば
 駐車場にはもう人影がなかった。
 ゆっくり歩いたのが正解だったね。

6/10
◆怪しいカメラオヤジ
 注文しておいたリコーのデジカメ Caplio GX が届く。
 28ミリ相当のレンズがつく廉価デジカメ。(4万円)
 22ミリの広角度撮影ができる補助具も買った。
 つぎは1万円程度の外付ストロボも買おう。
 室内のスナップ写真を撮りたいからだ。
 安っぽい外観ながら、ひとあじ違った絵がとれる
 そういうデジカメを首に下げてうろつきたい。

6/11
◆ホテル食パン
 街のパン屋の食パンは案外いけると気づき
 以後あちこちのパン屋で試し買いを続けている。
 しかし、なかなか新発見はない。
 最初に感動したパン屋のパンでさえ二度目はダメだ。
 鹿児島で一番高級とされるホテルに行き
 地階のパン屋で「ホテルパン」を買ったが
 これも単なるヘニャヘニャのパンだった。

6/12
◆ジャングル大学
 鹿児島県の財政が破綻しかけている、というので
 県立の短大も「経費の3割削減!」が求められている。
 研究費ばかりでなく教育費もカットだ。
 非常勤講師も減らさねばならない。
 つまり、開講科目の削減は避けられない。
 学内は大騒ぎで、もちろん反対の声に道理がある。
 しかし、ぼくは教授会での議論を聞きながら、あらぬことを考えた。
 むしろ思いっきりビンボーになる手だ。
 第二次大戦中、日本軍の捕虜になった英国の兵士たちが
 クワイ河収容所のなかで開いた「大学」のような
 教授と学生(それも互いに入れ替わり)がいるだけの
 超シンプルな大学に変身してこそ「浮かぶ瀬もあれ」。
 (映画「エンド・オブ・オール・ウォーズ」To End All Wars 参照)

6/13
◆道を説く
 通りがかりに入った食堂は常連客で一杯だった。
 客のオバサン連中を相手に店主が語る。
 凶悪犯罪の低年齢化は教育が原因だ、とか
 自分は無学だが親の教えがよかった、とか
 オヤジは調理をしながら語り続ける。
 オバサンたちは感心しながら聞いている。
 ぼくも教室で同じく凡庸な話をしているが
 客のつかみ方ではオヤジの足元にも及ばぬ。

6/14
◆リゾート気分
 家は全体が傾き、雨の日は雨漏りの音が楽しめる。
 玄関先はもちろん、屋根のうえにも雑草が生え
 雨戸も閉めたままなので、廃屋とまちがえる人も多い。
 その雨戸をひさびさに全開すれば
 涼風が家の中を駆け抜ける。
 道路側の窓ごしに通行人と目が合ったりする。

6/15
◆一海知義の漢詩道場
 陸游の解説本はこれだ、と人に教えてもらった。
 さっそく購入し、少しずつ読んでいる。
 お勉強それ自体を楽しむ人々が集まって
 あれこれ談じあっている光景が浮かぶ。
 この身をよじりたくなるほどうらやましい。

6/16
◆職場の集団健診
 ふだんは体にこれといった問題を感じず
 明るく朗らかに暮らしているのに
 健診日は血圧測定で必ず不安な気分になる。
 下の血圧が高いのだ。(数値は書かぬ)
 数年前受けた食事指導をそれなりに守り
 自転車通勤(有酸素運動)で血管も鍛えているが
 血圧の数値は毎年少しも好転しない。
 健診なかりせば人の心はのどけからまし、ってか。

6/17
◆クーラー
 研究室のクーラーが使える時期になった。
 試しにスイッチを入れるとエラーの表示。
 室外機の故障で業者による修理が必要だ。
 やっぱり学校には来るなってことか。

 [後記:意外にも17日のうちに業者来訪、即修理!]


6/18
◆ゼミ不調
 じつは自分でも運営のしかたがわからない。
 何についても学生はおもしろがってくれない。
 「じゃあ今学期は今日で終わりましょうか」
 と言うと、学生たちは喜んでいた。
 彼らがそれで喜ぶなら、そうしよう。
 しかし、新しく募集する秋からのゼミは
 運営方針を一新し「客層」も変えたい。

6/19
◆高血圧
 自分では長いこと「低血圧」だと信じてきた。
 昔から上の値が低かったからだ。
 しかし、下の値が高ければ「高血圧症」と呼ばれるらしい。
 病気だと知ったら病気っぽい気分になった。
 かつて受けた食事指導はコレステロール対策
 これから必要なのは減塩だから、ちょっと趣が違う。
 『栄養と料理』てな雑誌を借りて読んでいる。

6/20
◆労を厭わず
 つぎの週末(25日、金)は組合の学習会と懇親会。
 委員長と書記長は出張中なので
 ぼくが講師役をつとめ、パーティーの準備もする。
 しかし、当日は授業が2コマもあるのよ。
 要するに、終日ひとりで大忙し。
 こんなときに普段の人徳がものをいう。
 はい、そのとおり、誰も手伝ってはくれません。

6/21
◆風貌
 近くのタイヨー(地元スーパーの最大手)に来る客は
 そろいもそろって不細工というか
 味わい深いというか、インパクトのある顔ばかり。
 許されるものなら、ひとりずつ写真に撮りたい。
 ダイアン・アーバス好みの被写体がゴロゴロ。

6/22
◆守る会
 鹿児島国際大教職員の身分を守る会に出る。
 初めて出たのに事務局の幹事になってしまった。
 しかし、理不尽な解雇はいつかは我が身と思い
 また、逆の立場なら人の情はうれしかろうと思い
 ほとんど喜んで引き受けた。

6/23
◆ヒッキー
 減塩を意識すると外食もできぬ。
 三食自炊は引きこもりの形でもある。
 頻繁に通る選挙カーの大音量だけが友達。

6/24
◆こわばり
 常識の呪縛を脱すれば、見える光景も新鮮。
 てなことを夜間部の学生に講義している。
 多くの学生は「すなおに!」おもしろがる。
 ところが、今年はなかなか頑固な人がいる。
 中年の社会人だから常識にも年季が入っている。
 「長いものに巻かれるのが最良の策」などと
 レポートに書き、ストレートに勝負してくる。
 講義の残り回数は少ないから
 こちらが「負け」の公算大。

6/25
◆陰徳
 アヒルはゆったり泳いでいるように見えながら
 その脚(水かき)は水面下で激しく動いている。
 目立たぬからこそスマートってこともあるのだ。
 と自分を慰める。

6/26
◆経済学特別講義
 県内企業の社長さんに週替わりで講義してもらってる。
 毎週、学生たちには予想以上に大好評である。
 世話役のぼくも毎回メールで「礼状」を出す。(偉い!)
 ところが、昨日は社長からもらった名刺をなくした。
 シャツの胸ポケットに入れたまま洗濯したからだ。
 せっかく個人的なアドレスを教えてもらったのに
 会社経由のメールでは、礼状の効果も低かろう。

6/27
◆歯科医
 歯のブリッジがとれたのでかかりつけの歯医者に行く。
 治療は痛くないし、説明も丁寧だが
 商売に熱心で、ダイレクトメールも怠りない。
 以前より歯周病の診察のため来院を促されてきた。
 昨日もブリッジ装着ついでに歯石除去。
 少し過剰診療のような気がする。
 競争激化で、歯科医も経営が苦しいのか。
 つい同情し、黙って身を任せた。

[後記:『良い歯医者、悪い歯医者』を立ち読みすれば
 歯石除去したがるのは悪い歯医者との指摘]


6/28
◆台所用品
 100円ショップで包丁研磨用の金属棒とか
 トングとかステンレスざるなどを購入。
 だんだん装備も本格化してきたわけだが
 同時に、台所では小バエがたくさん飛ぶようになった。

6/29
◆栄養失調?
 減塩対策はダイエットにもつながっているようで
 お腹のまわりの肉も減った感じ。
 ところが同時に、体に力が入らぬ。
 講義でしゃべっていても疲れる。

6/30
◆散髪
 おばあさんが一人でやってる床屋へ行く。
 3回目のせいか顔も覚えられたようだ。
 何も語らぬうちに作業が始まる。
 全体を短くしたら終わり。(一切会話なし)
 ひげそりも洗髪もない。(1800円)
 これは鹿児島弁で「つんばっかい」という。
 「摘むばっかり」の意だ。
 ちなみに、ひげを剃るだけ=「そっばっかい」
 髪を洗うだけ=「あるばっかい」
 整髪のみ=「なでちけばっかい」

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