2008年
 つぶやき

10/1
◆覚醒効果
 早朝5時に目をさまし,そのまま起きようと思う。
 お湯を沸かし,濃い緑茶を飲む。
 コーヒーよりも効く,という話を聞いたことがあるからだ。
 しかし,その効なく,二度寝してしまう。
 お茶にはテイン(=カフェイン)を和らげる別の成分があるらしい。
 あ,このテインという名前は死語ってのも先ほど知りました。

10/2
◆ゼミナール
 夜間部のゼミが始まった。
 今年は「ごく普通の」スタイルでテキストの輪読を試みた。
 ところが初日から運営がぎくしゃくする。
 教員が「このスタイルでいく」と腹を据えてないからだ。
 じと〜っと本を読んでいくのは自分としてもつまらない。
 どうしても教員が「正しい読み方」を指導する形になる。
 議論で頭を鍛える方法としては不適だな,やっぱり。
 学生に尋ねると,教員と同様の不満が出た。
 「常識的でない,ものの考え方」を学びたいという。
 たしかに,ゼミ募集でぼくはそれをアピールした。
 アピールはしたが,じつは今でも適切な方法を知らない。
 つまり給料がもらえるような教育などできずにいる。

10/3
◆秋の風
 採点用の赤い太字用ボールペンを買いに行く。
 大きい文房具店であれこれ物色するのも楽しみだ。
 学校に行く前に立ち寄れば,まだ開店前。
 近くの公園で時間をつぶす。
 テニスコートではオバサンたちの嬌声がひびき
 頭上には秋晴れの空が広がる。

10/4
◆眼鏡の安売り店
 眼鏡のフレームが壊れたので修理しなければならない。
 このさいだから,もう一つ新しいのを買おう。
 前に2度買ったことのある小さな眼鏡屋か
 それとも,近くの量販店「眼鏡市場」か,しばし悩む。
 安くて,でき上がりが速いという量販店に行く。
 が,30分でできる,て話はウソだった。
 あれこれの検査と解説だけで1時間半。
 しかも,お渡しは10日後だと。

10/5
◆勤労奉仕
 団地の集団清掃に,今月の参加者は4名。(先月は6名)
 2年前(入居当初)は全戸(12名)が参加していた。
 いまは4戸が空室だし,かつ参加者も半減した。
 短期間で住民の意識も大きく変化したようだ。

10/6
◆ジジェク
 ラカンの精神分析の理論で映画を解読する思想家である。
 彼の本を読んで,ちょっとおもしろい,と思った。
 映画好きの友人が,それなら,と別の2冊を貸してくれた。
 ありがたいが,まだ読まずに1ヶ月がたつ。
 学生に本を読ませることのむずかしさを
 わが身で実体験している形だ。

10/7
◆Bla Bla Bla
 仏映画「La graine et le mulet」(クスクスの粒と魚のボラ)を観る。
 昨年フランスで大評判だったというが
 日本じゃ未公開だしDVDもない。
 んで,インターネットからダウンロードして鑑賞したのである。
 60歳で失業した船大工がクスクス料理店を開く話。
 早口で発音不明瞭な会話や口論が続く。
 連中はいったい何をしゃべっているんだろう。
 昔,はじめてフランスに行ったとき
 寮でテレビを観て,みんなが笑うところで笑えなかった。
 ちんぷんかんぷんで,せつなかったことを思い出す。

10/8
◆匿名希望
 夜間部の学生に「ガソリンはうちの店で入れてくださいよ」と声をかけられた。
 うちの近所のスタンドで働いているという。
 でも,自分の正体が知られている店は,なんかヤだな。
 飲食店とかで「先生」と呼ばれるのもイヤだ。
 そういう店を好む「先生方」も多いようだが
 ベタつくような関係はハタから見るのも痛い。

10/9
◆ゼミ討論
 夜間部のゼミではテキストを読むのをやめた。
 そのかわり,毎週テーマを変えて議論することにした。
 第1回目は「くだらなすぎて笑っちゃうこと」について。
 めいめいが「くだらね〜」と思うことを出しあう。
 全員が楽しげに発言した。
 この企ては久々に成功の部類だね。

10/10
◆ SISAY(シサイ)
 エクアドル先住民のバンドである。
 人に誘われて,鹿児島でのコンサートを聴きに行く。
 自分にとっては無名なので,3300円の「立ち席」値段も高かった。
 しかし,じっさいに聴くとこの値段は安い。
 2時間の演奏で,大もうけしたような気分になる。

10/11
◆話せばわかる,か
 話をまったく逆に理解しちゃう人(今回は学生)がいる。
 普通の人(大半)は「まあ普通に」理解してくれる。
 普通でない人は,勝手に憤ったりするので困る。
 かつては,そういう人がいることを想定せずに暮らしていた。
 だから,安心してバカを言ってたのだ。
 最近は,けっこう用心深くしているつもりだが
 それでもやはり「不条理な怒り」をかうことがある。

10/12
◆空咳
 夜中3時に目が覚めた。
 のどに異常なく,熱もないが,なぜか咳が出る。
 起きると咳は止まる。
 しかたない,そのまましばらく起きてよう。
 夜明け前の5時,近所の弁当屋でのり弁を買う。
 これを「上品に」半分だけ食べたら,ようやく眠れました。

10/13
◆新しい眼鏡
 注文しておいた眼鏡ができた。
 こんどは普通のレンズで,色は変わらない。
 調光レンズだと値段が倍になるからだ。
 量販店で買うのだから安くなきゃ意味がない。
 大事なところでお金をケチる自分も悲しい。
 レンズは妙に明るく,世界がまぶしい。

10/14
◆サロン
 鶴見俊輔が好きなので,その自伝を読んでいる。
 サークルとかで雑談することの重要性が説かれる。
 だよな〜,とは思うが,サークルを作るのがむずかしい。
 一方,ぼくの研究室のお隣さんはいつも楽しそう。
 そこは鹿児島キューバファンクラブの「本部」。
 週末・休日には,キューバ好きの老若男女が集まる。
 音楽・ダンス・酒がつきもの,ってのも良い。

10/15
◆料理番組
 NHK教育で「簡単につくれる汁物」を見る。
 小賢しい女子アナがうるさいが,講師のオバサンは木訥でいい。
 その料理をつくりたい気にさせる。
 いわゆる「心に火をつける」教育ってやつ。

10/16
◆学生の関心事
 夜間部のゼミで,学生に「本日のテーマ」を出させる。
 提出された数々のテーマのうちから
 みんながもっとも語り合いたいものを選ぶ。
 で,それは「デート何回目で(男は女に)手が出せるか?」
 なんだか素朴だね。
 でも,けっこう盛り上がったから,ま,いいか。

10/17
◆まちの盛衰
 ミュージアムプロデューサー(?)の砂田光紀氏が
 故郷鹿児島の「魅力を活かす」アイデアを語る。
 まちづくりについて一味違う話をしてくれるかも
 と,ちょっと期待して講演を聴きに行った。
 自分の授業のためのネタ仕込みもあるんですがね。
 彼は,まちはつくるものではなく,できちゃうものだ,といい
 言外に,未来に向けての上手な滅び方を示唆する。
 後で物語ができるように美しくまちを廃れさせたい。
 ぼくは話を勝手にそう解釈し,勝手にうなづいた。

10/18
◆講演会の運営
 講演会を企画・実施する側もけっこう気疲れする。
 公開講座「鹿児島の映画文化」を催した。
 一回目は映画プロデューサー伊地智啓さんを招く。
 その世界では有名でも一般には知られていない。
 聴衆30人は少ないともいえるが,そこそこ来たともいえる。
 ぼくは企画者として冒頭の挨拶をし
 途中は自分の授業のため抜けて,閉会の挨拶に戻る。
 だから,講演の内容はまったく知らない。

10/19
◆すきまの消滅
 日仏社会学会に参加すべく,朝一の便で上京する。(会場=専修大学)
 プログラムも議論の内容もすっかり「普通の」学会になってる。
 かつては,もっと「ゆる〜い」学会だった。
 何をしゃべっても許されそうな空気が心地よく
 だから『年報』作成の裏方仕事も喜んで引き受けてきた。
 しかし,ふと気づけば学会はすっかり「成長」している。
 良いことではあるが,自分にとっては居場所がなくなった感じ。
 『年報』編集も次の18号からは「プロ」に任せることになり
 「これまでご苦労様」と言われて,ありがたいような淋しいような。

10/20
◆ほっともっと弁当
 お昼は国立市郊外の蕎麦屋で,の個人的な予定が狂う。
 朝から忙しく働く奥さんから,何か買ってこいと命ぜられた。
 だもんで,ほも弁の弁当で済ますことになる。
 ほも弁なら,一昨日,鹿児島で食べたばかりだ。
 味がどこも同じなのは感心だが,やはりつまらない。

10/21
◆中国当代美術
 国立新美術館へ「アヴァンギャルド・チャイナ」を観に行く。
 不快感を催させるものもあるとの「警告」も期待を抱かせた。
 しかし,全体として「頭で理解できる」手合いのものが多く
 気持ちをざらつかせ,波うたせるものは少ない。
 でも,方力鈞(ファン・リジュン)はいいな。
 さすがにこの展覧会のポスターになってるだけのことはある。
 夜,2007年の米映画「ブロークン・イングリッシュ」を観ると
 あるシーンの背景にファン・リジュンの絵があった。
 ほ〜,やっぱ有名なんだ。

10/22
◆歌舞伎
 東銀座は歌舞伎座近くの東劇まで行く。
 いわゆるシネマ歌舞伎を観るためである。
 山田洋次監督が中村勘三郎主演の舞台「文七元結」を映画化した。
 もとは落語ネタだから,笑わせ泣かせる。
 とはいえ,テレビで放送されたNY中村座の「法界坊」で
 いたく感動したのに比べれば,ちょっとね。
 銀座でお昼に煮魚定食7百円を食べて鹿児島に戻る。

10/23
◆歯痛?
 数日前から,温かいものが歯にしみる。
 虫歯か,と思って歯医者に行った。
 ところが,診てもらっても痛いところが見つからぬ。
 医者が「ここですか?」という個所はどれも外れ。
 レントゲンでも異常は見つからない。
 けっきょく歯石の除去のみで「治療」は終わった。
 で,いまは温かいものを食べても無痛。

10/24
◆散髪
 バーサンが一人でやってる床屋に行く。
 ここは注文の言葉もいらず,黙って座ればよい。
 イスに座ったらすぐ眠っちゃって
 気がつけばもう終わっていた。
 黙ってお金を払い,黙って去る。
 バーサンとは会話なしのままだが,それがすがすがしい。

10/25
◆挨拶下手
 講演会で「開会の辞」を述べる係をやってる。
 先週につづいて2回目である。
 「ただいまから始めます」のワンフレーズのみだが
 またしても滑舌悪く,レロレロの挨拶となる。

10/26
◆自意識
 ご飯のおかわり自由という定食屋に入る。
 この手の店が好きなんです。
 でも,ご飯をガシガシ食べるジジイの姿ってのもな〜。
 ちょっと見苦しいんじゃないかと思い
 2杯目はそっと出しました。

10/27
◆鼻白む
 アフリカの弊習とされる女性器割礼を批判した映画を観る。
 女性団体の主催で,会場はけっこう満員だ。
 ぼくは映画の途中で少し寝ちゃいました。
 映画が終わると主催者の女性が挨拶をする。
 でも,この人,ひとりで感極まって声が出ない。
 そこまで感動するか,と思うが
 拍手をおくる人もいるんだな,また。

10/28
◆鼻づまり
 夜中に目を覚ませば,少し肌寒い。
 もはや薄い掛け布団1枚じゃダメか。
 厚めの毛布を出し,かつ鼻炎用の薬も飲む。
 何年も前に期限が切れたやつだ。
 カプセルが経年変化で容器にくっついてるのを
 むりやり引きはがして飲む。
 成分が変化してるかもしれんが,ま,よく効きました。

10/29
◆ランチ・ジプシー
 午前中,まちなかに出たので,昼飯もそこらでと思う。
 自転車でうろつくわけだが,なかなか決まらぬ。
 雑誌とかで評判の店にはオバサンたちが行列をつくってる。
 今まで入ったことのない店に行こうと
 まちの東西を往復し,かなりの時間を費やす。
 1時過ぎ,中央駅近くの「はなとり」でチキン南蛮定食 650円。

10/30
◆授業参観
 いつかそういう時代が来ると思っていた。
 大学における教育改善の波がうちにも押し寄せ
 教員同士の相互視察が始まったのである。
 教員はみな誰かの授業を聴きに行かねばならない。
 ぼくの授業にも同僚1名が参加してきた。
 でも,この人は心の優しい人なので,ちょっと安心。

10/31
◆鹿児島クオリティ
 鹿児島市立美術館でのモーリス・ド・ヴラマンク展に行く。
 この美術館,誰の設計なのか,とても造りが悪い。
 作品数が多いと,会場が二つに分かれ,後戻りできない。
 作家の初期作品をもう一度見たくても,それができない。
 建物の外観も頭悪そうだが,内部はそれに輪を掛ける。

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