2010年
 つぶやき

11/1
◆野外劇
 繁華街の中の公園(天文館公園)で芝居を観る。
 野外劇団「楽市楽座」が鹿児島にも来たからだ。
 一座は親子3人(娘10才)から成る。
 入場無料・投げ銭方式である。
 しかし,観客は20人にも満たない。
 おもしろい芝居なのに,この人数じゃ,もったいない。

11/2
◆全国放送
 老夫婦殺害の犯人とされた老人(71才)は無罪を主張している。
 一方,検察側は死刑を求刑するらしい。
 民間から選任された裁判員が死刑か無罪かを決める。
 という鹿児島の事件を,NHKが大きく取りあげた。
 空からのカメラが鹿児島地裁のビルをとらえる。
 その隣のぼくのアパートも映ってる。(ピース)

11/3
◆目分量
 内湯が快適なので銭湯に行かなくなった。
 したがって,久しく体重を測っていない。
 肥満チェックは脇腹をつまんでみるだけ。
 つまんだ肉は薄いので,まあ,問題はなさそうだ。

11/4
◆おはら祭
 街中に住むと,こういうときに音がうるさい。
 鹿児島のビッグイベントなんだけど
 ひどく間抜けな祭に思えてしかたがない。
 歌も間抜けなら、踊りも間抜けだ。
 街中の銅像と同様,この祭も頭悪そう。

11/5
◆アート
 椹木野衣『反アート入門』(幻冬舎,2010年)を読む。
 名前(さわらぎ・のい)は難しいが,本は読ませる。
 ひさびさに「目うろこ本」に出会った感じ。
 世の中には才人がいるものだ。
 こういう本に出会うと,生きてるのがうれしくなる。

11/6
◆仕込み
 こんな「つぶやき」を書いてはいるが
 ぼくは発信型の人間ではない。
 おわかりのとおり「内容」のあることは書けない。
 外からの「おもしろいこと」を期待しながら生きている。
 週末の楽しみに図書館から本をゴソっと借り出した。
 横に積んでるだけでニマニマしてしまう。

11/7
◆右翼
 高校の同窓会のメーリングリストで
 同期生が右翼系の雑誌に論考を寄せたと知る。
 読めば,日本民族の誇りを守れ,というものだった。
 こいつは東大(文一)に行ったが,浪人仲間でもある。
 こんな民族派になっていたとは,と少し驚く。
 ま,ぼくも多少変わったから,お互い様か。

11/8
◆ESSの男
 高校のときの友人に,英語好きなやつがいた。
 電車の中や路上で外国人に出会えば
 英語の勉強のため,やたら話しかけるのだ。
 ああいう臆面のなさが大事なんだろう。
 (人格とかの向上にはつながらないみたいだけどね)
 彼から教えてもらったことは
 "Really?" は「ウイリー?」と発音すること。

11/9
◆家庭イベント
 一人鍋を食べるために大根をすりおろす。
 おろしながら,母を思い出す。(連日ノスタルジー)
 子どものころ母に八つ当たりしてたら
 怒りながら下ろした大根は辛くてうまい,と言われ
 下ろし金を手渡された。
 また,初物は笑いながら食べると75日長生きする,ってんで
 季節のたびにみんなで笑い声をあげた。
 思えば,ずいぶん素直だったなあ、昔のぼくは。

11/10
◆ボロは着てても
 シャツやトレーナーの襟や袖口がボロボロだ。
 自分としては,良い風合いになった,と思う。
 家人に知られたらゴソっと捨てられそうだが
 そこは一人暮らしの強み。

11/11
◆官庁街
 近所の庁舎内の食堂で昼食を,と企てた。
 市役所の地下食堂は職員で満杯だった。
 国の合同庁舎3階の食堂も満杯だった。
 裁判所には食堂がなかった。
 道端で焼き芋を買って帰る。

11/12
◆路チュー(路上でキス)
 鹿児島の恋愛事情を昼と夜のゼミで議論する。
 ぼくにとって驚きだったのは
 誰も「路チュー」など見たことがないというのだ。
 明るい場所でイチャイチャするカップルもいないらしい。
 学生たち自身も,人前ではハグもできない,という。
 恋愛経験豊富そうな学生でさえ,そういう。
 数年前,「人目を気にしない症候群」が語られていたことを思えば
 そうとう反動化が進んでいるような気がする。
 これは特殊鹿児島的な現象なのか?
 だって,上京するとハグは普通に見かけるもんね。

11/13
◆異邦人気分
 JALの機内誌で台北の屋台紹介を読む。
 どの店もおいしそうだが,一人旅はもう飽きた。
 たしかに,外国でも国内でも一人で旅するのは気楽でよい。
 しかし,見知らぬ街を一人で歩く楽しみなら
 いま毎日,鹿児島で十分に味わってます。

11/14
◆グローバル化
 電車(中央線)のなかでは多くの乗客がケータイを見ている。
 昔は,車中では新聞や本を読むのが常態だった。
 しかし,今では日本だけじゃなくインドネシアでも
 人々はそこらじゅうでケータイの画面を眺めている。
 世の中はおしなべて平準化しているってこと。

11/15
◆紙媒体
 ぼくは文庫本を持ち歩く。
 外出時にはこれで文字を読む。
 しかし,室内ではPCのモニターを眺める時間の方が長い。
 本好きを自称しながら実態はこれだ。
 ケータイを眺めている人の悪口は言えない。

11/16
◆反省
 愚にもつかぬことを自分では正論のつもりでしゃべる。
 正論のつもりだから人を不快にさせても平気だ。
 むしろ不快に思う方が間違ってると胸を張る。
 ああ,これは昔の自分の姿だ。
 今のぼくは不快に思う側に回ってしまった。
 正義の言葉を吐く人を見ると,なんだか切ない。

11/17
◆マクドナルド
 この夏,バンドンでは毎日通ったのに
 日本にいるとほとんど行かない。
 JALのカードで搭乗したらマックの食事券が当たった。
 鹿児島市内の店に入り,Wifi(無線LAN)を使う。
 通信速度はインドネシア並みに遅いのでイライラ。

11/18
◆冬支度
 ストーブを引っぱり出したが灯油がない。
 近所にはガソリンスタンドもなく,配達店もない。
 自分の車で買いに行くしかない。
 が,車は職場の奥の奥に駐めてある。
 自転車に乗って車を取りに行くのもめんどい。
 陽の当たらぬアパートで背中を丸める。

11/19
◆客商売
 肩書きは教員でも,じつは教えるべきものを持たない。
 何かをしゃべって,なんとか間を持たせているが
 学生が露骨に退屈そうにすると,すぐ絶句する。
 正体を見破られた気分になるからだ。
 全体が白けている夜間のゼミは,毎週地獄。

11/20
◆ヨロヨロ
 このアパートでゴキブリを見るのは初めてだ。
 しかし,その動きは鈍い。
 すでによその部屋でダメージを受けてきたのかもしれん。
 村上鬼城の俳句を思い出す。
 「冬蜂の死にどころなく歩きけり」
 打ちのめされながらも生きている自分の姿と重なる。

11/21
◆ムジカ・クバーナ
 鹿児島キューバクラブの催しに参加する。
 竹村淳(昔のNHK-FMの DJ)の生解説でラテン音楽を聴く。
 2時から夕方6時半まで音楽にたっぷりひたる。
 ペレス・プラード楽団とか,懐かしくてしかたがない。
 小学生のころは隣の喫茶店から毎日マンボが流れていた。

11/22
◆テント芝居
 川沿いの公園に,アングラ劇団「どくんご」の芝居を観に行く。
 この劇団,出自は埼玉だが,最近,鹿児島の山中に移った。
 芝居は,不条理劇というより,「意味性の剥奪」を狙うらしい。
 意味を求める大人の観客より,子どもに受ける(ともいう)。
 ぼくは演劇の鑑賞の仕方が下手なので
 十分には楽しみきれなかった。
 それでも帰宅時には,妙に幸せな気分になれました。

11/23
◆妄想
 夕刻,ひと気のないバス停にたたずんでいたら
 40歳ぐらいの美形の女性がやってきた。
 キューガーデンのマーク入りバッグを下げている。
 自分で外国旅行の土産に買ったのだろうか。
 彼女は近くの自販機で缶入りジュースを買い
 その場でグビグビと飲む。
 美人が人目も気にせず,グビグビ飲むのである。
 どうして,そんなに喉が渇いたんだろうか。
 バスはなかなか来ないが,ぼくは物語を組み立てて楽しんだ。

11/24
◆実盛(さねもり)
 小学生のとき担任の先生にそう呼ばれた。
 先生はぼくを「サイトー・ベットー・サネモリ」と呼ぶ。
 斉藤別当実盛とは平家物語に出てくる人物らしい。
 歌舞伎や謡曲に同名のものがある。(後知恵)
 昔の大人にとって,その知識は普通の教養に属する。
 しかし,ぼくは当時はもちろん,今でも実盛の話をよく知らぬ。
 つまり,いまだに無教養のままである。

◆18万アクセス
 いつものように6ヶ月弱で1万アクセス。


11/25
◆カート
 灯油の缶を乗せて運ぶための道具を通販で買う。
 たまたまDVDで観た映画からヒントを得た。
 米映画「恋する宇宙」("Adam", 2009)はアスペルガー症候群の青年を描く。
 同じアパートに女性が引っ越してくるシーンがある。
 それを見てぼくはカートを使う便利さに気づいた。
 ネットで検索し,評判の良いものを注文。(Eminent キャリーカート)

11/26
◆暖をとる
 朝8時40分から夜9時10分まで授業が続く。
 終わり頃,体に寒気をおぼえ,足下もふらつく。
 必死の思いで自転車でアパートに戻る。
 厚着して,灯油ストーブにあたる。
 下品なまでの直火の暖かさがうれしい。

11/27
◆晩秋の一重一瓶
 職場で酒肴持ち寄りパーティーを催す。
 体調回復したぼくはビーフシチューを作って持参する。
 安ワインも携えたが,他にもワイン提供者多し。
 しかし,みな一様に安ワインだ。
 安ワインの品評会のようになったが
 みな,それぞれいっぱしのことを言う。

11/28
◆天下一品
 京都ラーメンのチェーン店が鹿児島にも進出。
 開店は今月初めなのに,まだ行列が出来ている。
 行列があれば,ぼくはもちろん並ぶのである。

11/29
◆ラグビー
 トップリーグの公式戦(東芝対コカコーラ)を観に行く。
 大方の予想どおり東芝の圧勝である。
 あまりにも一方的なので後半は少し居眠りした。
 曇り空の下,強い風に吹かれながら眠る。
 人間,眠たいとなればどこでも眠れちゃうもんだ。

11/30
◆読む落語
 立川談志『人生,成り行き』(新潮文庫,2010)を読む。
 落語の速記本で勉強したなんて話がある。
 そういえば,てんで,ぼくも昔のことを思い出す。
 小学生のころ,おじさん(農家)の家に泊まりに行き
 退屈して,しかたなく農協の雑誌『家の光』を読む。
 落語の速記みたいなものだけはおもしろく
 誰もいない家の片隅でひとり笑い転げた。

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