2005年
 つぶやき

12/1
◆睡魔
 夜間部のゼミ(+鍋パーティー)を天文館で開く。
 デジカメで撮った画像を Web上に載せようと
 帰宅してからシコシコ作業を始めた。
 ところが夜11時なのに眠たくてしょうがない。
 不眠症の人にはまことに申し訳ない話だ。
 キーボードに指をのせたまま意識を失う。

12/2
◆紅涙
 1日は休校日で,かつ映画の日(千円均一)だった。
 午前中に「Always 三丁目の夕日」を観る。
 客の数は多く,その大半はおばさんだ。
 高度成長期直前の日本の風物光景に
 一々反応して語り合う声がうるさい。
 ベタな泣かせどころにも素直に反応。
 すすり泣き,というか鼻水をすする音が響く。
 いや,恥ずかしながら,ぼくも少し泣きました。

12/3
◆酩酊
 米映画「バージニア・ウルフなんかこわくない」1967 を
 廉価DVD(690円→580円)で買った。
 夫婦が罵りあう会話劇で英語の勉強。
 英語の字幕が出るからね。
 映画で登場人物4人はずっと酒を飲んでいる。
 つられて(?)ぼくもワインを飲む。
 と,映画の半ばでもう目を開けてられなくなった。

12/4
◆家の下見
 今の官舎からまもなく追いだされる。
 別の官舎をあてがわれるのが筋だろう。
 どうせなら豪華な「課長住宅」がいいな。
 自治省などから出向してきた役人用の住宅。
 連中は若造でも県庁内での地位は高い。
 地図で調べてその課長住宅を見に行った。
 なるほど並の県職員用の住宅とは雲泥の差だ。
 ただし,うちの学校から遠い。(県庁には近い)
 めでたく入居できても通勤には不便だね。

12/5
◆ DTP
 今年も日仏社会学会年報の編集をしている。
 といってもパソコンで体裁を整えているだけ。
 だから,さほど知的な作業でもない。
 ただ,ソフトのバージョンが毎年のように上がるので
 ちょっとしたところで苦労するのも毎年の恒例。
 熟知した旧版を使い続けるのがプロなんでしょうが。

12/6
◆自助努力
 研究室内の洗面台は排水が悪い。
 トイレ修理用の吸盤でパコパコやったがダメ。
 学校の備品にはパイプ修理用のワイヤがない。
 自腹で買おうかなとも思った。(DIYショップで約1600円)
 公費節減の思想に染まった良民の姿。

12/7
◆社会ダーウィニズム
 経済学史の授業で体制擁護論の一例を紹介した。
 例によって批判抜き,というか,むしろ肯定的に語った。
 どんな説もそれなりに説得力があることを示し
 学生に自力で問題点を引き出すことを求めた。
 弱者保護無用論なら「つっこみどころ」満載のはずだ。
 ところが学生はあっさりそれに賛成してしまう。
 提出させたレポートを読んで,ちょっと考え込んだ。

12/8
◆一週間分
 洗濯物を干す。
 パンツ7枚,靴下7足が並ぶ。
 チュラチュラチュラチュララ〜

12/9
◆まちなかの銭湯
 髪の寝癖ばかりが理由じゃないが
 むしょうに朝風呂に行きたくなる。
 歩いてすぐのところにある小さな銭湯に行った。
 郊外の銭湯とちがって,挨拶も会話も不要だ。
 鹿児島でもここらは都会なのである。

12/10
◆支部総会
 いま九州新幹線つばめ号の車内にいる。
 経済学史学会の西南部会ちゅうのに出るためである。
 ハガキによる出欠届けを出し忘れたので
 担当者にメールで返事を出した(つもりだった)。
 まちがって学会のメーリングリストに出し
 ぼくの軽薄文は全国の会員に送られてしまった。

12/11
◆見苦しや
 学会の懇親会は居酒屋で鍋料理だった。
 いつもの調子で一心不乱に食べていたら
 よく食べますね〜,と声がかかる。
 ハタと気づけば,回りは上品な大人ばかり。
 ゆっくりお酒を飲みながら,ときどき箸を動かす。
 昔,母から「お前は欠食児童みたいに食べる」と言われた。
 性癖は一貫して変わらず。
 きっと周囲の人は眉をひそめていたのだろうが
 それにも十分気づかず今日に至った。

12/12
◆無自覚のバカ
 学会で,ある発表の司会をつとめた。
 つい余計なことまでしゃべってしまった。
 後で,あなたの話はおもしろかった,と言われたが
 それは「あなたはバカですか」の意味だった。
 鹿児島に帰る汽車の中で,忽然と悟る。

12/13
◆ Kagomma.net
 まちづくり支援組織のWebサイトを設けよう。
 例によって,誰に頼まれたわけでもない仕事だ。
 安いレンタルサーバを借り,ドメイン名も勝手に作って登録した。
 費用は登録料とあわせて年間で1万5千円。
 ファミリーマート経由で支払う。

12/14
◆甘味摂取
 大食ではあるが間食などはしない。
 そのポリシーがこのごろ少し怪しい。
 スーパーでレジ横にあったクッキーの山を見て
 いわゆる物の弾みで一箱買ったのが先日。
 以後,その手のお菓子を1日1個は買っている。
 夜遅くテレビ画面を相手にお菓子を食べる男の姿は
 ほほえましいというより,鬼気迫るって感じか。

12/15
◆ JALグループ営業所
 JALの割引チケットを買うのに鹿児島空港まで行く。
 ちょっとした手続きが必要だったからだ。
 市内にあった営業所は9月に撤退した。
 JALのカウンターは九州では福岡・沖縄を除き営業終了。
 なんだか JALも追いつめられている。

12/16
◆アルコホリック
 福岡に泊まったとき買った酒がなくなった。
 ホテル横のコンビニで買ったウィスキーの小瓶。
 180cc の酒を約3日で飲んだ。
 われながら強くなったもんだ。
 学生時代はビールもろくに飲めなかったのに。

12/17
◆開かずの間
 わが茅屋に,ほとんど使わぬ部屋がある。
 久しぶりに入り,窓のカーテンも開いた。
 畳の上に光る銀色の筋はナメクジの跡である。
 押入には,書籍を収納した箱が積まれている。
 何年前だったか,東京から自分で自分宛に送り
 そのまま開封もせず,ずっと放置してきた。
 中身の本はこれからも日の目を見るまい。

12/18
◆FD
 Faculty Development =授業法改善に取り組む。
 学科の教員の集団討議である。
 数年前,ぼくが学科長のときにも取り組んだが
 あのときも,そして現在でもやはり参加者は少ない。
 教員にとっては業務外の余計な仕事だからね。
 集まりの悪さを嘆いたのは学科長時代の話。
 いまはもう腹も立たず,勝手におしゃべりを楽しむ。

12/19
◆人助け
 数年前に退職した元同僚のマンションに行く。
 パソコンのことで助けを求められた。
 マックの OS-X はセキュリティが堅固で
 OSに影響する作業にはパスワードが必要だ。
 元同僚はそのパスワードを忘れたという。
 だから新しいプリンターに接続できないのである。
 素朴な解決方法は OS を入れ直すこと。
 あれこれ試みて,結局この方法に行き着く。
 んで,朝9時から昼の3時までの作業となった。

12/20
◆半額セール
 家の近くの生協は夜になると弁当を半額にする。
 大量に売れ残っている日はうれしい。
 よりどりみどりだ。
 なんてね,低レベルで幸福感を味わってます。

12/21
◆こらしめる
 学生の不始末(万引)に関して議論する。
 「学生をどう懲らしめようか」という議論である。
 このごろ「穏便に」なんてのは禁句らしい。

12/22
◆暴風雪警報
 ひえ〜っ,鹿児島でも大雪だぜ。(観測記録更新だと)
 警報がでると休校という決まりがある。
 夜間の2限目(ゼミ)は急に休講となったが
 こちらが連絡せずとも学生は現れず。

12/23
◆鼻づまり
 夜中の2時だったか3時だったか,目が覚める。
 鼻がつまって呼吸が苦しくなっていたせいだ。
 薬袋から鼻炎用カプセルを取り出して飲む。
 水に浮かんだ氷が溶けていくような感じで
 だんだん鼻の通りがよくなっていく。
 すごい効き目だなと思いながら眠りに陥る。

12/24
◆師弟
 上京し,フランス経済思想史の研究会に出る。
 院生時代に津田内匠先生から指導を受けた者たちが
 年老いてもやはり先生に叱られたくて集まる。
 最近大著を出版した友人が報告する。
 けっこうよくできた本だとぼくには思われるが
 先生によれば「整理されすぎている」
 「これでは研究書というより教科書」と手厳しい。
 その容赦のなさがわれわれを喜ばせる。
 叩かれた報告者本人も喜んでいる。

12/25
◆トロツキー
 研究会後の飲み会で,先輩からヒゲを誉められた。
 トロツキーに似ている,というのだ。
 ちょっとうれしくなって,ネットで顔写真を確かめると
 あれれ,むしろぼくの友人(El Saito)に似ている。
 彼もトロツキー似といわれると喜ぶかな?

12/26
◆要介護
 バーサンは2ヶ月の入院の後,いまは家にいる。
 ほとんど寝たきりで,要介護認定も最高ランクだが
 休日以外はデイケアで預かってもらえる。
 今朝も9時半頃にお迎えの車が来るはずだ。
 しかし,奥さんも子どもたちもすでに外出。
 家にいるのはぼくとバーサンのみ。
 バーサンを車イスに乗せ,いっしょにお迎えを待つ。

12/27
◆先祖返り
 娘は独立自営業をめざしている。
 将来は不安だが,それは商いにつきもの。
 むしろ自立志向を喜ばしく思いたい。
 ぼくの両親はいわゆる外地からの引揚者で
 帰国後は金物屋→洋服屋→うどん屋をしてきた。
 糊口の資を得るための商売替えだ。
 いま,ぼくの回りはみな俸給生活者だから
 商店経営などを危ぶむ声が多い。
 しかし,ぼくは「そういう人生もありだよな〜」と
 ろくに資金援助をせず,事態を楽観視する。

12/28
◆介護老人保健施設
 バーサンを介護してくれそうな施設を見に行く。
 多摩川のそばで眺めも良く,新築だからきれいだ。
 老人たちはホールで「荒城の月」などを歌わされている。
 その姿に自分の行く末を重ねてしまう。
 きっとぼくもぼやきながら小声で歌うんだろうなあ。

12/29
◆8mmビデオ
 長らく故障したままのビデオデッキを修理に出した。
 8ミリビデオをダビングしなきゃ,と感じたからだ。
 放っておくと修理用の部品がなくなっちまう。
 今なら自力で家族の記録映像を DVDに移せる。
 修理費用2万4千円はしかたがない。

12/30
◆破廉恥
 光文社新書『羞恥心はどこへ消えた?』を読むと
 車内での飲食は人前でのキスと同列らしい。
 あちゃ〜,先日,中央線の車内でパンを食べたよ。
 昼抜きで会合に向かう途中,つい……。
 クロワッサン系だったので,ポロポロこぼれた。
 あんまり恥ずかしいとも思わなかった。
 それこそが病理現象ってか。

12/31
◆レイモン・アロン
 1年以上前に翻訳を済ませておいたのが
 ようやく出版されるらしい。
 レイモン・アロン著の『マルクスのマルクス主義』だ。
 パリ在住の共訳者によれば,今年はアロン生誕100周年で
 フランスじゃ,いろんな行事が催され,記念切手も出た。
 「アンガジェする傍観者」という皮肉なタイトルの
 DVD(昔のテレビ番組)および同名の本も発売された。
 ぼくはさっそくこの二つをアマゾンに注文した。

過去の記事
1998年
1999年
2000年---------10-11-12
2001年---------10-11-12
2002年---------10-11-12
2003年---------10-11-12
2004年---------10-11-12
2005年---------10-11

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