つぶやき |
◆歓待 上京したが、家には鍵がかかっていた。 裏口にまわって入る。 夕方まで、家の者は全員ルスらしい。 犬だけが尻尾を振ってくれる。 |
◆ Y tu mama tambien(= And your mother, too) DVDで『天国の口、終りの楽園』(02、墨)を観る。 主人公の性欲少年は、あれれ、ゲバラじゃないか。 つまり『モーターサイクル・ダイアリーズ』の主役だ。 どちらの映画も人間成長の物語でなかなか良い。 しかし『天国の口……』は家では観づらい。 いわゆる「下品な」場面が多いので 寓居する幼児らが居間に来るたび中断。 |
◆スタミナ丼 1日の深夜、久しぶりに親子5人がそろった。 しかし、2日の朝、家にいるのはぼくだけ。 昼、台所をあさっても食べる物なし。 ふと国立名物「スタどん」が食べたくなった。 あれは吐くほどまずい、という人もいるが 店はつぶれるどころか、支店を増やしている。 豚肉にニンニク醤油をかけて炒め 山盛りのご飯にのせて、生卵をそえる。 客は若者ばかりだが、ぼくも並んでガシガシ平らげた。 |
◆ヴィルレ(Jacques Villeret) フランスの喜劇役者だが、今年1月、53歳で死亡。 DVD で『ピエロの赤い鼻』(02)を観た後 インターネットで検索してそれを知った。 問題は彼の名前の読み方である。 映画配給会社のサイトには「ヴィユレ」とある。 ille をイユと読むのはいかにもフランス通だ。 しかし、ville、mille、gille は例外のはず。 フランス語に強いことを誇る配給会社が Villeret をヴィユレと呼ぶので弱っちゃう。 |
◆微熱 庭仕事をしていた奥さんは「暑い」というが ぼくは何だか寒気がしてコタツを引き出す。 それでも体温は36度前後だ。 奥さんは「何よ、バカッ」という目つきをする。 夕方になって37度を超えたので ぼくは「ほら、どうだ」と胸を張る。 |
◆三角巾 鹿児島に戻れば「受講者決定」のハガキが届いていた。 郊外の公民館の「男性の家庭料理」教室だ。 街中の中央公民館の講座には落選したが 今度はめでたく当選した。 ここでも応募者は2倍を超えたという。(定員20名) 教室は隔週の金曜、午前中に開かれる。 エプロン、三角巾、ふきん3枚を持参せよとのこと。 さて、どこで調達しようかしら。 |
◆なめくじ 梅雨はまだだというのに、早くも出現してきた。 台所に3匹いたが、本番はこれからだ。 7月に中国人の学生がショートステイで この家に一人泊まりに来るかもしれない。 裕福な家庭の子なら、なめくじなんか知らんだろう。 日本式の「ビンボー」を生で体験させてあげよう。 |
◆ Kago MUG(Mac User Group) マックの新しいOS(Tiger)をインストールした。 案の定(というのも変だが)マシンの動きがおかしい。 そうだ、7日はちょうどマックユーザーの例会の日。 そこへ行けば誰かが良策を授けてくれるだろう。 こうしてぼくは会に初めて顔を出した。 集まりは二十数名、会場が狭い分だけ盛況の感。 Tiger の問題はその場では解決しなかったが マックの新しい楽しみ方をあれこれ学んだ。 ただし、次回も参加するかどうかは微妙。 |
◆ Art Market 鹿児島のプチ芸術家たちの作品展示即売会に行く。 いつもは閑散としている県民交流センターに 人があふれていたので驚く。 出店の数も予想を超える多さだ。 ちょっとワクワクしながら観て回る。 しかし、足を立ち止まらせる作品はなかった。 一つだけ、オッと思ったのはあるが それはリアルな裸の絵だったからにすぎない。 考えてみれば、驚きを期待するのがまちがいであった。 鹿児島には「とんがった」人も芸術作品もない。 そういう人は鹿児島を離れることになっている。 作品については、山奥の「アートの森」を除けば 美術館は微温的で凡庸なものしか並べない。 |
◆老化現象 朝6時前に起きると、その夜は10時に就床。 すると次の日は朝5時前に目が覚めたりする。 若い頃とは逆向きに、生活時間がズレていく。 そして、今日は午前3時に目が覚めた。 |
◆ほめ言葉 ブルデューについて書いたものが活字化されたので また叱られるのを承知で昔の恩師に送る。 20代を通して世話になった先生だが いまだに一度もおほめにあずかったことがない。 今度も「まじめに研究せよ」と叱られるかと思いきや いただいたお返事におほめの言葉があったので驚く。 「活き活きとした好短編エッセー」とある。 論文になっとらんぞ、のお叱りとも読めるが それなら想定内なので驚かぬ。 エッセーの本義は「随筆」でなく「試論」だから ぼくは勝手にほめ言葉と受けとめた。 おかげで一日いい気分ですごす。 |
◆出会い系 夜間部のゼミ生とビジネスアイデアをひねる。 風俗系もタブー視しないことにしたら 男女の出会いをセットする商売が浮かぶ。 もちろん「健全な」出会いというのミソ。 怪しさ、いかがわしさをいかに消去するか。 スーフリの二の舞いになってはいけない。 スーパーフリーの事件を知らない学生もいたが。 |
◆梅干し入りラーメン 桜島フェリー乗り場の近くに新しい食堂街ができた。 ドルフィンポートという名の大型施設だ。 いまはまだ珍しいので、かなり客は来ているが くりかえし訪れたい施設でもなく 秋ごろにはゴースト化しそうな気配だ。 とはいえ、ぼくは視察と称して、二日連続で行く。 初日は筑豊ラーメン、二日目は鹿屋ラーメンを食べた。 後者の塩ラーメンには大粒の梅干しが乗る。 |
◆ラウンジ 鹿児島空港のラウンジを利用する。 公立学校共済のカードを見せれば入れる。 ただ、飲み物1杯まで無料、ってのがセコイ。 いまや学校の近くの和菓子屋(明石屋)でさえ 店内のコーヒーサーバーは利用自由だぜ。 おまけにこのラウンジにゃ無線LANもない。 Air Edge の電波も届かない。 だから自前のノートPCでメールも打てない。 |
◆東京の路地裏 学会の用事で恵比寿に行った。 時間に余裕があったので住宅地の裏道を散策。 思えば昔、受験のため初めて上京したとき こういう路地裏で立ち話する老人たちが 東京弁でしゃべっているのに驚いた。 落語で聞くのと同じだ〜、と感激した田舎者。 |
◆地銀の副頭取 高校・大学と同窓の男に鹿児島空港で遭遇した。 東京からの同じ便に乗っていたらしい。 声をかけると「あ〜あ、嫌な予感がしたんだ」とつれない。 ぼくは歩きながら学生の起業アイデアを語った。 起業ブームも退潮気味で、全国的に死屍累々だが だからこそ軽い成功例を鹿児島で作ろうぜ、と持ちかけた。 ヤツはあまり興味を示さず「また電話してよ」で終わり。 |
◆同胞 ぼくの妹には子どもがなく、姉には娘が一人。 つまり、ぼくを「おじさん」と呼べる人間は この世に一人しかいないのである。 その唯一の姪が結婚するという。 ぼくが姉や妹と会えるのは冠婚葬祭のときだけだ。 だから、二十年ぶりぐらいに再会の場ができる。 一昨日、電話で話したが、それも何年ぶりだろう。 |
◆ブログ 鹿児島国際大を解雇された3教授の身分を守る会に出た。 県内の大学人を中心とした集まりである。 8月末に裁判の判決が下るが、それはちょうど夏休み中。 大学の教員たちが出払ってしまう時期にあたる。 人々を集めるのはもちろん、ニュースの配布すらむずかしい。 そのあたりをどうするか、「守る会」で議論した。 ぼくが「このごろ流行のブログで発信したら」と提案すると わずか一名を除き、誰もブログなるものを知らない。 学者ってのは流行に無関心、という図柄そのまま。 |
◆むずかしい話 看護専門学校で非常勤講師を始めて一ヶ月。 相手は1年生ゆえ、最初の1〜2回は順調だった。 いまは連中も慣れて、半数近くが居眠りをする。 こちらがちょっと小むずかしい話をすると まるでそれを合図に彼らは机につっぷしだす。 それでもまだ半数以上は起きているから 授業としては大成功というべきか。 |
◆『貧困の哲学』 プルードンの主著を翻訳したいと考えている。 昔、藤原書店の社長から励まされたので 一度は取りかかりながら長く中断したままだ。 なのに自分のサイトでは「翻訳予定」を公言している。 誰かがそれを見て書店に問い合わせたらしい。 その方にも、また書店にも迷惑をかけてしまった。 翻訳作業の再開もいつのことやら、というのが実状。 |
◆男の料理教室 公民館の調理実習室にオヤジたちが集まる。 ぼくが最年少って感じの高齢者集団だ。 1班6人だが、さすがにこれは多すぎる。 作業分担するしかないので全体の手順がつかめない。 一方、火をとめる係を決めてなかったので 煮物が焦げてしまった。 先生は調味料の分量をこまかく指示したのに ぼくと同班のオヤジは水を「適当に」足していた。 てなぐあいに、何が何だかよくわからぬまま終了。 それでもできあがった料理はそこそこおいしい。 青魚の油揚げ巻き、茶巾寿司、味噌汁。 |
◆ Lovers' Lane 一橋大小平分校と津田塾大との間にある小径。 二つの学校内にはそれぞれ学生寮があり ぼくも2年間、この道を何度も行き来した。 三十数年ぶりに歩いてみると意外に長い。 昔は人としゃべりながら歩いたせいかな。 いまは五月の緑のなかを、一人で歩く。 学生時代の友人の葬儀に向かうためである。 ◆フランス社会経済研究会 |
◆ラーメンスクエア JR立川駅の南口は新しいモノレール駅と接する。 その出口横にラーメン村がある。 どの店にも客が長蛇の列。 鹿児島ラーメンの店にも客がいた。 鹿児島ラーメンごときに、と言うなかれ。 別の店のラーメンもさほどうまかないのである。 |
◆愛想 鹿児島市の丘陵にたつ団地の商店街に行く。 タウン誌で知った定食屋が目当てである。 あいにく定休日だった。 むなしく帰るのも業腹なので、近所の豚カツ屋に入る。 入ってすぐ後悔した。 愛想の悪さを売りにしているような店だ。 それは職人気質というより、鹿児島人気質か。 それを居心地良いと感じれば、ぼくも一人前なのだが。 |
◆見ぬもの清し 鹿児島アリーナ(体育施設)近くの定食屋に行く。 連日の外食で、いわゆるランチジプシー。 この店の客は大半が常連のようであった。 日替り定食は野菜炒め+ご飯+うどん=600円。 カウンター席からは調理のようすが見える。 店のオバサンは少し不器用で ゆがいたうどんを複数の丼に移すとき失敗した。 うどんはステンレスの調理台にこぼれる。 オバサンは平然と手ですくって丼に入れた。 あたかもそれが普段の手順のようだ。 常連のオヤジたちは座敷席でおしゃべりに夢中。 |
◆市との連携 鹿児島市役所の企業振興課に出向いた。 市からの依頼で、ゼミ生たちに通行人調査をさせるが その具体的な内容を聞くためである。 商店街活性化の一端を担う、といえば美しいが アンケートの項目などはすでにできあがっているので ぼくの役割は人員調達(周旋屋)にすぎない。 |
◆哲学するか? スペイン映画「海を飛ぶ夢」Mar adentro を観る。 四肢麻痺者が尊厳死を求める物語。 重たい話だが、ちゃんと映画になっていた。 20代半ばからの二十数年は寝たきりで 頭脳の活動のみがその人の自由のすべてだ。 詩作をしたり哲学したり…… う〜む、ぼくだったら終日妄想にとどまりそう。 |
◆適度な距離感? 学会(経済学史学会)に出るため大阪に来た。 じつは息子も別の学会で大阪に来ている。 とはいえ、どこに泊まっているのか知らない。 息子は学会で発表するというが、そのテーマも知らない。 息子の属する学会の名前すら知らない。 知りたい気持ちをぐっと抑制し続けてきた。 聞き始めると根掘り葉掘りになりそうで。 |
◆ぼてじゅ〜 大阪で泊まるホテルはネットで予約した。 繁華街「ミナミ」の中にあり、1泊4800円。 もとはラブホテルで、今でもその方面に利用可だ。 表の看板に「3時間、1室4000円」とある。 名前は「ル・ボテジュール」とおしゃれっぽいが Boteju Hotels に属し、本名は「ぼてじゅ〜ホテル」。 |
◆典座(てんぞ)の心 5月は毎週のように出張した。 いきおい自炊の回数が減った。 逆に体重は少し増えているはずだ。 いよいよ料理教室で学んだ技が活かされる。 なにしろ「おいしく食べて1日1400 Kcal」が目標。 典座(永平寺の懐石料理)を模範とする料理教室だからね。 |
◆"Kingdom of Heaven" 夜間割引で映画を観る。 お目当ての映画には5分差で間に合わず 映画館の前でしばし迷って十字軍の歴史物を選ぶ。 イェルサレム攻防の大決戦が山場である。 このごろはCGのおかげで大群衆シーンも安いね。 たいした感銘もなく、夜道を自転車で帰る。 |
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