2004年
 つぶやき

7/1
◆サイクルコンピュータ
 自転車につけた走行距離計+速度計が
 急に無反応になったので自転車屋へ行く。
 「買って半年ほどなのに」と申告したが
 後で調べたら、ちょうど1年前(6月14日)に買っていた。
 つまり、チャリ通勤も1年目ということだ。
 壊れる前の距離計によれば 1850 km走った。
 ちょっと少ないな、と思う。

[後記:3日、メーカーから交換部品が届き、即装着。
 近所の店でモノを買うと、こういうサービスが得られる]


7/2
◆遠島流罪
 県内大学横断的なサロンづくりのために
 鹿児島大学まで自転車を走らせた。
 話し合いの結果、流れはやや否定的で
 鹿児島大学でも教員の「たこつぼ化」が進んでいる。
 「みんな俊寛の気分でいる」んだそうだ。
 昔もそんな話を聞いたことがあるなぁ。
 時代はここでもまたグルリと一回りした感じ。

7/3
◆客引き
 学内で、秋からのゼミにむけて学生募集が始まった。
 なるべく少人数で中身の濃いゼミにしたい教員は
 あえて厳しい条件を掲げ、学生を選別したがる。
 しかし、それはたいてい逆効果。
 人数調整で、第二志望の学生を「押しつけ」られる。
 「やる気のない」不本意組がゾロゾロくる。
 そして、彼らがゼミの雰囲気をユルユルにする。
 その危険を回避すべく、今年度のぼくの方針は
 入口をユルユルにして「あふれる」客の選別を狙う。

7/4
◆肝が小さい
 スーパーで千円ほどの買い物をした。
 ところが、レジでは「298円です」といわれる。
 そしらぬ顔で店を出る「胆力」がないので
 「本当ですか」とチェックを求めたら
 店員も後ろに並ぶ人たちもイヤな顔をする。
 混雑する店ではさっさと出るのが礼儀らしい。

7/5
◆おとなしい
 息子が車でデートした相手の女性を家まで連れてきた。
 挨拶をした奥さんの観察によれば、おとなしい人らしい。
 前が「波乱万丈型」だったので、平穏志向かな
 と奥さんは納得していた。

7/6
◆互酬性
 大学時代の友人からお中元の乾麺が届く。
 ありがたいと思うが、少し心が苦しい。
 かつてなら、たんに「ラッキー」と思っただけだろう。
 最近は、ぼくもかなり「おとな」になったせいか
 お返しのことも考えられるようになった。
 友人はそんなことに頓着する男ではないが
 ぼくが一方的に恩恵にあずかるってのは
 なんだかいけないような気がするのだ。
 礼儀知らずこそがぼくの原イメージなので
 成長しちゃいけない、とも思われるのだが……。

7/7
◆かまける
 夜、ふと気づけば、「つぶやき」の更新を忘れていた。
 忙しいといえば忙しい一日だった。

7/8
◆寝苦しい
 このところ連続して夜中に目覚める。
 手足を蚊に刺され、かゆくてたまらん。
 液体タイプの蚊取りが功を奏さない。
 金鳥、アースなど有名品にすべきだったか。
 表示された有効成分は同じなんだけど。

7/9
◆勉強嫌い
 ゼミでは「自ら学ぶ楽しさ」を学生に伝えたい
 と思いながら、ずっと失敗し続けている。
 学生たちは「お勉強」っぽい話になると
 露骨に「えーっ」と不満の叫びをあげる。
 勉強=苦痛の図式にしばられているのだ。
 大声をあげる少数者が空気を支配する。
 こうして斉藤ゼミには「底辺校」の雰囲気がただよう。
 教員は敗北感に打ちひしがれて黙り込む。

7/10
◆新しい斉藤ゼミ
 募集を締め切り、人数が確定した。
 昼間部は4名!(夜間部は10名)
 締切の前、研究室に相談に来た学生たちから
 「斉藤ゼミは希望者が多いみたい」と聞き
 ぼくは少し「ウフフ」の気分になっていた。
 ふたをあけると、驚くほどの不人気ぶり。
 楽ちんさを「売り」にしても客は集まらなかった。
 こうして思惑は外れたが、ま、結果はオーライ。

◆家族ネタ
 この「つぶやき」について奥さんからクレーム。
 家族のことはあまり書かないでね、という。
 なぜかうちの家族の周辺にも「読者」がいるらしい。
 その方面への配慮が欠けていたのは事実だ。


7/11
◆結婚披露宴
 同僚の結婚を祝うパーティーに出た。
 ぼくの職場生活は20年を超えるが
 同僚の結婚披露の会に出るのはこれで2度目。
 招待されたのも2度目だから
 ぼくはあまり声をかけたくない部類に属するらしい。
 それはそれで居心地のいい環境なのだ。

7/12
◆蝉
 家の外壁には蝉の抜け殻がたくさんある。
 家のまわりの土の下で育ったわけだ。
 昨日の一匹は台所の土間から現われた。
 家の中を飛び回って、うるさい。

7/13
◆ホンダ熊本工場
 ほかのゼミが工場見学をするというので同行。
 県庁のバスに乗り、高速道路で約3時間。
 ホンダの工場は予想以上に時代遅れだった。
 融通のきかなそうなベルトコンベアー。
 単純な反復作業を退屈そうにこなす労働者たち。
 熊本工場は研究開発にも販売戦略にも関与せず
 上から言われたものを言われたとおりに作る。
 熊本県民の労働能力はかなり低く見積もられている。

7/14
◆エスコーターズ
 高知女子大(県立)の学生グループ名である。
 高知市の繁華街で「清掃+道案内」活動をしていて
 評判がよいので名前を商標登録したほど。
 学生数名の活動でも評判=コストパフォーマンスが高い。
 じっさいにはたいして目立ってないと思うが
 なぜか「まちづくり」成功例としてよく紹介される。
 いまごろ類似企画で後追いするのは恥ずかしい。
 ところが、鹿児島商工会議所はこれに乗り出した。
 うちの学生にそれをやらせたいという。
 知恵を貸せではなく、女(学生)を貸せ、だ。
 なんだか「芸妓置屋」のオヤジになった気分。

7/15
◆学生による授業評価
 8年前から学科独自で取り組んできた。
 数十科目分の集計をぼく一人でやると想定して
 項目数を少なくするなど工夫したものだ。
 学科内では反対もなければ協力者もなく
 ほとんど学科長(ぼく)の道楽と化した。
 で、学科長を退いたのを機に幕を引こうとしたら
 なぜか同じ体裁のまま継続するらしい。
 今期、ぼくは自分の分だけ集計をすませた。(→結果

7/16
◆恩師
 20代〜30代にかけて、ずっとお世話になった。
 しばしば金欠で先生にお金を借りたし
 いつも先生のおごりで飲み屋街を歩いた。
 先生は3DKの団地住まいだったから
 いまのぼくより貧乏だったはずだ。
 ぼくは先生の期待する「研究者」になれず
 やがて「破門」のような形で遠ざけられた。
 以後、研究会で年に1度会うか会わぬか。
 昨夜、その先生の声が留守番電話に入っていた。
 おいしい桃を送るから家族の住所を教えなさい、という。
 ぼくは電話機の前で頭を下げて、泣いた。

7/17
◆色香に迷う
 海外旅行の相談に市内の旅行代理店をまわる。
 ある店では片隅のソファに座らされた。
 係の女性は床に片膝をついて応対する。
 短いスカート、ボーンレスハム状の太もも。
 あまり若くないという点もすごみの一つ。
 腐りかけの果実が放つ強烈な芳香。
 ひえ〜、思わず声もうわずっちゃいます。
 見えないところで怨敵退散の九字を切る。

7/18
◆新陳代謝
 炎天下を20分ほど自転車で走れば
 学校に着いたとたんに汗が吹き出る。
 ミネラルウォーターを飲めば、さらに汗が出る。
 なんだか体が正常に機能しているようで
 あまり不快ではない。

7/19
◆生活音
 このところ毎朝6時に目を覚まさせられる。
 どこかからか聞こえるラジオの大音量のせいだ。
 夜は夜で、どこかのガキがピアニカを吹く。
 このへんの住民は窓を閉めずに暮らしているらしい。
 エアコンを使ってないのか。
 ラジオといいピアニカといい、音源もレトロ。
 わが家を除けば高級住宅街なんだけどな。

7/20
◆6万アクセス
 5万を超えたのが昨年の12月末だから
 あいかわらず7ヶ月で1万のペースだ。

7/21
◆補講期間
 火曜日は昼間と夜間で同じ講義をするが
 先週の金曜から補講期間に入ったため
 ぼくは先週でいちおう講義を終えた。
 ところが、変則的に今週の火曜日だけは通常日だったのだ。
 夜間部の学生たちはなぜかとても律義で
 事務に「斉藤先生は休講ですか」と問い合わせたりする。
 事務が「休講とは聞いてません」と応えたため
 けっこうな数の学生が教室に集まった。
 ぼくもあわてて教室に向かう。
 すると「え〜っ!講義やるんですか〜」と大ブーイング。
 結局、学生の出席回数を確認しただけで終了。

7/22
◆レク係
 組合主催の納涼宴会の準備をしている。
 といっても、たんにビアホールを探すだけだが
 40〜50人の団体となると、けっこう難儀。
 こういう「下っ端のしごと」は嫌いじゃない。
 だから、いい歳こいてもまだやってる。

7/23
◆定年後
 数年前退職した元同僚宅へ行く。
 先週借りた本を返すためである。
 訪問を大歓迎していただき
 夕食をたらふくご馳走になる。
 逆の立場だったらどうなのだろう。
 ぼくの場合は定年後も一人暮らしだろうから
 家に来られても困るような気がする。
 さりとて誰とも没交渉ってのも辛そう。

7/24
◆熱帯夜
 網戸にヤモリがへばりついている。
 ここがインドネシアなら普通の光景だ。
 ひとりトロピカルな気分になる。

7/25
◆留学の手引
 9月に学生の引率役としてインドネシアに行く。
 バンドゥンに行くのはもう7〜8度目だが
 ネットで最新情報を調べてみると
 現地の日本人が『留学の手引:UNPAD編』を出していた。
 [UNPAD=国立パジャジャラン大学の略称]
 さっそく注文して取り寄せた。
 A4で100頁の簡易製本ながら
 情報量もそこそこあり、けっこうおもしろい。
 こういうの作って楽しむ人は
 どこにもいるんだな〜、とうれしくなる。

7/26
◆不審者?
 朝9時ごろ短パン姿でゴミを出しに行く。
 ご近所の奥様方の視線を浴びる。
 ニッコリほほえむのも怪しさを増しそうなので
 そしらぬ顔をして歩く。
 正体はばれてるかもしれないが人気商売でもないからね。

7/27
◆貧乏自慢
 毎日のようにスーパーで買い物をしているせいで
 半透明のビニール袋がやたらたまった。
 ゴミ袋に使用しても、まだ余る。
 台所一面に散乱する。
 テレビ番組「貧乏バトル」でよく見る光景だ。
 袋の下でサツマ芋が芽を伸ばしていた。

7/28
◆ゼミ学生の離反
 定期試験期間は学内のあちこちで学生が群れる。
 いっしょにお勉強している光景だ。
 学食の一隅に斉藤ゼミの連中もいた。
 目が合ったのに無視されてしまう。
 勉強嫌いを公言する連中にぼくが熱を失うと
 学生たちもぼくから離れていったのだ。
 しかし、まちづくり活動では勝手に動いているようで
 けっきょく学生たちは「ひとりでに」成長した。
 さびしい話だが、案外これが教育の秘訣か。

7/29
◆少食
 減塩を意識すると外食を避けたい気分になる。
 朝、出がけに炊飯器をセットして
 昼食と夕食と翌朝の分のご飯をつくる。
 この三食分の米は2合ですむ。
 むかしのぼくなら一食分だぜ。

7/30
◆ガソリン
 暑さに負けて自転車通勤も怠りがちで
 このところ連日、車に乗っている。
 ガソリンも補給したが、これは2ヶ月ぶり。
 19リッターで走行距離360キロだから
 燃費はちょっと落ちたが、まあまあかな。

7/31
◆献本
 著者から本をいただくことが減ってきた。
 友人たちの生産性は向上しているのだから
 つまり、彼らはぼくを忘れつつあるようだ。
 1ヶ月以上前、久しぶりに本が送られてきた。
 いただけるとは思わず、すでに自分で買った本だ。
 昨日、ふと気づけばお礼のハガキを出してない。
 こうした不義理を重ねてきたことも
 今日の疎遠の原因のひとつだろう。

過去の記事
1998年
1999年
2000年---------10-11-12
2001年---------10-11-12
2002年---------10-11-12
2003年---------10-11-12
2004年-----

Back to Home