2008年
 つぶやき

12/1
◆インスタント
 即席麺は食べない方針で数年がたつ。
 塩分を控える,というのが趣旨だ。
 スープを全部飲まなきゃいいだけかもしれないが
 つい「おいしくて」飲んじゃうのよね。
 家族の所望で,ひさしぶりに買って作る。
 お野菜たっぷりで,またおいしくできちゃいました。
 それでもスープを残すあたりが年の功。

12/2
◆耄碌(もうろく)
 郵便局の窓口でお金をおろそうとした。
 印鑑をもたないので暗証番号を求められた。
 元より承知,と4桁を打ち込もうとした瞬間
 あれ,番号が頭に浮かばない。
 え〜,うそ〜,って感じで背筋が寒くなる。
 それらしい数字を入力したが,番号違い。
 郵便局員に怪しまれながら退散した。
 建物を出たら思い出したが
 恐怖感は消えない。

12/3
◆サービス業
 ぼくの授業,「おもしろい」「よくわかる」の声もあるが
 「難しくてよくわからない」の声も複数ある。
 じっさい,そういう学生はトンチンカンなレポートを書く。
 ぼくが何をどう説明しても必ず「誤解」する。
 これが大学院とかだったら,「誤解」する方が悪い。
 しかし,短大では,上手に説明できない方が悪い。

12/4
◆異種格闘技
 夜間部のゼミのテーマは「最強の生き物」について。
 めいめいが考えてきたもの同士を戦わせる。
 トーナメント方式で,勝敗は観客が決める。
 マウンテンゴリラとボツリヌス菌とか
 カバ対シロアリとか,わけのわからん戦いが展開された。

12/5
◆侠気(おとこぎ)
 ほとんど無根拠に福岡県生まれであることを誇っている。
 じっさいには福岡県民だって種々雑多なので
 自分が愛しているのはその理念型 Idealtypus にすぎない。
 しかし,それを基準に「らしい」「らしくない」と勝手に分別する。
 ま,これもナショナリズムの一種である。

12/6
◆睡魔
 入試の日,朝から監督の仕事がある。
 ところが,朝まだ暗いうちに目が覚めてしまった。
 おかげで,昼食後の試験監督は特に辛い。
 立って巡回してても眠たい。
 ペアを組んでる同僚と位置を交代し
 教室の後部で5分ほど目をつぶってたら元気回復。

12/7
◆ノスタルジア
 本当は,そんなことしてるヒマないのだが
 ポジフィルムの画像を電子化している。
 二十数年前,フランスの田舎町で暮らしていたときの画像。
 スライド用のポジしか持ってないので
 やがて映写機が消滅するときに備えて転写する。
 スキャナーに,ポジを読み取る機能がついている。
 百枚近い写真を眺め,ちょっと泣きながら作業した。

12/8
◆孤立分散
 学科の世話役として忘年会を企画した。
 やれと要求されたからだが,全員に呼びかけると
 参加希望は5名のみ(総数16名)。
 率は3割で悪くもないけど,絶対値が低い。
 若手(准教授)はゼロである。
 研究で業績を挙げて,どんどん転出してほしい。

12/9
◆1泊人間ドック
 日帰りではなくお泊まりってのは生涯で2度目である。
 ホテルに泊まれるってのは初めてでうれしい。
 ところが,お泊まりのドックってのは,じつにマヌケであった。
 1日で済むのを無理に2日に引き延ばしただけ。
 値段は日帰りより1万5千円以上高い。(自己負担は3割だけど)
 いいお客様にされちゃいました。

12/10
◆バカの惑星
 2部の授業で学生に米映画「Idiocracy」(2006)を見せた。
 本邦未公開だし,アメリカでも数館で上映されたきりの
 そういう意味での話題作(じっさい超お下劣映画)である。
 内容は,5百年後はバカ(Idiot)が支配する(cracy)というSF。
 知的な人々は子どもをつくらず,知的でない人々は多産だからである。
 下品だけど皮肉混じりのコメディ映画なので
 学生たちも喜ぶかと思ったら,さほど反応はよくない。
 出欠は取らないと予告したため,出席者も少なかった。
 つまり,この企ては二重に失敗した。

12/11
◆蓄膿症
 NHKテレビで新しい手術法が紹介されていた。
 いまは内視鏡下手術とかいって,日帰りで済むらしい。
 昔はノミでがんがん削る,すさまじいものだった。
 ぼくも高校が医大の付属だったので
 手術代がめちゃ安いため,高校のとき受けた。
 安いのは,インターン生の訓練用にされたからだ。
 おかげさまで死ぬ思いをいたしました。

12/12
◆空気を壊す
 鹿児島県内の全大学が連携しておこなう事業の一環で
 FD(教授能力向上)協議会の会合に出る。
 夕方5時から鹿児島大学で開かれた。
 黙って「お説」を拝聴すればよかったのだが
 耳タコの文句が続くので,つい「発言」なんかしてしまった。
 型どおりのFDをやる意味がわからないと,かました。
 FDで「成功」した事例を知らないからである。
 もちろん個々に技量を向上させた例はあるだろうが
 システム,あるいは運動としてのFDで
 学校の「質」が向上した例を知らない。
 FDなんてやらなかった昔より,良くなった例を知らない。
 てなことを発言したが,これは明らかに知的小児病。
 葬式と同様,儀式の場では騒がないのが大人なのである。

12/13
◆みかん
 夜はコープかごしまで弁当を買って帰ることが多い。
 入口で,どこかの農家が店を出してた。
 気まぐれに一山300円のみかんを買う。
 帰ってストーブをつけ,一人でみかんを食す。
 その味は,甘いような,悲しいような。

12/14
◆ぶす磁石
 映画サークルの忘年会に出て,バーで2次会。
 バーっていうのか,昔風にいえばスナックかな。
 客は女性が多いが,みな常連っぽい。
 美形ないし普通の容姿って人が少ないのも特徴だ。
 それでいて,互いに「そのベレー帽かわいい」とか言い合ってる。

12/15
◆午睡
 昼食後,ストーブにあたりながら眠る。
 夢とも現(うつつ)とも判別しがたい心地。
 この先,もっと年をとったら
 寝ながら変なこと口走るようになるかもしれん。
 てなことも寝ながら考えちゃう。

12/16
◆地域猫
 団地のまわりにますます猫が増えた。
 うちのベランダ(1F)も遊び場になってる。
 近くの弁当屋のゴミ捨て場なんかは集いの場だ。
 どの猫もちっとも愛らしくないが
 好きな人にはメンコく見えるんだろうなあ。

12/17
◆自堕落
 学会の年報に載せる書評を頼まれたのが夏。
 締切は年明けの1月なので,ずっと放置していた。
 随筆みたいにチョロチョロと書けばいいと思っていたからだ。
 つまり,気分は「大家」なのである。
 読んだ人が「なんじゃ,これは!」と軽蔑したって
 それを恥とも思わぬ程度に「退化」もしている。

12/18
◆不届き者
 午前中,入試関係業務の重要なミーティングがあった。
 それを忘れて,洗濯などの家事にいそしむ。
 またしても学内で失点を重ねたわけだ。
 管理職を経験する以前のぼくだったら
 「だって,そういう人間だも〜ん」と平気な顔をしてただろう。
 しかし,いまでは「そういう人間」が許せないような気がする。
 経験のおかげで少しは常識も身についたってこと。

12/19
◆無一物
 家の改築などで貯金をとりくずす。
 おかげで,残高(地銀と郵貯)は僅少となる。
 これくらい懐がさびしいのは久しぶりだ。
 大学院生のころ,指導教官に借金したが
 心境としてはあの頃にやや近い。
 そして今,貧しさが思いのほか心地よい。
 この軽やかさこそ貧乏人の誇りである。

12/20
◆人間が軽い
 思えばこれもガキのころから言われ続けてきたこと。
 老境にいたってもなお重みが身につかぬ。
 若輩を皮肉れば,三角眼で反撃される。
 こちらに重みがないからそうなる。
 言葉は相手を恐縮させず,激高させるだけだ。
 そこらじゅうが地雷原だと思うべし。

12/21
◆顔が利く
 くろくまは「黒豚しゃぶしゃぶ熊襲鍋」の略。
 鹿児島名物かき氷「しろくま」のもじりである。
 鹿児島市内の小さなホテル(南洲館)が売りにしている。
 大きな鉄鍋を囲んで豪快に食べる。
 そこで職場の忘年会をやったが,けっこう受けたぞ。
 南洲館の主は大学の同窓生だが,それは関係ない。
 働いてる人が知り合いなので,ビールがサービスされた。

12/22
◆テレビ環境
 うちのテレビは,ゴミとして捨てられていたものである。
 画面は小さく,映りも悪いが,いちおう使える。
 DVDで映画なんかも見ちゃう。
 サッカーの試合などは,ゴーストで球の位置が不明だ。
 それでも想像力でカバーして楽しむ。

12/23
◆長風呂
 小学生のころは銭湯が社交場だった。
 内湯が珍しかった時代である。
 風呂に入って友だちとバカ話に興じた。
 長じてからはすっかり風呂が苦手になった。
 服を脱いで裸になるのも面倒だし
 お湯の中でじっとしているのもじれったい。
 しかし,最近,また少し変わってきたぞ。
 ぬるめのお湯にはいると「ハア〜極楽」とか言いたくなる。

12/24
◆鹿児島の商売人
 近所の果物屋で買ったみかんは安くてうまかった。
 10個ほどで 200円ですからね。
 スーパーの半額で,味もはるかに上等だ。
 果物は果物屋で買うもんだな,との教訓をえて
 ふたたび,夕方遅くに行けば,すでに閉店。
 少し離れた別の果物屋にチャリで行く。
 店のオヤジが薦めるみかんを値札も見ずに買う。
 「鹿児島産よりおいしいですよ」というのだ。
 8個で 600円だった。
 食べてみると味はすっぱく,中の房が潰れた傷物もある。
 こういうのを平気で薦める店だったのか,と驚く。
 観光客でなく地元の住民を相手にしてても
 そういう商売ができるのは不思議である。

12/25
◆イルミネーション
 冬に,樹木や家屋を豆電球で飾るのが一般化した。
 貧乏たらしい家でも夜になるとゴージャス。
 趣味がいいとはいえないが
 迷惑ってほどでもないから許す。

12/26
◆肋間神経痛
 三日前の朝,深呼吸したときにズキンと来た。
 この症状は2〜3年おきに起こる。
 前回の発症は2006年3月。
 今回は治りが遅く,いまも大きく呼吸するたびに痛む。

12/27
◆寒風を突いて
 上京したが,こっちは寒いぞ。
 家人も留守なので,食べ物もない。
 弁当でも買いに出ようとしてたら
 帰宅した娘に「私も」とせがまれる。
 チャリで,国立駅前の吉野家まで走りました。

12/28
◆遺骨
 犬の骨はまだ家の中にある。
 庭の木の下に埋めればいいと思うのだが
 ズルズルと先延ばししているうちに冬が来た。
 土がやわらかくなる春まで待つことになるのだろうか。
 毎日,骨壺を目にして,気にはなるが挨拶はしない。

12/29
◆非常識
 生物学者の池田清彦がバラエティ番組に出ていた。
 学者としては評判悪いみたいだが,芸はおもしろい。
 定説をくつがえす類の話で,一般人を驚かせる。
 そういう手法,好きです。
 話を聞いていると健康に気遣うこともバカげて見える。
 つまり,ゆったりと生きていけるような気がする。

12/30
◆座敷犬
 下の息子が犬をつれて帰ってきた。
 アパートの前の住人から受け継いだ犬だそうだ。
 胴長の小型犬が,家のなかをうろつく。
 人々の笑顔を誘うのでめでたい。

[後記:犬は息子とともに 31日に去った]


12/31
◆惰眠
 鹿児島にいるときゃ明け方には目が覚めた。
 上京してからは10時間近く寝続ける。
 外からの騒音もなく,部屋が暗いのも良い。
 やるべき仕事がないわけではないのだが
 目が覚めないんだから仕方ないじゃん。
 って,誰に弁解してるの?

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