つぶやき |
◆曲者 夜、帰宅して電気をつけると庭に人がいる。 たまたまカーテンが開いていたので ガラス越しにその不審な男の顔も見えた。 ふつうの身なりをした青年だった。 あわてるそぶりも見せず自転車で去っていった。 裏は空き家で、境の板塀は台風で倒壊したため わが家の庭はいま Welcome 状態なのだ。 裏の県公舎に入居者が来れば塀がたつ。 それまでの辛抱、ってか。 |
◆圧力鍋 安物ながら圧力鍋を買った。 二日連続で野菜スープをつくる。 野菜は生協のがおいしいと聞き 帰宅ルートを遠回りして買いに行く。 食事づくり方面にやたらエネルギーを費やしているわけだ。 そんなことをしてる場合か、とも思う。 9月30日締切の論文(ブルデュー批判)はギブアップ状態。 |
◆夜の散歩 フランス旅行用に買った靴を慣らすために 夜11時すぎ、近所を徘徊してみた。 街灯の少ない道をしばらく歩くうちに 自分の方が「曲者」になっていると気づき あわてて大通りに戻る。 |
◆ご近所マップ 家のすぐ近くに市立の玉龍高校がある。 日曜の昼、散歩ついでに行ってみた。 市立高校なのに自前のセミナーハウスを備え 体育館も、うち(県立短大)より立派だ。 その裏のキリシタン墓地も味わいがあり さらに裏山の頂上(高校の球場)からは 錦江湾と桜島を眼下に一望できる。 いや〜、自分としては大発見だった。 また、高校の前に生協の店舗があるのも発見。 |
◆カボチャ 子どものころは嫌いだったカボチャの煮物だが このごろは自分で作って食べている。 ホクホクで、なかなか美味なできあがり。 しかし、一人で山ほど食べる姿はあさましい。 |
◆ルーティン 夕方、学校の近くの八百屋まで買い物に出る。 ふだんは歩いて行くのに、自転車で行った。 買い物の後、歩いて学校にもどる。 9時すぎ、夜の授業を終えて帰宅しようとするとき 自転車の置き忘れに気づく。 半泣きで(半ば諦めつつ)八百屋まで走った。 自転車はそのまま店先にあった。 日常の定型的な行動を逸脱すると こうした忘れ物をするような人間になった。 年齢相応かもしれんが、なさけない。 |
◆一ふんばり 日仏社会学の論文集への寄稿をギブアップ、と メールで告知したら出版社から返事が来た。 今月末の入稿ということでいかがでしょうか、という。 それなら書けなくもない、と思い直す。 最初「どうせ誰からも期待されていない」論文ゆえ 気安く引き受け、気軽にギブアップしかけた。 待っている人がいると心持ちも変わる。 |
◆ミスマッチ 10月開始のゼミのテーマは「不思議発見」。 日常の風景のなかから「Wonder」を見つけ出そう と呼びかけたが、集まった学生の多くは脱力系。 大半が公務員志望で、安定志向。 定型の事務作業をこなす職業に就きたいという。 今日は昨日の続き、という平穏な暮らしを求める。 ぼくはそれを「小さな夢だ」と毒づくことができない。 人の精神を「改造」するような教育をためらう。 だから「おもしろがり屋」ばかり集めたかったんですがね。 |
◆官舎 台風で壊れた土壁は修理したが 壁のすき間から雨水がもれ落ちる。 ぬれた畳の縫い目から細いキノコが生える。 修理業者に再点検をしてもらう。 結果は「手の施しようがない」というもの。 老朽化が著しいので、雨漏りは避けがたい。 県は、裏の空き家もそのまま放置するらしい。 つまり、入居者を募集せず、家の自然倒壊を待つ。 もちろん、板塀も建て直したりしない。 |
◆無教養 家の中に生えるキノコといえば「サルマタケ」だ。 松本零士の名作『男おいどん』に出てくる。 1970年代の若者には常識、のはずだった。 ところが、ぼくと同年の同僚はそれを知らない。 当時でもマンガを読まぬ青年もいたわけだ。 また、新任の若手教員は「負け犬」という流行語を知らない。 この二人には「教養がない」と思われるが その種の教養はあるから偉いわけでもない。 |
◆シャツの災難 特価品ながら仕立屋でつくったワイシャツを 部屋干しして一夏放置しておいたら えりの前の部分が両方とも赤っぽく変色した。 仕立屋に「修理」をお願いした。 昨日「もとどおりになりました」との連絡。 変色の原因は「かび」だったようだ。 自転車で取りに行き、手提げ袋に入れて帰る。 帰る途中、袋を自転車の前輪に巻き込む。 袋は破け、中のシャツもグシャグシャに…… |
◆ラジオ 終日家にいて、久しぶりにラジオをつける。 プロ野球の実況放送まで聴いてしまった。 昔はこうだったな〜、とレトロな気分。 |
◆革ジャンの修理 先月、バンドンで革ジャンを二つ買った。 工場直売店のほか、街中の革ジャン屋でも買ったのだ。 観光客でなく地元民が相手の店なので とんでもない粗悪品は売ってないはずだった。 甘かった。 一部分だが、革の二枚重ねを糸で縫わず 接着剤でくっつけていた。 強く引っ張ると剥がれてしまう。 ぼくは泣きながらDIYへ接着剤を買いに行き 夜なべ仕事で革をくっつけた。 |
◆景品 近くのガソリンスタンドからハガキが来る。 そのハガキ+ガソリン15Lで景品がもらえるという。 景品は電子レンジ用の小ドンブリ。 うちの車にはまだガソリンが入っている。 100円たらずの景品だが、心をひかれ そのためだけに少し走り回ろうかと思う。 |
◆SNCF(フランス国鉄) 明日の早朝パリにつき、鉄道でナンシーに向かう。 インターネットで座席を予約しようとしたら なぜか日本は「国名」リストに含まれていない。 韓国や中国はある。 つまり、日本人の場合、ネット予約は不能のようだ。 窓口に並ぶしかないが、初日から疲れるのはヤだな。 |
◆早朝のフランス 6時41分発の特急のなかでこれを書いている。 8時ごろようやく夜が明けつつある。 成田空港で買ったカロリーメイトと水で朝食。 ◆さぶ! |
◆ナンシーのスーパーモール ホテルの裏に大型ショッピングセンターがある。 バンドンのスーパーモールとそっくりだ。 人の混雑ぶりもインドネシア並みだった。 ただ物の値段はなべて10倍以上。 |
◆雨のナンシー フランスでは日曜日はほとんどの店が閉まる。 閑散とした道をブラブラ歩いて旧市街へ行く。 小雨がしとしと降るなかを歩く。 通行人の半分は傘なんかさしてない。 これもフランス流といえばフランス流。 ◆夕食会 |
◆コローク シンポジウムの意で、英語だと Colloquium。 街中のナンシー第2大学で朝9時半から夕方6時半まで。 初日にして、すでに疲れる。 夜7時からは市庁舎で歓迎会。 シャンパンとスナックだけでお腹がふくれた。 その後、大半の連中は近くのレストランへ向かう。 ぼくは人疲れしたのでホテルに帰る。 |
◆横飯の疲れ コローク2日目は9時〜7時と長かった。 夜8時から地方料理の店で夕食会。 腹ぺこだったから最初はがっついた。 お腹が落ち着くとホテルに帰りたくなる。 それでも終了は例によって11時すぎ。 それとなく散会を催促したんだけどな。 あ、ちなみに「横飯」とは「横文字+飯」の略で 外国人と会話しながら食事すること。 ◆アール・ヌーボー ◆パリへ [追記] |
◆パリの安宿 昨夜9時すぎ、地下鉄のバルベス駅に降りる。 アラブ系住民の多い地域のホテルだ。 スプレーで壁に書きする不良もいたが これは、ま、ぼくにはむしろ懐かしい光景。 宿にはエレベータがなく5階まで歩いて登る。 |
◆銀行めぐり 朝早くオペラ座近くのクレディ・リヨネ銀行に行く。 かつて1年間暮らしたときに開いた口座を 13年ぶりに閉じる手続きをした。 預金の額はたいしたことないが 鹿児島銀行に振り込まれるのが楽しみだ。 ◆テアトル |
◆パリでのコローク EHESS(社会科学高等学院)で開かれた。 夕方5時半に終り、ヘトヘトになって帰る。 ホテル近くのレストランでクスクスを食べる。 フランスでぜひ食べたかったものがこれ。 |
◆現代アート 23日はメトロの1日乗車券で美術館・展覧会を回る。 1日で4個所も回る根性が貧乏人だね。 それでも現代美術の膨大な作品群に触れ アートって何でもありなんだな、と愉快になる。 ◆危険な綱渡り |
◆帰国しました それにしてもフランスは物価が高い。 シャルル・ドゴール空港で水を買おうとしたら 500ml で2.5ユーロ(400円)だぜ。 ほとんどドロボーのような商売をしている。 硬貨で4ユーロもってたが使わずに帰国。 |
◆トルコ映画「路(みち)YOL」の DVD 空港で買った新聞『ル・モンド』の付録(!)である。 これで5ユーロ(700円)は安かったな。 1982年のカンヌ映画祭グランプリ作品だ。 トルコにおけるクルド人の物語。 ぼくは84年、ブザンソンでこの映画を観た。 学生団体の自主上映会だったような気がする。 DVD を観ながら、最初のフランス暮らしまで思い出す。 |
◆野菜の高騰 いつのまにやら野菜の値段がめちゃ高くなってる。 しかし、ここは鹿児島。 地元野菜の直売店に行けばそこそこ安い。 大根やほうれんそうなどを抱えて帰る。 その姿を構内で学生に見られたが平気だ。 |
◆人生相談 学生にレポートを提出させると その欄外に「相談事」が書かれていたりする。 しかし、人生相談はぼくの不得意分野。 若い頃からぼくは不誠実・不人情で知られ 人から悩みを打ち明けられたことがない。 自分自身も「人に説教する柄ではない」と思う。 一方、同僚には「道を説く」のが好きな者がいる。 人の悩みを聴いてあげたがる者もいる。 だから学生はそちらの方へ行っていただきたい。 |
◆ゼミナール ぼく自身は大学のゼミで成長したような気がするが 教員の立場になると学生を成長させている気がしない。 また、やる気のない学生を叱りつけられない。 おもしろいことをしようと呼びかけても 学生が乗ってこなければ それならそれでけっこう、と思ってしまう。 乗りの悪い学生をおいてけぼりに進めば 振り返ると誰もついて来ていない。 |
◆国際交流 院生時代、英語もできず頭も悪そうな男がいた。 いまでは各国の経済学者を集めたシンポの司会者だ。 通訳なしのシンポを切り盛りする。 若手研究者を育て交流させるのが彼の仕事の一つ。 一方、ぼくは「校費でフランスまで遊びに行って……」と 昨日、同僚から非難がましい言葉を浴びた。 国際交流は本務ではなく、お遊びとされる。 これが田舎の短大の知的環境である。 |
◆時差ボケ 睡眠のサイクルがまだ正常化せず、いつも寝坊。 午前9時前に来るゴミ収集車を逃しつづけ 生ゴミがかなりたまった。 なにしろ帰国後は毎日自炊しているもんで。 |
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