2011年
 つぶやき

8/1
◆ブログ
 鹿児島関係だけでも毎日3人のブログを読んでる。
 いずれもけっこう長文だ。
 毎日《長々と》書く方も偉いが,読む方も暇人。

8/2
◆あしひきの
 前記の「長々」で柿本人麻呂の歌を思い出した。
 山鳥の尾のしだり尾の,ってやつ。
 ひとりかも寝む,とつぶやいて,また泣いた。

8/3
◆甘唐辛子
 ししとうの大きいヤツだろうと思って初めて購入。
 長さ 20センチぐらいのが2本で 80円だ。
 金網で焼いて食べたら,口の中がヒリヒリ。
 毎日,小さな冒険をしております。

8/4
◆『真贋』
 吉本隆明の新刊の文庫本を買って読む。
 吉本をぼくはたいして好きじゃないのに
 なんだかけっこう読んでる。
 思えば高校時代,学校の図書館にあった
 『言語にとって美とは何か』はタイトルにしびれたなあ。
 あ,その本はあのとき難しくてギブアップしたまま。

8/5
◆つばめ
 昔,レーニンの本を読んで感心して覚えた諺がある。
 「つばめ一羽じゃ春にはならぬ」
 いま調べたら、英語の諺では「春」でなく「夏」だ。
 One swallow does not make a summer.
 (ちなみにフランス語の諺ではプランタン=「春」)
 それにしても,最近,燕の飛ぶ姿を見かけないねえ。

8/6
◆研究業績
 「息をするように嘘をつく」人がいると、噂に聞くが
 「息をするように論文を書く」人ってのは、たしかにいる。

8/7
◆ Zaz
 21世紀のピアフだとか、モンマルトルの路上の歌姫、といわれる。
 テレビで紹介されてるのを見てCDを買った。
 Amazonでは輸入盤が 700円だった。
 ところが,うちのCDプレーヤーとは相性が悪い。
 しかたなく,パソコン経由で唄を聴く。

8/8
◆居酒屋
 なじみの店をいくつか持てば,毎日が楽しいらしい。
 ぼくはもともと酒が飲めないこともあり
 そういう店で「友人」づくりをするのも苦手だ。
 まして「先生」とか肩書きで呼ばれたくもない。

8/9
◆眼高手低
 辻邦生の『モンマルトル日記』を読んでいる。
 前に読んだことがあるので,拾い読みだ。
 彼は1966年からパリで『背教者ユリアヌス』を書き始める。
 小説にむかう姿勢と方法論の考察がぼくをうならせる。
 が『背教者ユリアヌス』の出来は、この日記に劣る。

8/10
◆ゴーヤチャンプル
 大量に作りすぎたので残す。
 冷蔵庫には入れず、一晩放置しておいた。
 箸をつけると糸を引く。
 匂いも「味」も変わらないが,捨てる。
 味は3口ほど食べて確認したのです。

8/11
◆勉強家
 辻邦生の『言葉の箱』(中公文庫)まで再読したよ。
 どこかの文学教室での講義記録である。
 辻は「ピアニストがピアノを弾くように」練習をせよ,という。
 ああ,ぼくは似たようなことを自分の先生からも聞いたなあ。
 バレリーナは毎日練習を欠かさぬという話。
 一日休めば自分にわかり,二日休めば相手役に,
 三日休めば観客にわかる、という。
 ぼくはそこまで「まじめに」なりきれなかった。
 だから,ぼくは学生に向かっても
 また自分の子にも「勉強しろ」などと叱れない。

8/12
◆高木ブー
 テレビの紀行番組でゆる〜い音楽が流れていた。
 ネットで検索したら "Let It Boo"というCDだ。
 ビートルズの曲をウクレレで歌う。
 中古品が送料込みで 800円――即購入。

8/13
◆スピードカット
 さっさと散髪してもらいたいのに
 たまたま担当がおしゃべりのおばさん。
 あちらは退屈しのぎだろうが、ぼくには重たい。

8/14
◆激痛
 夜中にまた足の裏とスネの筋肉がひきつる。
 痛みは1時間ほどで消えることはわかっている。
 泣きそうなほど痛いがガマンする。

8/15
◆顔写真付き
 14日付の毎日新聞の「今週の本棚」で紹介された。
 先月末に受けたインタビューの結果がこれだ。
 新聞を見た名古屋の知人からメールが来た。
 「味わい深い初老の雰囲気」ですね、だと。

8/16
◆寓居
 奧さんの家で夏を過ごしている。
 邪魔にならぬよう2階の隅で息を潜めている。
 力仕事などで声がかかれば降りていくけど
 めったにお声はかかりません。

8/17
◆ランチ・ジプシー
 家には誰もいない。
 玄米を買いに行けば、米屋はお盆休み。
 そばでも食おうと,炎天下をうろつく。
 が,結局,弁当屋で弁当を買って帰る。

8/18
◆ Asceticism(苦行)
 菜食主義者でもエコロなジジーでもないのに
 玄米を食い,肉を遠ざけている。
 しかも,塩分を極端に減らした料理ばかり自分で作ってる。
 それが健康にいいのかどうかは不明のままだ。
 ただ,料理のまずさのおかげで,体重は減った。

8/19
◆家電老人
 家族はそれぞれみな旅行中で,ぼくは留守番。
 ところが,韓流ドラマの録画をとつぜん頼まれた。
 しかたなくブルーレイ・レコーダーを買いに行く。
 まあ,前から買おうとは思ってたんですけどね。
 Amazon の方が安いが,すぐに要るのでヤマダ電器へ。

8/20
◆年波
 久々の豪雨で気温も下がったけど
 なぜか,ひどく眠たい。
 ぼくは暑い日でも眠たいから,つねに眠たいわけだ。
 手にした鉛筆が床に落ちた音で,目を覚ます。

8/21
◆持ちネタなし
 9月末に,宮崎で4日間の集中講義。
 その後,鹿児島で夏季特別講座を2コマ分。
 ああ、なぜ断らなかったんだろう。
 軽い気持ちで引き受けたが,いまは気が重い。
 人が聞くに値するような話、全然持ってないんだもの。

8/22
◆インテリ・ゲンちゃん
 研究者にはバカでもなれる。
 根気さえあればいい,と昔、先輩から聞いた。
 ところが,この根気ってやつがむずかしい。
 だから,知識人って方向にシフトしたいんだが
 これにも別の天分が必要なようで,つらい。

8/23
◆母の口癖
 世の中に,寝るほど楽はなかりけり。
 浮世の馬鹿が起きて働く。
 いま調べたら、これは大田南畝(屬山人)作の狂歌。

8/24
◆黙殺
 家族の歓談に割って入ろうとするが
 誰も聞いちゃくれない。

8/25
◆研究
 自分のテーマを,ひたすら探求するのがキモだ。
 勝手に没頭して,一人で楽しくやるのがよい。
 何度も言うようだが,ぼくはこれが苦手。
 逆に,外部からの要請があれば,すぐやる気になれる。
 アナーキーを気取りながら、実は他律型のぼく。

8/26
◆励まし
 幼稚園時代からの友人が電話してきた。
 この「つぶやき」を読んで「元気ないぞ」という。

8/27
◆野分(のわき)
 怪しい黒雲の下,必死でチャリをこぐ。
 蕪村のあの「かっこいい」句を思い出す。
 鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分かな

8/28
◆競合
 しこしこ古典の翻訳を続けているが
 同じ本を別の人が訳していることを知る。
 別の出版社から出るのである。
 こちらの作業はストップすべきだろうか?
 編集者に問い合わせたら「そのままゴー」の返事。
 おもしろいことになったぞ,と思う。
 根拠はないが,なぜか自信のようなものがある。

8/29
◆ Well-being
 心身快調ってわけじゃないが,とくに不調は覚えない。
 でも,無自覚に生きられるのは実に幸せなことだよね?
 その幸せをかみしめるべく,不調時のことを必死で思い出す。
 すると不調なことより、恥ずかしい思い出ばかり浮かぶ。

8/30
◆風俗店
 テレビで芸人たちがあけすけに体験談を語っている。
 ぼくはとっても興味があるのに,行ったことがない。
 ン万円という値段に恐れをなしているせいでもある。
 けちくさい性分がある意味で「幸い」しているってか。

8/31
◆解脱
 孤独より社交が好き,なんだけど
 鹿児島にいても,つきあう人は少ない。
 上京すればなおさらだ。
 しかし,東京では孤独が常態だと悟っている分だけ
 焦燥感は少ない。

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2011年------

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