2006年
 つぶやき

6/1
◆自炊くん
 新しい住まいでも本格的に自炊を始めた。
 本屋で買った『がんばれ自炊くん!』によれば
 ビギナーならパスタが一番だそうだ。
 米より安く,調理時間も早い,というのだ。
 なるほど! と膝を叩いてスーパーに走る。
 できあがったスパゲッティはまずまずの味。

6/2
◆同名会社
 台所のシンクの水はけが悪い。
 県の庁舎管理係に電話して苦情を訴える。
 夜,帰宅すると業者から留守電が入っていた。
 「にっしんこうぎょうですが」と名前だけいう。
 折り返し電話しようと,電話帳を調べたら
 ニッシン工業,(株)日新工業,(有)日新工業と
 三つも同音の会社が並ぶ。(住所は別)
 そんなにこの名が好きなのか。

6/3
◆本格小説
 流しの修理に立ち会うべく昼過ぎに帰宅する。
 業者が来るのを待ちながら,ベランダで本を読む。
 図書館から借りた水村美苗『本格小説』。
 妙におもしろいので上巻を読み終えちゃったよ。
 おかげで業者からの電話にも気づかず。

6/4
◆草むしり
 団地住民は月一回の清掃作業が義務だと聞いた。
 ぼくの鹿児島暮らしも長いが,集団清掃は初めてだ。
 集合は朝7時。
 参加者9名(戸数は12なのだが),女性はいない。
 作業内容は草むしりのみで,7時半に終了した。
 部屋に戻って水村美苗の小説の続きを読む。
 下巻もスピードに乗り,10時前に読了。

6/5
◆ポップコーン
 繁華街にある映画館が店じまいをした。
 しめくくりに旧作の「ニューシネマパラダイス」が上映された。
 観客には大盛りのポップコーンがふるまわれた。
 最後に館主の挨拶があるかと思えば,それはなし。

6/6
◆マンディー mandi
 ここの団地のシャワーは出が悪い。
 チョロチョロと元気がない。
 インドネシアでホームステイしたときの家を思い出す。
 かの地では水浴びが基本だから
 お湯が出るだけでもリッチっぽかったのだが。

6/7
◆誤解
 同じ日に同じ講義を昼間部と夜間部で行う。
 昼,講義の内容を誤解した者が一人いた。
 講義後に提出させる小レポートでわかる。
 その学生は話を逆に聞いて,「納得できない」というのだ。
 しかも憤っている。
 ぼくは説明の仕方が悪かったと反省し
 夜間部ではいちだんと丁寧に話をした。
 ところが,やはり逆に理解した者が三人いる。(3倍増)
 そして,やはり怒っている。
 世の中にはどうしても話を逆に聞く者が必ずいるようだ。

6/8
◆邦画
 夜の9時を過ぎてから,フラフラと映画を観に行く。
 映画館が近いので歩いて行けちゃうのだ。
 夜だと料金も割引で1200円になるしね。
 先日観た「間宮兄弟」に続き,「花よりもなほ」も
 なぜか客の入りが普段より多いぞ。
 しかし,客たちの私語も普段より多い。
 日本映画だとお茶の間感覚になっちゃうのかね。

6/9
◆ホスピタリティ
 夜,雨がやんでから近くの銭湯に行く。
 ところが,帰るころにはまた雨になっていた。
 近くだから走って帰ろうとすると
 番台のおばさんが傘を貸してくれた。
 一般に鹿児島市民は身内以外には不親切,と思われるので
 まれにこういう目に会うとちょっと感動する。

6/10
◆輾転反側
 ワールドカップの開幕戦は深夜1時に始まる。
 コーヒーを飲みながら待機していたが
 0時半,睡魔に襲われダウン。
 必死の思いでビデオをセットして寝る。
 ふと目を覚ましたらまだ夜中の2時。
 それ以後はなんだか眠れず,かといって起きるのも業腹。

6/11
◆転居通知のハガキ
 プリンターの紙送りが不調で,一枚ずつ印刷する。
 やたらめんどうで,時間がかかった。
 宛名は手で書くが,その作業は後日に回す。

6/12
◆閑居
 居住空間は狭くなったが,そのせいで良いこともある。
 オーディオ装置から出る音が良くなった。
 思わずCDを何枚か聴いちゃったよ。
 これでテレビを新調した日にゃ
 部屋に閉じこもっても退屈しなさそう。
 となると安物のパイプ椅子もどうにかしなきゃね。

6/13
◆満腹感
 講義のネタを探して Net Surfin'し(これも死語?)
 ある高校の先生が掲載している「授業の内容」に驚く。
 倫理の授業で,毎回中身がつまっている。
 話が高度で豊富なうえに,難解ではない。
 高校の授業がこれじゃ,大学は困っちゃう。
 と,ひとしきりうなった後で考え直した。
 毎回たっぷり話を聞かされる側も困っているかもね。

6/14
◆プレゼンの準備
 今夏のインドネシア研修の引率を引き受けた。
 さらに参加者を募る場でのプレゼンも引き受けた。
 学生も PowerPoint には食傷気味だろうから
 弁舌一本で勝負すべきかもしれない。
 でもね,やっぱり絵を見せた方がわかりやすかろう。
 ってんで,Mac用のソフト Keynote で準備した。
 初めて使うソフトだが,出来ばえは我ながら上々。

6/15
◆ちょっと悪寒
 非常勤で山奥に出かけ,もどってまた授業。
 すると夕方からどうも体の調子が悪い。
 一人で1ヶ月続けた引越作業の疲れもあるのかな。
 こじらせて前みたいに肺炎になるのはごめんだ。
 自炊して9時すぎに夕食をすませ
 風邪薬を飲んで早々と就床。
 掛け布団も一枚増やし,万全の構えです。

6/16
◆粗餐
 同僚に呼びかけて学内でパーティーを開いた。
 ワインとパンとチーズのみの質素なパーティーだ。
 買い出しから会場の設営まで一人でやる。
 ぼくは親睦会の会長なんだけど
 こうして小物っぽく働くのが好きなんだ。
 途中で酒が不足し,缶ビールを買いに行く。
 参加者は少なくても宴会はまずまずの成功。

6/17
◆営業用
 学生たちと焼肉食べ放題の店に行く。
 学生たちは「食うぞ〜」とか言ってたわりに
 さほど食わず,教員一人ひたすら食う。
 店で働いていた女の子もうちの学生。
 学生どうし顔見知りで,普通に会話していたが
 「お肉お持ちしましょうか」というときトーンが上がる。
 どうせなら,店内ではその声調で一貫してほしい。

6/18
◆田舎のカレー屋
 地元テレビの情報番組で紹介されていた。
 その店に入ったら店主が大喜び。
 目玉カレーなるものを注文すればまた喜ぶ。
 テレビで紹介された流れそのものだからだ。
 気持ちはわかるが,なんとなく恥ずかしい。
 クールにはふるまえない店主の素朴さが痛い。

6/19
◆掃除当番
 玄関のドアノブに「掃除当番」と書かれた小袋。
 中を見ると「一週間よろしく」というメモと
 水道のネジ(取り外し式)が入っていた。
 団地のゴミ集積場をこれから毎日清掃しなければならない。
 ゴミ回収車が来た後の後始末である。
 初めての体験だが,小学生時代を思い出しちゃう。
 つまり,不愉快ながらもどこか懐かしい。

6/20
◆不親切(鹿児島デフォルト)
 夜中,ハガキ(転居通知)を出そうと外に出る。
 大通りに出てもポストが見当たらぬ。
 深夜営業のミニスーパーに入り,店員に尋ねてみた。
 そのオバサン(40歳前後)は「知りません」とそっけない。
 んなわけないだろう,と思うが追求はせず。

6/21
◆ぞうさん
 立ち読みで,まど・みちお『いわずにおれない』と出会う。
 谷川俊太郎による聞き書きだが,読ませる。
 子象は「お鼻が長いのね」と異形を指摘されても
 ほめられたと思い「そうよ,母さんも長いのよ」と応える。
 てな,泣けるような話が満載だ。
 次の対句はさっそく授業で使わせてもらった。
 「ひとりでは生きられない……ひとりでしか生きられない……」

6/22
◆老後の遊び方
 ある会合に出るため鹿児島大学へ行く。
 早めに着いたので付属図書館で遊ぶ。
 さすがに総合大学,雑誌コーナーも楽しい。
 『アサヒカメラ』を眺めていたら時間がたった。
 ここで自分の老後のあり方についてヒントを得た。
 町の図書館に常連ジジイとして居座るのだ。
 そして,騒がしいガキどもを叱りつけたりする。

6/23
◆お呼び
 うちの家族のパソコンが不調だという。
 長男のPCはときどき起動に失敗するらしいし
 娘もプリントがうまくできないという。
 どうしたらいいの,と電話がきて
 ひさびさに自分の存在感を確認できた。

6/24
◆講釈
 町はずれのラーメン屋で地鶏ラーメンを食べる。
 超美味ってほどではないが薄味・淡泊さは悪くない。
 2ヶ月ぶりの再訪ながら店主は妙に親しげだ。
 自分のラーメン道を熱く語る。
 なぜか客の方が愛想笑いをせざるをえない。
 このわずらわしさがなければ再々訪もありえたのに。

6/25
◆M:i: III
 夜9時すぎ,駅ビルの映画館に行く。
 「ミッション・インポシブル・3」
 集客力のある映画だとは思っていたが
 まさか鹿児島で満席とはね。
 ケッコーケッコー,と繁盛をことほぎつつ退散した。

6/26
◆不埒
 1週間のゴミ当番がいちおう終わった。
 分別違反とかで回収されなかったゴミは
 当番が預かって,しかるべき日に出し直す。
 電球・電池・新聞・雑誌・不燃物など
 けっこうな量のゴミをぼくが「預かっている」。
 違反者は団地の住民じゃなく,どうやら近所の人間だね。
 弁当のポリ容器と週刊誌をひとつの袋に入れて出すし
 古新聞を雨の日の深夜に出すような不届き者だ。

6/27
◆梅雨時
 この団地ではナメクジを見かけない。
 その乾いた感じを好ましく思う。
 ところが玄関の革靴にカビが生えていた。
 な〜んだ,やっぱり,と気落ち。

6/28
◆ Mac Mini
 息子のPCが不調のままなので新しいのを買おう。
 Apple Store のサイトでネット注文した。
 マックは CPU を Intel にチェンジしつつあり
 いままでのソフトが動かないこともあるらしい。
 こういう端境期の買い物は悩ましいね。

6/29
◆やる気
 夜間部の学生も2年次の秋からゼミが始まる。
 そのゼミ選択のオリエンテーションが開かれた。
 担当教員が各自のゼミの方針を紹介する。
 みな一様に学生の「やる気」を求める。
 ゼミは必修ゆえ,それはムチャな要求だとぼくは思う。
 必修ってのは学生の意欲とは無関係のお勉強だからね。

6/30
◆苦行
 昼間部の学生のゼミ選択は合宿形式でおこなわれた。
 市の北部,山奥の青少年研修センターに行く。
 深夜には学生たちの歓声で眠りを妨げられ
 早朝には国旗掲揚とラジオ体操,これがお約束。
 朝食前には,体育館で15分間の「静思」が求められる。
 座禅みたいに,あぐらをかいちゃいけない。
 ひさびさの正座で我が身を苦しめる。

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