| つぶやき |
| ◆送別会 組合主催の宴会に主賓の一人として出る。 久しぶりに二次会まで参加して楽しんだ。 ぼくのバカさが許されている空間ってのは まことに居心地がよく,バカ度がさらに増進した。 |
| ◆閑居 哲学者スピノザの職業はレンズ磨き職人だった。 生活のために昼はしこしこレンズを磨いた。 その点ぼくは年金でそこそこ暮らせる。 う〜む,四六時中思索に耽(ふけ)られるわけだが。 |
| ◆再々校 またゲラが届き,翻訳文の手直しを続ける。 一段とリーダブルな文章に仕上がっていく。 なにしろ全国民が一度は読むべき古典の名著だ。 ぼくも編集者も力が入っているのよ。 |
| ◆包丁 学科から退職記念の品がもらえることになってる。 何をもらえるかは退職者自身が希望できる。 ぼくは台所用品をもらおうと思う。 値段などを調べにデパートに行く。 おー,上等なナイフは2万円を超えるね。 |
| ◆巣ごもり 部屋にこもる生活に慣れようとしてきた。 老後の生活はこれが基本ですからね。 おかげでだいぶん慣れてきた。 んでも,たまに人に会うと爆発的に言葉がほとばしる。 |
◆シェーバー Izumi Cleancut 電気ひげ剃りを通販で買った。値段は2千円だが,性能いいぞ。 ヒリヒリ感が全然ない。 安物でも技術進歩してるのが偉い。 |
| ◆包丁(2) 市役所前の黒田金物店は外観はボロボロだが じつは奥があって、品揃えは驚くほど立派だ。 研秀(とぎひで)という独自ブランドの包丁を売ってる。 日本刀づくりの技でつくられた包丁だ。 なるほど、髪の毛をあてると ハラリと切れる。 店のオヤジの解説にも力がこもる。 値段も1万円以下なので、心が惹かれる。 |
| ◆風のように去りたい 昨年退職した同僚には2万円相当の記念品が贈られた。 昨年は教員の人柄ゆえに,基本の祝賀金1万円分に 学科の教員からのカンパが加わった。 今年は特段盛り上げず,基本の1万円のみで送り出される。 それはむしろお互いに好都合で,お互いにありがたい。 |
| ◆蔵書処分 本はなるべく捨てよう。 引越先には本を置くスペースがないからね。 原書(仏語が多い)もどんどん捨てねばならん。 お金をはたいて買いそろえたものでも 二度と(あるいは一度も)読まないものは捨てる。 原書では古本屋にも売れないし。 |
| ◆古本屋 Liset(リゼット) 電話したらすぐ来てくれた。 弟子筋にあたる若い古本屋も呼んでくれた。 二人のおかげで研究室とアパートの本が片付く。 代金も(合計で)1万4千円と高めだ。 鹿児島で古本文化を育てたい、と意気軒昂なのもよい。 |
| ◆三校! 翻訳の校正ゲラがまた届く。 この念の入れ様,尋常じゃないね。 光文社の古典新訳文庫,すごいぞ。 |
| ◆自転車(クロスバイク) ぼくのは高級品じゃないが安物でもない。 それでも4月には捨てる予定だ。 が,ギアが壊れたよ。(ケーブルの断線) あと一ヶ月 乗るために 修理した。 |
| ◆手帳 研究室の片付け(ゴミ処理)をしている。 と,泥だらけの手帳の束が出てきた。 1993年の洪水で泥水に浸かったものだ。 抜けている年もあり、くっついて開けない頁もある。 院生時代や滞仏生活の記憶がまだらに甦る。 |
| ◆ガリ版刷り 学生時代の寮誌やサークル誌が出てきた。 一橋寮(いっきょうりょう)の誌名は『橋人絶叫』だ。 ぼくも短文を書いているが いかにも頭悪そうな文章で,恥ずかしい。 むりに難しい言葉を使っているのも悲しい。 もちろん,(遅ればせながら)ゴミ箱へ。 |
| ◆マルエン全集 大月書店版のマルクス・エンゲルス全集。 半分ぐらいしか揃えてないが 貧乏だったので一冊ずつ買った。 そして今,そのほとんどを泣きながら捨てる。 |
| ◆切れ味 研秀(とぎひで)の包丁.良く切れます。 心配していたカボチャなんかも,バターのように切れる。 その他の野菜なぞは,包丁を当てるだけで切れちゃう。 |
| ◆語学テープ 40年以上も前に友人からタダでいただいた。 昔は高価だった Assimil の "French Without Toil"。 研究室の奥で発見した。 ほこりだらけのラジカセも見つかった。 再生すれば,おお,ちゃんと聞こえる。 なんだか感動しちゃったな。 |
| ◆栄養過多 二日連続で送別会に出る。 つまり,連日ゴチになってます。 ぼくもそれほど嫌われているわけじゃないのね。 |
| ◆別の翻訳 8年前,レイモン・アロンの『マルクスのマルクス主義』ってのを訳した。 アロンはサルトルの論敵として知られる。 本は3人で共訳したのだが,それぞれ知らない同士。 ぼくは経済学を担当し,さっさと訳し終えたのに メインの人が8年間も作業を滞らせてきた。 ぼくはとっくに出版の実現を諦めていた。 その人から突然メールが来て、今年中に出したいとのこと。 けっこうですね、とのみ返事を書いた。 あ,本を出してくれるのは法政大学出版局です。 |
| ◆搬出 研究室の本(私物)をアパートに移した。 段ボールで30箱ほど。 クロネコの男が3人がかりで運び出してくれた。 料金は1万円だが,こっちは楽ちんだ。 しかし,研究室にはまだゴミがたっぷり。 |
| ◆哲学カフェ 2年前から 学内で 学生・教員を集めて開いてきた。 3月は,学生の主導で街中に進出し 3回も開いた。 1回目の題:「てげてげ」は死語? 2回目の題:他人の元気は困りもの 3回目の題:心は通いあうか |
| ◆定期預金 昔、卒業生に頼まれて信用金庫に預金した。 そのすべてを解約するため,本店に行く。 と,定期の解約はそれぞれの支店でするもんだそうだ。 しかたなく市内各所を回るはめに。 |
| ◆拾う神 かごしまフィルムオフィスで働く知人が ぼくの家財道具をすべてもらいたいという。 ぼくは捨て場に困っていたので,ちょうどよかった。 しかも,少し恩を売ることもできる。 |
| ◆ギター 珍しくFMを聴いてたら,懐かしい曲が流れる。 カタロニア民謡「アメリアの遺言」(←参考資料。約2分間) 学生時代,ギター部にいたとき,よく聴いた。 腕の立つ部員が弾いていた。 こういう「泣かせ」系,ぼくも弾きたかったな。 |
| ◆地口 発泡酒のCMで,「旨っ」の言葉に三浦友和が「牛」と応える。 これでまた、ぼくは母を思い出した。 ぼくが「うまかった」というと母は「牛負けた」と応える。 また,「ありがとう」というと 「蟻が十なら芋虫ゃ二十(はたち)みみず十九で嫁に行く」 いま調べたら,これは香具師の啖呵売(たんかばい)の文句。 |
| ◆整理 アメリカ映画を見ると,会社員が解雇される場面では 机まわりの私物を紙箱に入れ,それを抱えて会社を去る。 ぼくの研究室も,一箱分の私物が残るのみとなった。 ぼくも箱を抱えて、後も振り返らずバス停に向かおう。 |
| ◆郵便 買いすぎた年賀状や書き損じのハガキなど 十数年分を,新しいハガキに交換する。 Eメールで事足りる今日,この50枚のハガキ、どう使おうか? あ,ぼくの転居予告ハガキ,ご希望の方はご連絡を。 |
| ◆オーバーコート フランスで出会った貧乏青年が着ていたような ウグイス色のオーバーを20年ほど前に買った。 敗残兵とかホームレスが着てるようなやつ。 貧乏臭い=かっこいい,と思ったからだ。 結局、一度も着ずに,捨てることにした。 (その他の冬服も含めると,けっこうな山をなす) |
| ◆見込み生産 あらかじめ自分で勝手に翻訳しておけば 出版社から声がかかったら,即座にそれを差し出せる。 そういう達者な人がじっさいにいるらしい。(例:中山元) ぼくにはできない芸当だが 老後の手すさびとしては,それもありかな。 |
| ◆待たれている? 「こっちに来たら酒を飲もう」というメールが来た。 「あんた誰?」と尋ねたら,高校時代の友人だった。 彼は東京にいる同窓生グループの世話人。 退職者には礼儀として言葉をかけるのだ。 |
| ◆ Adieu 研究室の鍵を会計課に返す。 あの人この人に別れの挨拶を……とも思ったが けっきょく,校舎に黙礼しただけで去る。 三十一年を疾風のごとく駆け抜けた。 |