2006年
 つぶやき

8/1
◆出張講義
 市内の鹿児島中央高校へ行く。
 鹿児島大,熊本大,九大からも講師が来ており
 総数17の教室で出前講義が一斉に行われた。
 受講生は各教室それぞれ20人以下に割り振られ
 ぼくに当たった生徒はいわば「はずれ」組かな。
 講義のあと控え室で昼食がふるまわれる。
 ガシガシ食べていたのはぼくぐらいで
 ほかの先生方はみな忙しそうにそそくさと退散。

8/2
◆旅の安全
 9月に学生を引率してインドネシアに行く。
 異文化体験という正規の授業の一環である。
 インドネシアといえば地震・テロ・伝染病を連想して
 旅行を不安視する向きが学の内外にある。
 関係方面を慰撫すべく旅の日報体制を整えた。

8/3
◆ウーロン茶漬け
 テレビCMで見て,食べてみる気になった。
 恥ずかしながら,けっこうおいしいと思う。
 冷やご飯+ウーロン茶+鮭ほぐし,これが基本。
 その他,総菜屋のパック数点をテーブルに並べる。
 ここ数日,夕食はこればっかりだがまだあきない。

8/4
◆浮世風呂
 市内の銭湯はおおむねどこも清潔できれいだが
 うちの近所の「みょうばん温泉」は貧乏臭がきわだつ。
 ま,泉質がよく,100%かけ流しだから許せるけどね。
 常連たちは湯船の内外で世間話に興ずる。
 番台から流れるAMラジオの音質の悪さ。
 おまけに聞こえる歌もモロに懐メロだ
 春日八郎「ひょうたんブギ」,宮城まり子「毒消しゃいらんかね」……
 昔,八女の田舎で吸ったのと同じ空気が漂う。

8/5
◆酒宴 symposion
 職場の親睦団体「親和会」の会長をしている。
 できるだけ頻繁に飲み会を開こうと思う。
 で,8月教授会終了後,「納涼ビアパーティー」を催す。
 今回は教員の約3分の1が参加したので,めでたい。
 ぼくは昔から下戸のくせに飲み会が好きだが
 大半の教員はこの種の集まりを好まぬようだ。
 ぼくが学生・院生時代に出会った先生たちは
 ほぼ例外なく「飲み」の集いを愛していた。
 そういう性向こそ学者の要件とぼくは思いこんだ。

8/6
◆隣組
 第一土曜日は団地の集団清掃日。
 朝7時から周辺の雑草とりに励む。
 ぼくも6,7,8月と欠かさず参加している。
 一種の苦役なのだが,存外楽しい。
 この分だと,日本が戦争に突入しても
 消火バケツリレーや竹槍の訓練を楽しくやれそうだ。

8/7
◆団地の夏
 気温は35度を超えるようになったが
 けっきょくエアコンなしで過ごしている。
 一軒家と違い,窓は四六時中,開けたままでよい。
 朝夕は涼しい風が吹く。(鹿児島の利点)
 そして,予想外に隣近所からの騒音もない。
 なんだか,この住まい,けっこう当たりだったかも。

8/8
◆無線LAN
 これも団地ネタだが,大きな声では言えない。
 ノートPCを開くと,自動的に無線LANにつながる。
 源は,隣のマンションか,うちの団地のどこか。
 無線LANはかなり普及しているようで
 時間帯によっては4〜5軒から電波が届く。
 なかにはプロテクトがかかってないLANもある。
 うちのPCはそれに勝手につながるのだ。

8/9
◆ Negligible person or Persona non grata ?
 学科会議の時間をまちがえて大幅に遅刻した。
 けっこう重要な議題もあったようだし
 とくに今回はぼくが議事録を作成する番だった。
 早朝から研究室にいたのに,呼び出しの電話もなかった。
 ぼくの不在を気にする同僚はいなかったのだ。
 存在感が希薄なのは悲しいとも思えたが
 Invisible な存在なら,逆にいいこともありそう。

8/10
◆風狂
 歩けばお月さまもいっしょについてくる
 なんてことに感動したな〜,ガキのころ。
 夜10時ごろ,夜風を求めて散歩に出れば
 満月の空が昔の感動をよびおこす。
 うすら笑いをしながら徘徊するジジイの姿は怪しいが。

8/11
◆海賊映画 Pirates of the Caribbean #2
 映画館が近くなり,6〜7月は足繁く通った。
 そのポイントカードで1回無料サービス。
 有効期限は8月いっぱいだ。
 もうすぐ離鹿するので,あわてて観に行った。
 夏休み中ゆえ,お子様向けの映画ばかり。
 とはいえ,夜の上映だと回りはカップルばかり。
 いちゃつくな,バカヤロー,とスネながら映画を観る。

8/12
◆菓子折
 しばらく留守をするので団地の班長さんに挨拶。
 駅ビルの地下でゼリーの詰め合わせを買っておいた。
 夜,訪れたときはあちらもお留守。
 で,早朝,ご主人の出勤時をねらって手渡す。
 われながら律儀なもんだ。

8/13
◆すた丼
 国立駅の近くで昼食は「すた丼」¥550。
 いまじゃ支店数軒をもつほどの「有名店」だが
 30年前は国立のはずれにある小さな店だった。(→参考
 ニンニク醤油で炒めた豚肉をご飯にのせただけの丼。
 ひさしぶりに食べたら塩味がきつい。
 味が落ちたともいえるが,「もともとまずい」の説もある。
 店内に貼られたビラによれば
 この夏限定で鹿児島のファミマにも進出する。
 「豚キムチ丼 くろ」¥490 というんだそうだ。(→参考
 めでたいような,恥ずかしいような。

8/14
◆危ない人
 生ぬるい夜風に吹かれながら犬と散歩する。
 道のまんなかでバットの素振りをする人がいる。
 顔は見えぬが短パンをはいた中年のオヤジだ。
 ぼくは数年前からのトラウマで
 人は何をするかわからん,と思い,怖がる。
 犬はそんな気持ちを忖度せずドンドン進む。
 ま,ここまで来てUターンするのも変だ。
 オヤジを挑発しないよう,顔を伏せてすりぬける。

8/15
◆ソウル
 バーサンを介護施設にショートステイさせて
 奥さんの骨休めを主目的に韓国へ渡る。
 羽田→金浦のJAL便だが,客の大半は韓国人だ。
 ホテルは4星クラスで,自分としては高級。
 全室にLANが設けられているのがミソだね。

8/16
◆光復節
 舞台公演の当日券をプレイガイドで買おうと思う。
 そのため大型書店に向かえば,店の前でデモをやってる。
 8・15の恒例行事なのだが,小泉首相が靖国参拝しただけに
 ぼくらは日本人と悟られぬよう早足で歩く。
 しかし,目当てのチケットは買えなかった。
 店員も,店員がさしだす電話の相手も英語が不自由だ。
 ホテルに戻って,劇場に電話したら予約できた。
 でも,朝食後の腹ごなしに散歩できてよかったよ。
 昼過ぎ,3時から「Tokebi Storm」(元のNanta劇場)を観る。
 これは Nanta の亜流で,構成も演技も一ランク下。(→参考
 夕方6時から「Jump」(セシル劇場)。
 武芸の技を演劇化したものでおもしろかった。(→参考

8/17
◆文化の旅
 連日ながら,舞台を二つ観る。
 4時から有名な「Nanta」(新しいNanta劇場)(→参考
 個人的には二度目だが,今回も楽しめた。
 夜8時から「B-boyz」(弘益大学そばのビル地下)を観る。
 若者のストリートダンスを舞台化したもの。(→参考
 ぼくは最前列に座ったため,客イジリの標的となる。
 舞台に引っ張り出され,踊らされちゃったよ。

8/18
◆おかわり
 帰国前,余った小銭で金浦空港でハンバーガーを食す。
 回りをみるとコーラのおかわりをもらっている人がいる。
 空のカップをカウンターに出せば,また注いでくれるのだ。
 ぼくも試しにカップを差し出し,2杯目をもらう。
 すご〜く得したような気分になる。

8/19
◆身なり構わず
 中国のおやじっぽい短パン+Tシャツで過ごす。
 鹿児島にいるときはこんな姿じゃ街を歩かぬ。
 国立ではそのまま原チャリで買い物に行く。
 のばしたヒゲのトリミングもしてない。
 つまり,むさくるしさをコンセプトに生きている。

8/20
◆家事
 プリンターを無線で使えるようにする。
 水漏れのする蛇口のパッキンを替える。
 そして,犬の散歩。
 これらの仕事は当然視され,感謝されることもない。

8/21
◆障害者映画
 レンタルDVDで韓国映画「オアシス」(2002)を観た。
 重症脳性麻痺の女性と前科者の恋愛,というので
 甘っちょろい映画かと思えば,なかなかの傑作だった。
 男が,障害者の身体不自由につけこんで強姦する。
 何ちゅうことをするんだ,と思わせたあたりで
 監督の術中にはまり,自分の「良識」が反転し始める。

8/22
◆島映画
 NHK-BSで映画「青幻記」(1973)を観た。
 沖永良部島が舞台だし,ビデオ屋にもない作品なので
 こりゃぜひ観とかなきゃと思った。
 かつては映像美で人の心をふるわせた映画らしいが
 いま観ると,俳優たちの顔ぶればかりがなつかしい。
 伊藤雄之助,殿山泰司,小松方正,戸浦六宏,原泉……

8/23
◆老熟
 来月インドネシアに行くのでウォーキングシューズを買う。
 2週間以上の滞在で,街を歩き回るからだ。
 いま使っている Reebok Rainwalker もいいが
 チャック付きで着脱が便利なヨネックスの靴を買う。
 外見よりも機能で選ぶあたり,ぼくも成熟したな。

8/24
◆SNS(Social Networking Service)
 「Mixi」などコミュニティ型の Web サイトのこと。
 朝日新聞の文化欄で最近の流行ぶりが紹介されていた。
 人とつながりたいという欲求に応えるものとされる。
 ある企業は内部で「知の交流」をもりあげようと
 このSNSを職場に導入したという。
 ぼくは十年来の経験で,そりゃ難しかろう,と思う。
 自己を開示して他者と交流したがる人間は学者世界でも僅少だ。
 んで,先の記事をよく読むと
 その企業内SNSへの参加率は5%だとか。
 うむ,それならわかる。

8/25
◆老いのゆるみ
 新聞の書評欄で知って倉沢愛子の近著を買った。
 『インドネシア イスラームの覚醒』(洋泉社)
 彼女の著作はこれまでけっこう読んできたが
 この本はゆるい。
 彼女はインドネシアの路地裏に詳しいのが売りで
 足で調べた部分はさすがに読ませるが
 宗教談義になると何だか素人くさいぞ。
 そのゆるみは書き間違いにも表れる。
 「不信な死」「キャスチングボード」……

8/26
◆ Movin' Out
 ビリー・ジョエルの歌をもとにしたミュージカルだ。
 新宿の厚生年金会館でやってる。
 客は40代,50代のおばさん・おじさんが中心。
 高齢者がロックのリズムに乗っているのをみると
 これからは老人施設に流れるBGMも変えなきゃな。

8/27
◆同郷人
 小・中学校の同窓会に誘われ,初めて参加した。
 場所は山の上ホテル。
 昭和文壇の著名人たちが愛用したことで知られる。
 そういうホテルの中が見たいのも誘因のひとつ。
 会は,田舎の高校の同窓会でもあったようで
 ぼくは隣町の高校卒だから見知らぬ人が大半だ。
 同じ小・中学の仲間は10人ほどで(女性は5人)
 顔は思い出せぬまま共通の思い出話で楽しんだ。
 いまの仕事とか,子や孫の話がほとんど出ないのもよい。
 バーサン然とした女性がいなかったのもよい。

8/28
◆配線
 娘が独立自営でやっている店に初めて入る。
 光ケーブル(東京電力系)とPCの接続を頼まれたからだ。
 ところが娘はプロバイダと契約しておらず
 インターネットはまだ利用できないとわかる。
 それでも,大型液晶テレビをPCのモニターにも使えるようにしたり
 iTune の音楽を無線で店のスピーカーで聴けるようにした。
 父親に期待された仕事を多少は果たせたわけだ。

8/29
◆アンクル・ソックス
 ウォーキングシューズは生足ではくのが好みだったが
 家人が「それはやめて」というもんで
 くるぶしまでの靴下を試してみる気になった。
 こいつはなんだか恥ずかしいような,うれしいような。

8/30
◆ひややぼ
 国立の大学通りに面したそば屋「更科甚吾郎」の
 冷やし谷保天そば(大盛り1100円)は絶品だ。
 エビ天,いか天は大振りで,大根おろしも良い。
 食べているとつい笑っちゃうぐらいおいしい。
 食べ終わると心が幸福感で満たされる。

8/31
◆ポカン
 ふと気づけば,よく口が開けっ放しになってる。
 幼少期は常時そうだったような気もする。
 心ここにあらず,の状態になりやすいのだ。
 高校生のころからは意識して引き締めてきたが
 最近また口元にしまりがない。
 犬の散歩のときにも,口が開いているのに気づいた。
 客観的には間抜け面をして夜道を歩いていたのだ。

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