2005年
 つぶやき

3/1
◆オスカー
 主演男優賞は「Ray」に出た Jamie Foxx だ。
 ぼくは「ふーん」と思っただけだが
 The New York Times(Web版)の読者投稿欄に
 嫌味な書き込みがあり、これには少しうなずいた。

  《 American Culture on the Decline 》
  When Bush is nominated President and Foxx best actor,
  it's not too difficult to conclude that America has lost touch with reality.
  Rewarding mediocrity is a definite sign of decline.


3/2
◆映画の日
 夕方、鹿児島大学に行く用事があったので
 帰りに街中で夕食と映画を楽しんだ。
 映画館の前で、3月1日は終日割引(千円)だと知る。
 しかし空腹に負け、映画は9時からの夜間割引で観る。
 「オペラ座の怪人」は眠たかった。
 それは食後に観たせいでもないと思う。

3/3
◆いちご
 1パック400円ぐらいが普通のようだが
 粒が規格外のものは 180円と安い。
 産地が近いので、そういうのが買える。
 ビタミン補給のため、このところしばしば買う。
 小粒のものばかりだと、味もよくお買い得感がある。
 奥に隠れた大粒は見かけもグロで、味も大味。

3/4
◆筆禍
 職場で組合ニュース「かげひなた」を出している。
 歓送会への参加を呼びかける記事で
 「欠席者の悪口を肴に痛飲し、愉快な一夕を」
 と書いたら、これにクレーム。
 4日の組合学習会の場で謝罪することになった。
 たしかに「悪口を肴に……」はつまらぬ冗談だが
 謝罪をせまる職場の空気はさらに寒い。

3/5
◆廃校
 わが県立短大の「廃校」を求める声がある。
 4日の県議会であからさまな発言がなされた。
 われわれにとって衝撃的な事件だが
 魅力的な大学への変身が必須の課題となり
 学内での「本気」の改革を迫ったのはよかった。
 やはり淀みを動かすには外からの力が必要らしい。
 内からの改革に失敗してきた者は自虐的に笑う。

3/6
◆通り会
 学校そばの商店街のイベントに学生自治会は協力する。
 地域に役立つ大学というイメージづくりで
 学生の方が教職員より大きく貢献している。
 その学生自治会と商店主との宴会があり
 ぼくも誘われてフラフラと参加した。
 ぼくはろくに話も聞かず鍋料理をひたすら食べたが
 学生たちは通り会のオヤジさんをちゃんと持ち上げている。
 そういう点でも連中は教員よりはるかに大人。

3/7
◆丘の上のレストラン
 鹿児島市の北、伊集院町の温泉施設「ゆすいん」に行く。
 町営の老人健康施設で、中途半端に豪華である。
 帰りに、近くの「すてきなレストラン」に寄った。
 タウン情報誌で調べておいたのだ。
 「開店中」の看板は、車を降りると「準備中」に替わっていた。
 昼の2時過ぎで、ぼくが駐車するのを見て店の人が看板を替えた。

3/8
◆芋かりんとう
 お茶など飲みつつ、ゆっくり食べるのが正しい。
 飲み物を省いてガシガシ食べていたら
 ほっぺたの内側をかんで血豆ができた。

3/9
◆メディア史
 堀江社長がメディア論で筑紫哲也につっこまれていた。
 堀江はインターネットの無政府性(万人の発信力)を礼賛し
 筑紫はジャーナリスト(社会の木鐸)の重要性を説く。
 筑紫は2ちゃんねるを便所の落書きと同一視し
 個人ブログとマスコミの等価性を否定する。
 ぼくとしては、何だかな〜、と思う。
 ちょうど北田暁大(33歳)の新著を読んだばかりだからだ。
 『嗤う日本の「ナショナリズム」』(NHKブックス)は
 連合赤軍(60年代的なもの)から今日の電車男まで
 時代精神の変遷を巧みに分析してみせた。
 「2ちゃんねる化する社会」を肯定も否定もせず
 社会学的分析の妙味だけを示してみせる頭良さ。
 俊英ってのは世に必ず現れてくるもののよう。

3/10
◆ダブルバインド
 塩分は控えめに、と考えているため
 味噌汁や漬け物のたぐいも控えている。
 ところが、ものの本によればそれらは「良い食べ物」だ。
 ど〜すりゃいいんだ、と思った。
 しかし、そもそも塩1グラムがどれほどの量なのか
 具体的には知らず、イメージもできないことに気づく。

3/11
◆起業支援
 鹿児島市役所前の一等地に「SOHOかごしま」がある。
 市が買い取った建物を「有効活用」するために
 よその流行を遅ればせながら取り入れた。
 まれにしか成功しないものとわかっていても
 よそがやるならうちもやるのが行政だろうが
 懐に余裕のない「県」にはできない業だ。
 だから、県と市はちょっと仲が悪い。
 県の機関に属するわれわれが市に協力する場合
 なるべく目立たぬよう、やや姿を隠した形になるのが通例。

3/12
◆ゴミ本あさり
 近くの大型古本屋に立ち寄れば必ず5冊は買う。
 5冊以上なら1割引ってのが誘因。
 1冊百円の文庫本ばかりだから、よけいに浅ましい。
 松下幸之助とか扇谷正造とか PHP系ものを買った。
 20年以上前の本だが、けっこう使えそうなネタがつまってる。
 扇谷なんて、もう忘れられてるからパクっちゃおうか。
 と、心情までさもしくなる。(これも PHP系?)

3/13
◆「ロング・エンゲージメント」
 鹿児島中央駅ビルで4年前の卒業生とお食事会。
 夜9時半に解散し、ぼくは駅ビル内で映画を観る。
 ジュネ監督の「Un long dimanche de fiancailles」だ。
 昨年10月、フランスに行ったとき、まだ封切られてなかった。
 監督へのインタビューを載せた雑誌を買ったな〜。
 機内で読んで持ち帰ったはずだ。
 まだ捨ててなければと、深夜、古雑誌の山をほじくる。

3/14
◆ Air Edge(Willcom)
 ビデオデッキが壊れた(ような気がする)ので
 量販店をまわって、1万円のを買う。
 店の入口に携帯電話の販促コーナーがあった。
 1円という値段をみて、しばし黙考。
 Air Edge はモバイル用に使っているので
 割引で通話機能を付加できるのも魅力だ。

3/15
◆チキンソテー
 鶏の胸肉を焼いて食べた。
 このごろ動物性タンパク質をあまり摂取してないせいか
 体の方が変調をきたし、深夜に目覚める。
 久しぶりに胃薬を飲んだ。

3/16
◆ Willcom(続)
 Willcom社の携帯電話(Air Edge Phone)はPHSだが
 5月1日より同社の携帯間なら通話は定額となる。
 月額2900円で通話し放題は魅力的だ。
 といっても、ぼくはいったい誰と話せばよいのだろう。
 昔(学生の頃)とちがって、今は長電話をする相手がいない。
 というか、ぼくの話を聞いてくれる相手がいない。

3/17
◆風邪気味
 鹿児島にいると、めったに風邪を引かない。
 一人暮らしをしているおかげだろう。
 なんて構えていたら、少し体調が変だ。
 昼、パスタ屋で食べたランチがおいしくない。
 流行のインフルエンザか? と保健室にかけこむ。
 体温計では 35.8度と平熱だったけれども
 用心のため研究室でひたすら午睡をむさぼる。

3/18
◆半泣き
 同僚の送別会の後、ひとり駅ビルで映画を観る。
 「きみに読む物語」("The Notebook", 2004)
 受付の女性に「どんな映画ですか?」と聞くと
 「純愛もので、泣けます」という。
 なるほどな、という内容。
 ぼくの好きなサム・シェパードが演ずる脇役の
 父親像がちょっとすてきだった。
 息子との距離、介入の度合いが、ね。

3/19
◆もてなし風呂
 息子(25歳)が鹿児島に来たので銭湯に連れて行く。
 大型銭湯だから楽しんでくれるかなと思えば
 けっこうあっさり上がっていった。
 息子にしてみれば、それでもがまんしての長風呂だった。
 父と子が互いにおもんぱかる図柄。

3/20
◆喫茶人の会
 国産紅茶を飲み比べて楽しむ会があった。
 国産の約20種に外来品2種が混ぜられていた。
 味のインパクトでは明らかに外来品が勝る。
 国産物が絶滅しかけたのは単に値段のせいじゃない。
 それでも国産を楽しもうというのがこの会のミソ。
 しかし、どういう点をどのように愛でるべきか
 素人にはよくわからないままだった。

3/21
◆民のカマドは賑わいにけり
 霧島温泉郷を車であちこちめぐった。
 ちょっとした滝にもけっこう見物客がいたし
 観光スポットの土産物店には人があふれる。
 日本の経済はだんだん回復してるみたい。

3/22
◆銀シャリ
 ここ数日、ご飯は白米ばかり食べている。
 体重もふたたび70キロを超えてしまった。
 これまでは玄米の「まずさ」が食欲を抑制してきた。
 白米にもどると、まさしくカマドのふたが開いて
 抑制が効かなくなった形。

3/23
◆春休み
 卒業式がすめば上京するのが通例だが
 今年はまだ鹿児島にとどまっている。
 4月から開始する予定の新しい仕事のため
 あれこれ頭をひねろうと思っても
 人気のないキャンパスの怠惰な空気のなかでは
 珍奇なことを考えるのも面倒くさくなる。
 やはりこの時期はよその空気を吸うのが正しい。

3/24
◆八女(やめ)の田舎者
 テレビの前で堀江社長を応援する。
 それを見て、息子は「なぜ?」といった顔をする。
 じつは、ほとんど根拠なく応援している。
 八女の人間なら悪人じゃなかろう、という思いこみが全て。
 原初的な愛郷心(Patriotism)の発露だ。
 いや、お恥ずかしい。

3/25
◆発熱
 なんだか体調が変だなと思ったら熱があった。
 38.5度だ。
 売薬をのんだらすぐ37.5度にさがった。
 ふだん薬をのまない人間には薬がよく効く。

3/26
◆熱っぽく
 昼間は36.5度まで下がったのに、夜また38度を超えた。
 夕方、平熱に戻ったと信じて送別会に出たら
 だんだん寒気を覚え、こりゃいかんと帰宅。
 石油ストーブと電気ストーブでダブルに暖をとる。

3/27
◆舌苔
 上京した。
 熱は下がったのに味覚は変なまま。
 風邪薬で胃をやられ、舌の表面が白い。
 歯ブラシで舌をこすれば、オエーってなもんだ。

3/28
◆病中?病後?
 体温は36度前後でもまだ何だか変。
 薬はもう飲んでいないが
 健康時の体調がどういうものだったのか忘れた。
 つまり、復調したという実感がつかめぬ。
 病人気分のまま一日をすごしている。
 マフラーをしたままコタツに入っている。

3/29
◆ DVD 鑑賞
 奥さんが「いいの借りてきてね」というので
 シミジミ系というか、地味系ばかり借りた。
 ところがいずれも奥さんのお気に召さず。
 「ミスティック・リバー」は暗くて救いがなく
 「ノーバディーズ・フール」も前向きの話じゃない。
 後者は「ビッグ・リボウスキー」級の佳作だけどなあ。
 無頼派の田舎ジジイってのはぼくの理想です。

3/30
◆バーサンの足腰
 バーサンは独力では起立するのも難しい。
 だから、イスに座れば座りっぱなしの形になり
 「わるさ」もできないので安心だ。
 な〜んてんで、目を離していると
 いつのまにやら台所にいて、あれこれの袋を開けている。

3/31
◆なじみの客
 タマネギを求めて、近くの八百屋に入ると
 オヤジから「今日は焼き芋はありません」といわれた。
 二日続けて焼き芋を買ったので
 ぼくはそれ専門の客と見なされたのだ。

◆犬にタマネギは厳禁
 チャーハンを作ったが、塩味が足りず、焦げ臭い。
 半分残ったので、家人には黙って犬にあげた。
 犬はこの珍しい食べ物を喜んでくれた。
 タマネギは「なるべく」除去したものの
 細大漏らさず除去したわけではない。
 犬にタマネギ厳禁の「説」は知っていても
 それに根拠があることは知らなかったからだ。
 インターネットで調べて、ようやく飲み込んだ。
 「最悪の場合は死に至る」とある。
 ひえ〜、すまなかった、許してくれ。
 犬をじっと見ていても、目をそらされる。
 その後もひんぱんに様子を伺えど目立った変化なし。


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