つぶやき |
◆ビジネス・アイデア 県内の学生を対象とするビジネスプランのコンテストで ゼミ生のひとりが優秀賞をもらった。 快挙は快挙だが,教員としては複雑な気持ちである。 事前に概要を示されたとき,「こりゃ通りっこないな」と思い ま,出すだけ出したら,という態度をとった。 ところが,それが優秀賞なのである。 審査員の感性をつかむためにも,この学生から学ばねばならない。 |
◆ Peter Bogdanovich マルクス兄弟の初期5作品は電器店の廉価 DVD コーナーで買った。 同じ店でボグダノビッチ監督「What's up, Doc?」(1972)も見つける。 邦題(「おかしなおかしな大追跡」)はバカっぽいが,これも買う。 彼の前作「ラスト・ショー」(1971)にはぼくもすっかり感心し パリの古本屋で仏訳版の原作本を買ったほどだ。 いや,そんなしょーもない自慢はともかく 72年のこの喜劇映画も,DVD を買って損した感じがしない。 スラップスティックというかスクリューボール・コメディーの お約束をきちんと踏まえて,なるほどとうなずかせる。 DVD には監督自身による解説が副音声でつくので 裏表で4時間たっぷり楽しめる。 |
◆はやとの風 という名の列車でトロトロと人吉市に向かう。 高校時代の同窓会に出るためである。 同窓生 150人のうち 50人以上が集まる。 東京など遠方から来る者が多いのに 近くに住むぼくが行かないわけにはいかない。 ていうか,このごろぼくはしばしば懐旧の念にかられ 昔は無視していた同窓会にホイホイ出るまでになった。 |
◆楽ちゃり(JRの貸し自転車) 人吉駅で電動自転車を借り,広くもない町内を走り回る。 観光地図に示されたスポットはほぼ押さえた。 タオルを持ち歩き,町の銭湯2軒に入る。 本屋も探したが,それはもはや街中にはないらしい。 こぢんまりとした町も悪くないと思いながら それにしてもやはり本屋はなくっちゃね。 |
◆宴の後 大きな病院内のデイケア施設で同窓会は開かれた。 院長も仲間ゆえ,そこだと夜遅くまで騒いでもOKなのだ。 じっさい宴会は6時から12時まで続いた。 深夜,ホテルへの道をゾロゾロと帰る。 ホテルでは和室に4人,雑魚寝して話が続く。 自分にとって意外にも,人のいびきが気に障らない。 |
◆燃費手帳 雨が降りそうだったので車で学校に行く。 途中,ガソリンスタンドに寄る。 あれれ,手帳を見たら前回の給油は7月だ。 [7月6日付の「つぶやき」にも書いている] 4ヶ月で走行距離は 320 Km(消費量 18リッター)。 小さい車でタンクの容量も 21リッターと小さいが めったに乗らないんで不便に感じることもない。 |
◆朦朧(モーロー) 朝未明の5時に目が覚め,そのまま起床した。 案の定,午前中の会議のとき睡魔に襲われる。 もう夢かウツツか分からぬような状態で 人の発言を聞き,自分も発言したくなったが いま頭に浮かんだことをそのまましゃべれば狂人だ。 てなことを考えながら,ウトウトしていた。 |
◆宴の準備 職場の親睦会の会長をしている。 学内で小さな「飲み会」をなるべく頻繁に開きたいと思う。 十年ほど前までは,よくやったものだが,最近はめったにない。 同僚と大きく群れたり,バカ話するのを,忌避する傾向が強い。 そこで,ぼくは「この指とまれ」方式で宴を企てた。 集まりが嫌いな人を,いわば縁なき衆生と見定めると もはや人の集まりの悪さにイラだつこともない。 こうして精神的にはすっきりしたが その代わり,酒肴の買い出しに一人で走り回ってる。 |
◆原点回帰 この集合住宅で最初の冬を迎えようとしている。 扇風機を押入に入れ,冬用の掛け布団を出す。 鹿児島に来て以来,一軒家ばかり転々としてきたが いまの住宅は密閉度も高く,かつ狭い分だけ暖かそうだ。 息苦しいほどの狭さはむしろ懐かしい。 |
◆昼食会 新任教員を迎えて学科では形ばかりの歓迎会が開かれた。 昼,お弁当をみんなで静かに食べただけ。 田舎の小さな学校だけど,クールな雰囲気です。 一方,ぼくが呼びかけた夜の小宴会はバカ話で盛り上がる。 というか,バカ話をしたがる百姓だけが集まった。 |
◆学内の空気 鹿児島国際大学を不当に懲戒解雇された3教授の 原職復帰を求める訴訟は,地裁でも高裁でも勝った。 報告集会に参加したが,そこに祝勝ムードはなかった。 裁判に勝っても,じっさい元の教壇に立てるかどうかは 経営側(理事会)の任意の裁量によるのだという。 教授会はカリキュラム編成などで対抗しなければならない。 しかし,解雇から5年,物言えば唇寒い空気がはびこる。 何かしら意見をいう人は空気が読めない人。 「まともな」議論は疲れをもたらすだけとされる。 教員同士の親しい交わりもなくなった。 あれれ,これはうちの学校の状態そのものじゃない。 偉そうによその学校のこと,批判できないよ。 |
◆ブラウン管 チューナー部が壊れて廃棄されていたテレビを使っている。 ビデオデッキのチューナーを利用すれば放送も見られる。 画面は15インチほどと小さいが不満はない。 しかし,世の中は地上波デジタルの時代だ。 近くの電器屋で,32インチの液晶テレビを安売りしていた。 安売りったって 14万円ですけどね。 でも,1年前に比べりゃ相当安い。 本日限りの特価です,と呼びかけられ,心が動く。 いつものように心が動いただけで,買わず。 |
◆カラープリント 9月にバンドンでお世話になった家族へ手紙を出す。 この種の Thank You Letter は帰国後すぐに出すべきだが インドネシア語の作文に手間取った。 (結局は冒頭と末尾のみインドネシア語で,他は英語) 同封する写真は自分のカラープリンターで印刷した。 以前のプリンターに比べ画質の向上は著しいが それでもやや青みが強く,何度も調整した。 大きい印画紙で写真を送りたかったので,ムダは承知の上。 |
◆風潮 うちの夜間部を宣伝すべく県内の高校を訪問している。 ぼくは同僚と二人で国分高校へ行った。 この同僚はかつて県内の高校教師だったので 昔の組合仲間が二人おり,夕方からは4人で飲む。 話を聞けば,最近は高校教師の間でもタコツボ化が進む。 職員室とかでの雑談にも乗らない者が多い。 チームを組んで教育にあたる,とかの連帯感にも乏しい。 なんだか,どこもかしこも,って感じだね。 |
◆カタカナ式英語発音 うちの学校の文化祭は市の文化ホールで開かれた。 夏に異文化研修した学生たちが国ごとに成果を報告する。 ハワイに行った連中は「英語で」発表した。 人数が多いので,一人ワンフレーズずつ話す。 落語の「きゃいのう」みたいなもんだ。 驚いたことに英語らしく発音できる学生は少数。 ほとんどはカタカナを棒読みする感じであった。 聞いている方もいたたまれない思いに駆られる。 |
◆ボケてポカ 水曜と木曜に夜間の授業があり,科目は別だが教室は同じ。 学園祭で水曜は休みだった。 んで,ぼくは木曜に水曜の講義をしてしまった。 受講生が妙な顔をしてるな,とは思いながら とうとう最後までやっちゃったよ。 前回の提出レポートを学生に返すとき,ようやく気づく。 |
◆自転車屋 クロスバイクのギヤ変速のケーブルがいかれた。 変速はできないが,走れることは走れる。 買った店で修理しようと,夕方,立ち寄った。 国道沿いにある,けっこう大きな店だ。 3人ほどの客がパンク修理などで並んでいる。 修理をするのは店のジーサン二人。 見ていると,この二人,手際はあまりよくない。 ようやく順番がぼくにまわってきたが あ,これは今日はムリ,といわれる。 明日うちの若いもんがやるんで置いていけ,だと。 一瞬ためらい,自転車に乗って退散した。 |
◆小欲知足 自宅にワインセラーをもつ「おしゃれな」友人がいる。 こちとらは自慢じゃないがワインの味もわからん。 まれに「高そうな」ワインを飲む機会もあるが いまだに安ワインとの違いがつかめない。 自炊でミネストローネ(もどき)をつくり フランスパンと組み合わせれば安いワインだっておいしい。 高くておいしいワインが存在するかもしれないが その奥深い世界に足を踏み入れる気になれない。 |
◆桜塚やっくん 最近ちょっと人気がでてきたピン芸人である。 うちの学園祭に来た。 ここ数年,うちでもお笑い芸人で客寄せをしている。 予算の関係で,「売れる前」の芸人を招いている。 今回は契約後に人気が出,それはうれしいが 会場(体育館)に客が殺到するのは困る。 教職員も客誘導係として動員された。 大混雑は発生せず,誘導係もお笑いを楽しむ。 |
◆暴食 最近また体重が増えつつある。 たしかにこのところカロリー摂取量が大きい。 酒はあまり飲めないので,飲み過ぎってことはないが 飲んべえたちが手をつけぬ皿をつぎつぎと…… 気がつけば,ふだんの夕食よりたくさん食べてる。 |
◆恬淡(てんたん) 近所の銭湯「みょうばん温泉」の番台に貼り紙があった。 「19日の夜,歌手の長渕剛さんがおいでになりました」んだと。 それを読んで常連ぽいオヤジが番台のオバサンに 「色紙は?」と尋ねていた。 「そんなものは置いとらん」 うむ,じつに好ましい姿勢である。 有名人の色紙を色あせても貼り続ける店は悲しい。 有名人が来ても,そしらぬふりをする店は潔い。 この銭湯も後で貼り紙などしなきゃ,もっとよかったのに。 |
◆群馬 群馬の「公的な」ローマ字表記は Gunma。 もちろん,phonetically につづれば Gumma だが これは英語で「梅毒第三期のゴム腫」を意味するため 観光業界からのクレームで Gunma になったという。 群馬県立女子大もおかげで混乱気味だ。 そこの紀要は表紙と裏表紙で大学名の英文表記が異なる。 |
◆カーネルパニック kernel panic パソコン用語である。 OSに致命的なエラーが発生し、処理が停止すること。 昔のマックの用語でいえば「爆弾」にあたる。 うち(家族)のデスクトップPCがこれにやられた。 上京し,さっそく「開腹」して修理に取り組む。 そもそも「重症」なのだから成功の見込みはない。 万が一をあてにして,あちこちいじくっただけ。 |
◆拾い食い うちの犬は道に落ちているものを食べたりしない。 と 思っていたが,さにあらず。 夜の散歩の途中,いつのまにか変なものを口にくわえていた。 骨付きのフライドチキンのようである。 ダメっ,と叱ってもダメだった。 逆に飼い主の手をかんじゃうぞ,という勢いだ。 老犬のくせにというべきか,老いゆえのボケなのか, |
◆エドワード・サイード 2003年に没したパレスチナ出身の知識人である。 彼の「意志と記憶をたどる」ドキュメンタリー映画を観た。 佐藤真監督の作品「Out of Place」は25日が公開初日だった。 朝刊の広告でそれを知り,JRで東中野まで出かける。 期待したのに,編集の拙いご家庭ムービーって感じ。 終了後には板垣雄三先生(中東研究の大家)の講演があった。 この講演もコクがなく,ちょっとした自慢話が中心。 |
◆親バカ 父親に似ず(母親に似て)息子は足が速い。 んで,大学のラグビー部でもFB(フルバック)をつとめる。 前橋市で関東地区対抗の決勝戦が開かれた。 父親は電車を乗り継ぎ,いそいそと観に行く。 ところが,その肝心の最終戦で息子の足がつる。 後半は交代させられ,試合も1ゴール差で敗れた。 息子が大泣きするのを見るのは赤ちゃんのとき以来だ。 試合に負けたのは残念だけど 挫折で得られる経験値は大きいぞ,きっと。 |
◆読書量 米原万里(故人)は1日7冊読んだという。 それには遠く及ばないが,ぼくもけっこう速読できる。 ただし,中身はほとんど覚えていないタイプの速読だ。 本のタイトルすら忘れるので2度買いしたりする。 このごろ本を読むスピードがガクンと落ちた。 いや,熟読玩味するようになったからではない。 単なる老化現象である。 鹿児島に帰る前にいつもは立ち寄る古本屋も素通り。 |
◆ Legacy(遺産) PC用語で「旧式になったけど捨てられないもの」の意。 研究室のパソコンはまもなくリース期限が切れる。 校費で機器が更新されるのはうれしいが これまでのソフトが使えなくなるのは困る。 OS9時代のファイルが読めなくなる。 リース切れのPCを私的に買い取る手もあるんだろうが それが「法外な」値段なら旧財産は捨てようかな。 |
◆寄贈本 友人たちから彼らの著書が送られてくる。 研究に励んできた人々はそれをきちんと形にする。 心底敬服しながら,あせる。 自分の研究にあせるのではなく,返事を書くのにあせる。 寄贈が連続し,読むべき本がたまっちゃった。 やっぱりちゃんと読んであげたいしな〜。 |
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