2006年
 つぶやき

1/1
◆一家四散
 末の息子が帰宅したが,一泊のみで去る。
 いま家にいる長男もまもなく独り立ちする。
 離散するのが家族の成長の常態,とはいえ
 父親はもともと一人離れて暮らしているせいか
 よけい家族の離散には感傷的になる。

1/2
◆老犬
 もう13歳だから,うちのバカ犬もかなり高齢だ。
 谷口ジローの名作漫画『犬を飼う』(小学館)を読むと
 老犬とつきあうのは重たくて,悲しい。
 それを思って,ついしみじみと,いつもより長く散歩。

1/3
◆箱根駅伝
 ふだん,こんなのは見ないのだが,ふとテレビ中継を見ると
 一人の走者(順天堂大)がフラフラと蛇行をはじめ
 ついにはほとんど足がとまりかける。
 脱水症状らしい。
 次の走者にたすきを渡さないとチーム全体が失格だ。
 この走者(主将でもある)は責任感のみで走り続ける。
 見ていて,こちらの心臓まで苦しくなる。

1/4
◆DVD作成
 1986年,つまり20年前のビデオをダビングする。
 ビデオカメラを購入したばかりの頃の画像だ。
 i Movie と i DVD という二つのソフトを使えば
 複製のディスクを作るのはさほど難しくない。
 ただし,それは何の芸もない複製の場合で
 ちょっとした芸を施そうとすると時間がかかる。

1/5
◆つん読
 なじみの古本屋に立ち寄って本を買う。
 しかしなあ,読書スピードは昔より落ちている。
 斜め読みの作法には磨きがかかったものの
 それにも増して本を手にする時間が減った。
 今じゃ,何かというとパソコンの画面を見ている。
 おかげで買った本も全部は読めなかったりする。

1/6
◆青汁
 鹿児島の地元ラジオのCMコンテストに応募し
 入選はできなかったが,抽選には当たった。
 缶入り緑茶1ダースと,甘藷若葉末60袋。
 後者は薩摩芋の葉を粉末にしたものだそうだ。
 何だかパッとしないな〜。

1/7
◆サーバーが故障
 先月から別サイト用に借りているサーバーがダウンした。
 このサーバは画像付きの掲示板CGI が存分に使える。
 しかも作動が軽快な上にレンタル料も安い。
 借りて正解と思っていたら,1月5日に故障。
 あちらのハードディスクが死んで,データも消えた。
 掲示板に載せた記事などは画像もろとも失われた。
 やはり「安かろう悪かろう」ってことか。

1/8
◆乾燥肌
 尾てい骨あたりの皮膚がかさかさしてきた。
 ネットで検索したら「皮脂欠乏症」らしい。
 原因は空気の乾燥・加齢・頻回の入浴・電気毛布などで
 あれれ,思い当たることばかりではないか。
 今日も温泉に行こうと思ったのに,それは逆効果だと。

1/9
◆湯之元
 鹿児島市から北へ約30キロの温泉地へ行く。
 小さな銭湯がたちならび,入湯料150円。
 東シナ海に面した浜辺も近いから
 ここらへんに住むのもおもしろいかな。
 なんて,老後のことまで考えたりした。
 数年前このあたりで高齢者の意識調査をしたので
 住民どうしが妙に仲が悪いことは知っている。
 新住民と旧住民,そして旅館経営者と一般の商店主
 それぞれのあいだにわだかまりがある。
 それを思うと,あんまり暮らしやすくもなさそう。

1/10
◆活動実績
 学内の広報誌に各教員の「昨年度の活動実績」が載る。
 その原稿を出せ,というのである。
 ふりかえれば昨年度は論文のようなものが1本のみ。
 年賀状によれば,友人たちはそれぞれがんばってる。
 短文・随筆も含めると年間60本ってやつもいる。
 そこまで華々しい人間はただ忙しいだけなんだろうが
 1本のみってのは犯罪的に怠惰なのかも。

1/11
◆肩こり
 元来,肩こりとは無縁の体質である。
 なのにここ数日,左肩がこり,微妙に痛い。
 歯のかみ合わせが悪いとき発生するような痛みだ。
 しかし,今回はこれといった原因が見当たらない。

1/12
◆ブリッジ
 深夜,板チョコを食べていたら奥歯のブリッジが外れた。
 予兆もなく突然という感じだったが
 最近の肩こりの原因はこれだったのか。

1/13
◆キーボード
 ちょっとお高いが「プロ用」を買った。
 Happy Hacking Keyboard Pro (2万9千円)だ。
 人のいう,その「ものすご〜い良さ」はまだ分からぬ。
 最初つまづいて,泣き泣きメーカーに電話したら
 対応は親切だったものの問題は解決せず。
 結局,自力で難局を脱した。

1/14
◆管理職選挙
 管理職に選ばれたらどうしよう,なんて心配した。
 ありえぬとわかっていても心配した。
 昔の小中学時代の学級委員選挙を思い出す。
 級長から給食委員までポストは十個ほどだから
 クラスの半数が選ばれるので,どの役になるか心配したが
 ぼくの名前をあげる人はほとんどいなかった。
 中3のとき給食委員になったのが唯一の例外。
 つまり,昔から人望のない私である。
 それでも選挙のたびに心配するんだからめでたい。

1/15
◆『資本論』も読む
 という本(著者=宮沢章夫)を買って読んだ。
 宮沢は劇作家らしいが,彼の戯曲は読んだことがない。
 彼のエッセイ本は読むたびにつまらないと思うのに
 すでに3冊も買ったのは,すてきなタイトルのせいだ。
 『茫然とする技術』『わからなくなってきました』『牛への道』
 そして,今回もタイトルにひかれて買ってしまった。
 でも,今回はちょっと当たりだね。
 彼のおもしろがり方に少し学ぶところがあった。

1/16
◆塩分
 ふと気づけば,長いこと自炊をしてない。
 外食ばかりになってるから塩分摂取過多かな。
 担々麺のスープを飲み干したりしている。

1/17
◆共訳
 レイモン・アロンの本の翻訳も最終段階。
 出版社(法政大学出版局)に原稿を渡すだけだ。
 パリ在の共訳者が,引用文献の邦訳を持たず
 該当ページの数の確認でバタバタしている。
 読者の大半が読み飛ばしそうな部分ですけどね。

1/18
◆授業評価
 学生による授業評価の季節である。
 その評点が勤務評定に使われそうな雲行き。
 点数が低ければ首が危うい。
 かつて授業評価システムを導入したころは
 学生の厳しい評価こそが教育の質的向上につながる,と
 牧歌的に信じ,低い点数を倒錯的に喜んだりした。
 今や,この授業評価は二重に失敗している。
 第一に,全体の教育向上につながってない。
 評価をもとに集団で討議することもないからだ。
 第二に,勤務評定につながるのは想定外だった。

1/19
◆轟温泉
 体の一部(秘)が痛いような気がして湯治場へ。
 鹿児島の北,車で30分ほどのところだ。
 ぬるめの露天風呂で体を伸ばせば極楽々々。
 なんて,感想は陳腐でもうらやましがる人は多かろう。

1/20
◆日仏社会学会年報
 第15号もDTPソフト(InDesign)で仕上げた。
 あとは印刷屋に渡すだけである。
 スピーディーな仕事ぶりに我ながら感心する。
 ていうか,誰も誉めないので自分で誉めるのである。
 創刊号からずっと手がけてきたし
 印刷費を毎号十数万円で済ませているのも自慢。
 学者としては,こういうスキルはあまり評価されず
 単なる物好きのカテゴリーに入れられる。
 手品とかハーモニカが得意な学者と同じ範疇。

1/21
◆大学入試センター試験
 うちの学校も昨年から参加しているが
 個人的には初めてその監督業務に関わる。
 遅刻しないよう早寝したが
 深夜に何度も目が覚め,やや寝不足。

1/22
◆ロソフスキー
 ハーバード大学で11年間も学長だった人だ。
 彼が書いた大学人マニュアルを読む。
 『大学の未来へ』(1992,TBSブリタニカ)。
 著者はもともと日本経済の研究者で
 一橋大学(つまり国立市)にも3年ほどいた。
 そのせいか国立の古本屋にはこの本が並ぶ。
 40円!という値段にひかれ,つい買ってしまった。
 でも,この本はなかなか良い本だぜ。

1/23
◆宿痾(しゅくあ)の業病
 このごろ鼻づまりがひどい。
 鼻のポリープ(いわゆる鼻たけ)のせいだ。
 手術は簡単みたいだが,なんだか怖くて……

1/24
◆おとといおいで(死語?)
 家の近くの今給黎(いまきいれ)病院は
 もともと大きいが,最近さらに拡充をすすめた。
 その耳鼻科(医者数=3名)に行ってみた。
 院内で撮影したCT画像を見て,医者はいう。
 「鼻の奥の方は異常がないので
 生活に支障がなければ,このままでいいんじゃないの?」
 鼻中隔は曲がっているが,大問題ってほどじゃない。
 鼻づまりに困る度合い,その感じ方には個人差がある。
 よっぽどでなければ手術はしない方がよい。
 点鼻薬は血管収縮剤なので使わぬ方がよい。
 なんて言われて,薬ももらえずに放り出された。

1/25
◆高所恐怖
 米映画「キング・コング」(2005)を観た。
 初代「キングコング」は子どものとき観た。
 母に連れられて隣町(久留米)まで観に行った。
 館内満員で母に背負われて観たような気がする。
 初代は驚きの映画だったが,今度のは気持ち悪いぞ。
 特に最後のエンパイアステートビルのシーン。
 特撮がリアルすぎて楽しめない。
 あんな高いところに普通の人間が平気で立てるかよ。
 愛の力が登らせたとしても,もう少しビビってほしい。

1/26
◆レイトショー
 夜9時から映画館は料金が1200円になる。
 夕食をすませてから映画が楽しめるってのは
 ヨーロッパ並になっててうれしいぞ。
 しかも鹿児島じゃ自転車で観に行ける。
 こうして「男たちの大和」も大画面で観た。
 夜遅いのにけっこう客が入っている。

1/27
◆したたる汗
 鹿児島中央駅前で食べたニララーメンも辛かった。
 山形屋デパート裏で食べた麻婆定食も辛かった。
 連日のように大汗かきながら食事している。
 「めし食って大汗かくも下卑たこと」
 という江戸の川柳(誹風柳多留)を思い出す。
 でも,おかげで鼻の通りはかなりよくなった。

1/28
◆紅旗征戎、非吾事
 不和の種をまいて楽しんでいる人がいる。
 踊らされる側にいるのは悲しいので
 indifferent に構え,主観的には解脱の境地。

1/29
◆きのう勤皇,あしたは佐幕
 車で通勤するときは間道の冷水峠を使う。
 西南戦争での西郷軍の敗走ルートである。
 このごろ拡幅工事が進み,歴史の香りは薄れつつある。
 歴史つながりで,ふと「侍ニッポン」の唄が脳内を流れた。
 そのニヒルな歌詞を頭で追いつつ車を走らせる。

1/30
◆社会派
 「スタンドアップ」(原題 "North Country")を観た。
 セクハラの実話をもとにしたアメリカ映画だ。
 日曜の夜,客はぼくと中年オヤジの二人のみ。

1/31
◆鹿児島如水会
 大学の同窓会に出る。
 6年ほど前,学科長になったとき初めて参加した。
 今はただ昔の友人に会うのが楽しみで出ている。
 もう「お仕事」の意識は毛ほどもない。
 だから名刺などは持参しない。
 酒を注いで回ったりもしない。
 友人とバカ話で独自に盛り上がるだけ。

過去の記事
1998年
1999年
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2003年---------10-11-12
2004年---------10-11-12
2005年---------10-11-12

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