2007年
 つぶやき

4/1
◆ Trotsky Vivant
 梅田の古本屋で買った『生けるトロツキー』を読む。
 著者ピエール・ナヴィル(1904-93)は社会学者としても知られるが
 若いころはシュールレアリスト。
 共産主義者は政治面でも芸術面でも前衛たるべし,と
 元気いっぱい駆け回っている感じが好ましい。
 じっさい彼の下で勉強した故・古賀英三郎先生から
 フランスのトロツキストは一味ちがう,と聞いたことがある。

4/2
◆看護職
 ここ数年,看護専門学校で社会学の非常勤講師をしている。
 受講生のほとんどが居眠りしちゃうのが悩みだ。
 一般教養の科目で退屈だからだろうか?
 学会仲間の佐藤典子さんは,そんなことはない,という。
 で,生徒に食いつかせる授業のコツを,彼女に尋ねた。
 佐藤さんは,その返事のかわりに近著をくれた。
 『看護職の社会学』(専修大学出版局,2007)で
 授業のコツはともかく,数回分のネタをえる。
 ありがたや。

4/3
◆谷川書店
 国立の古本屋である。(→一橋新聞サイトでの紹介記事
 品揃えもいいが,オヤジそのものにファンが多い。
 ぼくが学生のころはオヤジもまだ若かった。
 ある夏,ぼくが交通量調査のアルバイトをしていると
 自転車で通りかかったオヤジさんから励まされた。
 暑い中たいへんだね,と,あんパンをくれた。
 学生が好きで,人助けも好きなのである。
 その谷川書店がこのごろ閉まっている。
 「29日は休みます」の貼り紙があり
 なぜかそのままずっと休んでいる。

[後記]
 4月末には店が開き,オヤジは元気そう。
 肺炎で 20日間,病院に入ってたんだと。
 入院中もタバコをやめず,注意されたので
 木口小平と同じですから,と答えたら
 若い医者はきょとんとしてたよ,と笑う。


4/4
◆笙野頼子
 彼女の小説も論説も読んだことはないが
 思想的にかなりとんがった人らしい。
 先月号の雑誌『現代思想』が特集を組んでいた。
 それを鹿児島に戻る飛行機の中で読む。
 ところが,彼女についての論評はどれも難解で
 彼女自身の対談も,会話体なのにわかりにくい。
 ただ,ほとんど全方位的に喧嘩腰,ってのはわかる。
 ブルデューがお好みで,柄谷行人は嫌い,みたい。

[後記]
 鹿児島に帰って,彼女の本を2冊読む。
 『徹底抗戦!文士の森』2005
 『だいにっほん,おんたこめいわく史』2006
 な〜んだ,どっちも読みやすくて,おもしろいじゃん。
 彼女にコアなファンができるのもよくわかる。
 逆に雑誌『現代思想』の難解さが解せぬ。


4/5
◆ちょうだいもの
 いま住んでる県職員住宅は引越のシーズン。
 去る人,来る人が,挨拶代わりに品物をくれる。
 洗剤の箱が2個,お菓子の箱が1個
 一言カードを添えて,玄関先に置いてあった。
 前に住んでいた官舎は1戸建てのせいか
 隣との行き来はなかったが,やはり集合住宅は違うね。

4/6
◆海外通販
 コダックの2眼デジカメ(V705)が急に欲しくなる。
 23ミリの超広角レンズ付き「お遊び」カメラだ。
 製造中止の噂とともに需要も増えたみたい。
 通販価格は4万5千円だが,在庫なしが多い。
 アメリカの通販店なら2百ドルで在庫もある。
 送料(44ドル)を足しても3万円ほどなので
 4月1日に注文したら,なんと5日の朝には届いた。
 ただし,消費税1300円を着払いで取られた。

4/7
◆通販好み
 コダック・デジカメのアクセサリーは国内通販で買う。
 2ギガのメモリーカードは3千円。
 予備のバッテリー2個と高速充電器,あわせて3千円。
 どちらもかなりの格安だ。
 また,自転車用のカゴ(Rixen Kaul)も通販で買い
 自分でシコシコ取り付け作業にいそしむ。

4/8
◆団地の役員
 集団清掃のあと,役員改選のくじ引きがおこなわれた。
 管理人と親睦会と町内会担当の3役である。
 当たれば引き受ける,と覚悟を決めていたが
 まんまと外れ,ちょっとホッとする。

4/9
◆コミュニティシネマをつくる会
 鹿児島でも単館系の映画の上映会があれば,と望んでいた。
 その準備組織ができた,と聞き,さっそく参加する。
 どんな雑用もよろこんでやろうという殊勝な心がけ。
 日曜の午後,世話人会に出席したが
 うっとうしいジーサンと思われぬよう寡黙を装う。

4/10
◆ Bow Tie
 入学式など,めでたい日には蝶ネクタイをする。
 ワンタッチ式でなく,自分で結ぶのが自慢だ。
 だから,人の目の前で結んだり,ほどいたりしてみせたい。
 が,じつは鏡がないとできない。
 しかも,たまにやると結び方を忘れちゃったりする。

4/11
◆ TIA (This is Africa)
 映画「Blood Diamond」(米,2006)はなかなか衝撃的だった。
 アフリカの各地でいまも内戦が続き
 いわゆる少年兵の数もおよそ20万人。
 映画は,De Beers みたいな会社が内戦を「操っている」とし
 ダイヤを欲しがる「あなた」にも責任があるという。
 映画を観ながら,ぼくは昔のことを思い出した。
 いや,何,中学時代,南アフリカの女の子と文通してたこと。
 単なるアフリカつながり。

4/12
◆新陳代謝
 コダックの広角デジカメを買ったとたんに
 今まで使ってきたリコーのデジカメがご臨終。
 新しいものが欲しくなると古いものが壊れるのは
 ぼくのデジカメ歴の「法則的」な流れだ。
 あのカシオの初代機(QV-10)から始まり
 ニコン,ソニー,フジ,リコーと続いた安物買いの歴史。
 こういう人間が日本のデジカメ需要を支える。

4/13
◆転換点
 いよいよ改憲の動きが生々しくなった。
 生きている間にこういう日が来ようとは,な〜。
 じっとしてるわけにもいかん,と思われ
 小さいながら職場で「九条の会」を立ち上げる。

4/14
◆保証期間
 奥さんの iBook の液晶画面が見えにくくなったという。
 バックライトの不調だろう。
 買ったのは1年以上前だから,Apple での修理は有償だ。
 5万円弱(一律料金)の出費を覚悟した。
 ところが,じつは買った店(Plus Yu)の3年保証があった。
 買った本人(ぼく)は忘れていたのに
 奥さんが保証書を見つけ,妙に自慢する。

[後記:修理店では不具合の症状が再現せず
 何の修理もされずに戻されてきた,とのこと。
 そして,じっさい好調に作動している由]


4/15
◆値付け
 学校の近くに大きめの古本屋がある。
 Book Off の模倣店である。
 文庫本はだいたい百円で,そこがありがたかった。
 ところが最近はこしゃくにも定価の半値を基準とする。
 バカヤロー,もう行ってやんないぞ,と思う。

4/16
◆町内会
 定期総会の資料と委任状が投げ込まれていた。
 資料によれば,3500世帯のうち2000世帯が会費を納めている。
 けっこうな組織率だ。
 インドネシアが日本の町内会や隣組をまねて
 末端の行政補完機構を作ったことは知っていたが
 日本の町内会の実態については無知のままだと気づく。

4/17
◆地域に開かれた大学
 用事で鹿児島大学に行くと様子が変わっていた。
 農学部の正門横に総ガラス張りの建物ができてる。
 明るく輝いて,通行人に立ち寄りを促す。
 独立行政法人化後は,鹿大も商売気が旺盛だ。
 このように「お客様」を重視する姿勢は
 われわれ県立の学校こそが先んずべきであった。
 う〜む,おくれを取った以上は逆向きに目立つしかない。
 閉鎖的な秘密主義で,少人数教育の「良さ」を
 より先鋭的に「表現」しようかな。

4/18
◆読書会
 未来社のPR誌は「記憶に残る読書会」を特集していた。
 読書会か〜,なつかしいな。
 最近崩壊したある読書会の話もおもしろかった。
 フェミニズム関係の集まりで,独自のウェブサイトも開き
 その冒頭ページにクールベの絵「世界の起源」を載せた。
 ご存じのとおり,女性の陰部が大きく描かれる。
 現在でもこの画像を不快視する人がいて,会から離反者が出る。
 ページを作った人がお調子者だったせいだ。
 いや〜,他人事ではない。

4/19
◆CSS= Cascading Style Sheets
 市民のシネマサークルのウェブページ係を志願した。
 なるべく軽くて,かつ見栄えのいいものを作りたい。
 そのためにCSSの勉強を始めた。
 HTMLのデザインをより自由にする仕掛けである。
 上手に使えば,画面表示がより軽やかになる。
 でも,勉強するのがだんだんメンドくなった。
 細かい入力作業がわずらわしいのも老化のせいか。

4/20
◆感情労働
 肉体労働,頭脳労働と並ぶ,新しい概念だ。
 接客業は自分の感情のコントロールも職務とする。
 看護学校で教える関係で,つい,その勉強をした。
 武井麻子(日赤看護大学)の本を読む。
 『ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか』大和書房,2006。
 お〜,なかなか読みやすく,勉強になる。
 ついでに,その本で薦められている小説も読む。
 夏石鈴子『いらっしゃいませ』角川文庫,2006。
 新解さんのおばさんだが,小説もいけるね。

4/21
◆カメラおやじ
 デジカメを始終持ち歩いている。
 道ばたの看板とか雲のない青空などを撮る。
 短期限定と称して,いくつかの画像をウェブ上に載せてる。
 他人のウェブページで同じ趣旨のものを見かけると
 恥ずかしいような,心強いような。

4/22
◆ 11万アクセス
 このたびもほぼ6ヶ月で1万というペース。
 10万を超えると,もうあまり気にもならぬ。
 20万へ近づくころに,また意識しようか。

4/23
◆駅前
 夕方,映画「ロッキー the Final」を観る前に夕食を,と
 駅ビルの地下を通って対面のダイエーに行く。
 めったに行かない店なので探検気分。
 日曜なのに,どのフロアも人影はまばらだ。
 このダイエーも早晩撤退するかもなあ。
 1階のフードコートでさびしくうどんをすする。

4/24
◆定休日
 月曜は非常勤のしごとで山奥にでかける。
 どうせなら,ついでに「隠れた名店」を巡りたい。
 情報誌でチェックしておいたのだ。
 ところが,こしゃくにも本日定休の看板。
 先週も,別の店で同じ目にあった。
 おいおい,山奥じゃ毎週月曜が定休日なのか。
 なんだか頭が高いぞ。

4/25
◆新茶
 月末,バーサンの納骨のために上京する。
 家族への土産に新茶を持参しよう。
 と思いついたが,値段を知ってビビる。
 つまり,自分としては「法外に」高く感ずる。
 緑茶の名産地,八女で生まれ育ったからね。
 そもそもお茶を買った覚えがない。(もらってばかり)

4/26
◆ターヘル・アナトミア
 朝5時に目が覚めたついでに,枕元の本を読了する。
 吉村昭の小説『冬の鷹』(新潮文庫)だ。
 東大出版会のPR誌『UP』4月号で
 橋場弦(古代ギリシャ史)が激賞していたので買った。
 蘭学者・前野良沢の厳しい学究姿勢を描く。
 橋場は泣きそうになるほど感動したみたいだが
 ぼくには院生時代の恩師の厳しさを思い出させた。

4/27
◆数学
 ゼミの学生に,公務員の中級試験を受ける者がいる。
 ぼくも,ちょいと過去問をながめてみた。
 100分間に45問だから,1問2〜3分で解かねばならない。
 学生はとくに数学が弱いというので
 いっしょに問題を解いてみる。
 昔取った杵柄,ちょろいもんだ。
 なんて,一人悦に入ってどうする。

4/28
◆ IE(Internet Explorer)
 映画サークルのホームページが読めないと苦情がきた。
 習いたての CSS のせいか,と思えば,さにあらず。
 ウィンドウズ版の IE だけ画面が空白になる。
 Firefox など他のブラウザなら大丈夫。(Mac版 IE もOK)
 文字を表示するためのエンコーディングが
 多言語対応の UTF-8 だとウィンドウズ版 IE は白一色。
 コードを Shift-JIS に換えて,問題は解決した。

4/29
◆アダルトグッズ
 上京して,秋葉原へ行く。
 PC用の液晶モニターを買うのが目的だ。
 駅前に大きなアダルトショップができてた。
 中に入れば,どのフロアも客であふれる。
 女性客が平気で商品を手にしてレジに並ぶ。
 人目を気にしないでよいのが大都会。
 ぼくもフィギュアでおもしろいのがあれば
 と探したが,それは田舎くさいのばかり。

4/30
◆魚観荘
 バーサンの骨を西多摩霊園に納める。
 その後,多摩川べりの懐石料理屋へ。
 すべての部屋が離れ座敷で,ちょっと趣がある。
 妻の父や妹さんの納骨のときもここへ来た。
 子どもたちは「覚えてる〜」というが
 ぼくは3度目なのに全然覚えていない。

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