2007年
 つぶやき

5/1
◆ゼミ句会
 朝日新聞の多摩版は一橋大のゼミのおもしろさを紹介していた。
 比較法学の青木人志教授は自慢気に語る。
 ゼミこそ「わが一橋の最大の宝物のひとつ」で
 「私のゼミは飲酒はしない」代わりに「句会をやる」んだと。
 ゼミ生は全員俳号をもち,俳号で呼び合う。
 教師も学生も先輩も後輩もなく,対等に語り合える。
 なるほど,そいつは楽しそうだね〜。

5/2
◆映画評論
 正直な話,ぼくは映画鑑賞能力が低い。
 人の「高説」を聞いて,ようやく理解できたりする。
 高校生のころは映画好きの友人に解説してもらい
 長じては,雑誌等の映画評を読んで「勘所」をつかんだ。
 そして最近ではネットを介して人の映画評を読む。
 恥ずかしながら,これが楽しい。
 それにしても大学の先生ってのは書き込むのが好きだね。
 別府大の衛藤賢史先生とか,新潟大の三浦淳先生とか。

5/3
◆アニメ GIF
 頼まれて娘のホームページ用に作った。
 作りは単純だけど作成の手順を思い出すのに苦労した。
 ほぼ1年ぶりだからね。(前回もそうだったなあ)

5/4
◆アフリカ料理
 池袋のカメルーン料理店「オービレッジ」に行く。
 雑誌でも紹介され,ネット上でも評判がよい店だ。
 で,妙にクスクスが食べたくなって足を運ぶ。
 ところが,ぼくの行った日は最悪だった。
 開店時間なのに,お手伝いみたいなおばさんしかいない。
 日本語は全然できないってんでフランス語。
 クスクスを食べたいのだが,と切り出すと
 いま暖めるから待ってろ,という。
 イヤな予感が当たり,明らかに残飯の暖め直し。
 しかも,出てきたのはクスクスというより団子。
 これがクスクス? と聞くと,そうだ,と答えるのでしょうがない。
 ゴンボ・ソースなるものもおいしくなかった。
 後で調べると,ゴンボとは「オクラ」のこと。

5/5
◆スリーデーマーチ
 ゼッケンをつけた人々がぞろぞろ歩いている。
 3日間続く「歩く祭典」なんだそうだ。
 小金井公園から小平・昭島・立川・国立をまわるコース。
 別の日は別コースで,あわせてスリーデーマーチとなる。
 見たところ,楽しそうに歩いている人はいない。
 黙々と歩くことそのものを楽しんでるのか?

5/6
◆多摩蘭シュー
 国立市のケーキ屋「菓子の木」でシュークリームを買う。
 この店に入るのも30年ぶりか。
 開店当時はそこの「本格的」な洋菓子に感動したが
 他店との競争のなか,その突出ぶりも希薄化した。
 久しぶりに入ったのは多摩蘭シューの看板にひかれて,だ。
 近くにある坂道=「たまらん坂」にちなむ
 いわゆるご当地もので,その命名法もちょっと恥ずかしい。

5/7
◆名刺
 急に必要になったから,と娘に名刺作りを頼まれた。
 短時間で作ってくれる店もあるよ,と教えたが
 自分の店のロゴマークも入れたいんだ,と。
 しかたなくヤマダ電器まで紙を買いに行く。
 行って,けっこう驚いた。
 名刺専用紙の棚が2コーナーを占めている。
 その勢力はデジカメのプリント用紙と肩を並べる。

5/8
◆マイナー系
 渋谷のシアター・イメージフォーラムに行く。
 中国映画「モンゴリアン・ピンポン」を観る。
 いろいろな作品の予告編にも心が動かされる。
 アメリカで上映禁止の「Iraq. Valley of Wolves」(トルコ)。
 ブコウスキーの自伝小説を映画化した「Factotum」(ノルウェー)。
 ちなみに,この自伝小説の邦題は『勝手に生きろ!』です。

5/9
◆費用対効果
 鹿児島に戻れば長時間の学内会議が待っていた。
 大学の生き残りをかけた改革が求められている。
 ぼくの属する商経学科はこれまでも努力を重ねてきた。
 一方,老舗の家政科は脱力系のふるまいに終始する。
 で,受験倍率などにあらわれる結果をみると
 これまでのところ,努力は必ずしも報われない。
 われわれは学生サービスにつとめ,クチコミの効果に期待したが
 学生満足度など無視している学科に負けちゃってる。
 これじゃ学内会議で発言しても説得力ないじゃん。

5/10
◆夜間部の学生
 教室での印象だが,今年の新入生はまじめだ。
 講義のあと「参考になる本を教えて」などと
 くいついてくる学生が何人かいる。
 一方,夜間部の斉藤ゼミは崩壊寸前。
 8人で車座を組んでいても,私語が多い。
 男の仲良し4人組が独自の世界を作っている。
 ゼミは必修なので仕方なく参加している感じ。
 やる気のない人間にやる気を出させるのはムズい。
 単位をやんないぞ,と脅しで対抗するのもカッチョ悪い。

5/11
◆視界不良
 左目の飛蚊症はこのところ目立たなくなった。
 その代わりって感じで,左目は乱視っぽい。
 本当に乱視ならメガネを替えなきゃな。
 しかし,これも飛蚊症と同様,一過性のものかもしれん。
 老いに伴う体の変化の一プロセス。

5/12
◆力の加減
 かつて学内改革を「真剣」に考えていたときは
 同調してくれない人にいらだった。
 いま力を抜き加減にしてみると
 意外や,多くの人は真面目に働く。
 管理者が不真面目な方が人々は奮い立つ。

5/13
◆映画サークル
 コミュニティシネマを創る会の,世話人会に出る。
 会が終わってからの立ち話。
 二人の女性が映画「バベル」に感動したと語る。
 ぼくはオバサンたちの感動ぶりに感動した。
 あれで感動しちゃうのかよー,なんて言っちゃいけない。
 何であれ感動できれば,感動しちゃった者の勝ち。

5/14
◆プレカリアート
 クセジュ文庫の原書『La Precarite』を人からもらった。
 2005年刊(06年改版)だが,まだ翻訳されてない。
 不安定雇用の実態を社会学的に分析する。
 いわゆる「プレカリアート」の分析だ。
 この言葉は,数年前イタリアから拡がったというが
 この本の著者(Cingolani)はまだ用いていない。
 プレカリア(不安定)とプロレタリアートを合体させた造語。
 最近ではわが国でもときどき目にするようになった。
 なら,この本も邦題は『プレカリアート』にすればよい。
 翻訳はぼくがやってもよい。(頼まれてはいないが)

5/15
◆当番制
 官舎では全戸の電気水道料金を一括納入している。
 各戸への割振り計算と集金をする係は輪番で
 そろそろ,うちにも回ってくる。
 ゴミ置き場の清掃当番もいやだが,集金もいやだ。
 そういえば,周辺の雑草取りも官舎住人の義務。
 なんだか,だんだん転居したくなっちゃうよ。

5/16
◆手際の良さ
 自転車(クロスバイク)を買って1ヶ月半がたつ。
 ガタガタしてきた部分を修理してもらおうと店に持ち込んだ。
 先週末にも行ったが,そのときは臨時休業。
 店主が何かの競技会に参加したためらしい。
 たしかに,この若い店主はプロっぽく作業が速い。
 あまりにも速いので,ぼくは作業代を支払うのを忘れた。
 だって,あっという間におわっちゃったから。
 もちろん,代金は不要というだろうけど
 客としては財布を出してみせるのが礼儀だ。
 もっとモタモタ仕事をしてくれれば財布を出せたのに。

5/17
◆老眼
 昔は,小さな活字の本が好きだったもんで
 文字数が少ない本を買うと「損した」と思った。
 つまり,根がセコいのである。
 いま,若者向けの雑誌を開くと
 欄外やコラムの小さな文字が読みづらい。
 それをくやしいと思う自分の「若さ」。

5/18
◆耳鳴り
 電気モーターが止まるときのような音が左から聞こえる。
 その現象は体を動かした瞬間とかに連動するみたい。
 かすかにウィ〜ンと鳴ってフェイドアウトする。
 これが話に聞くあの耳鳴りってやつか?

5/19
◆インキュベーション施設
 鹿児島市のソフトプラザ内に一室を借りている。
 産学協同の一環で,もちろん鹿大なども部屋を持つ。
 その他の20数室には起業したての会社が入る。
 この施設ができて数年たつが,まだ成功事例がない。
 入居者総会で冒頭の挨拶をした市の担当課長も
 そろそろ成果を,と激しく要求する。
 行政が自ら旗を振って作った施設だから
 そう言いたくなる気持ちはわかるが。

5/20
◆通夜
 奥さんのイトコが鹿児島市の隣町にいる。
 57才,男性,独身である。
 その人が亡くなったので通夜の席に代参した。
 ご近所さんばかりのひっそりとした集まりであった。
 ぼくは片隅で,のり巻きと煮しめをボソボソと食べる。

5/21
◆雑草取り
 朝7時から官舎周辺の草むしりをおこなう。
 目覚まし2個セットして構えた。
 しかし,時間どおりに始めたのはぼく一人。
 しかも,全戸 12軒のうち参加者は7名。
 このゆるみ具合が,じつはとっても喜ばしい。

5/22
◆遅刻
 夜9時すぎてから映画館に行く。
 いわゆるレイトショーというやつである。
 本編が始まって 10分ほどすぎたころ
 客が数人つづけて入ってきた。
 大事な冒頭シーンを彼らは見逃したわけだ。
 伏線を見逃しちゃつまんないだろう。
 ぼくなら数分遅れた時点で映画をあきらめるが
 彼らにはそれでもそれを観なきゃならぬ事情でもあったのか。

5/23
◆バカップル
 連夜ながらレイトショーに行く。
 客数は4人で,うち2人はカップルだ。
 その2人は前方の席なのに,激しくイチャつき
 暗くなってからはもう何やってるのかわからん。
 鹿児島にもこういう人々がいるんだ,と感心した。

5/24
◆オーバードクター
 夢の中で大学院生だった。
 就職がないのでズルズルと博士課程にとどまる。
 論文の数(業績)が足りないことはわかっている。
 このままじゃいけなのに,ただイライラするばかり。
 そこで目が覚めたが,不安感が澱のように残る。

5/25
◆進学校
 また夜中に目覚めたので,読みさしの文庫本2冊を読了。
 その一冊が原リョウ(燎の火偏をとる)の随筆だ。
 『ミステリオーソ』で原は高校生時代などを語る。
 同世代ゆえ,その話のどれもが妙に懐かしい。
 彼は高校ではかなりの劣等生なのに,九大に進む。
 それもぼくにはよくわかる。
 進学校はその空気が難関校への受験を促し,合格させる。
 ペシャワールでの医療活動で有名な中村哲も原の同級生。
 調べてみると二人が出た高校は福岡高校だ。
 原も中村も越境入学者だから,有名な学校なんだろう。
 申し訳ないが,ぼくは福岡といえば修猷館しか知らなかった。

5/26
◆博多駅周辺
 学会に出るため福岡に来た。
 駅前の博多第一ホテルは一泊 4400円。
 カプセルホテルではないが,ま,値段どおりの宿だ。
 一人では飲み屋街をうろつくこともできず
 これも駅前にある古本屋,ブックオフに入る。
 けっきょく怪しいサブカル本を2冊買っただけ。

5/27
◆経済学史学会・全国大会
 院生時代の仲間がいつのまにかそろって学会の重鎮だ。
 大会での報告者リストにも昔からの知り合いが並ぶ。
 報告がどれもおもしろいのは聞き手(ぼく)も成長したってことか。
 植村邦彦(関西大)はマルクスのいう「土台/上部構造」が
 単なる隠喩→神聖な概念へと化した経緯を語る。
 深貝保則(横国大)は「社会正義」への関心の復活を喜び
 思想史的な経路を介して正義の概念の深化をはかる。
 栗田啓子(東女)は19世紀末のフランスに現れた「社会経済」学が
 貧困よりも快適性を社会問題として重視した点に着目する。
 米田昇平(下関市大)は18世紀フランスでの「奢侈」容認論が
 啓蒙的理性の世紀に生まれた,その必然的帰結だという。

5/28
◆清掃当番
 ゴミ捨て場の清掃は住民が当番で1週間行う。
 12戸+18戸=30戸の団地だから,年に2度回ってくる。
 その2度目がとうとう来た。
 清掃はゴミ回収車が去った後に行うので
 今週は昼近くまで家にいなければならない。

5/29
◆老いてなお
 ベッドで本を読むのが就眠儀式の一環だったのは昔。
 今では床に入ればすぐに眠っちゃうご老人。
 ミステリーなんか手にすると眠らず読んじゃいそうで
 このごろは逆にそのへんを警戒している。
 ひさびさに「禁」を破ったら案の定,深夜2時まで読みふける。
 歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』。
 2004年版「このミス」第一位という宣伝文句と
 冒頭1頁目の「下品な」性描写に惹かれて買った文庫本だ。
 先に読んだ人から「どんだけぇ〜っていいたくなるよ」と
 聞かされていたが,まさにそのとおりの結末。

5/30
◆律儀
 朝5時半に目が覚めた。
 ゴロリと寝返りをうって,もう一度寝ようとしたが
 待てよ,寝ちゃうとゴミ出しの時間に遅れるかもしれん。
 前日「ルール違反で」誰かが出した酒ビンや空き缶を
 ぼくは自分の部屋の前にまとめておいた。
 それらを8時前に出し直さねばならない。
 そそくさと軍手をはめて作業開始。

5/31
◆コミュニケーション不全
 どうも話が通じない人がいる。
 こちらはいちおう客商売ゆえ,つきあわないわけにはいかん。
 話がこじれて「変なこと」にならぬよう
 ただそれだけを気づかう。
 はい,苦い思い出もあるもんで。

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