2021年
 つぶやき

5/1
◆ 白内障
 眼科で手術の説明を受け、もう前に進むしかない。
 隣の薬局のオヤジが言うには「腕の立つ先生ですよ」。
 施術数が日本で二番目なんだそうだ。

5/2
◆ Scapple
 Mac用のアプリ(知的生産ツール)を、ひさしぶりに立ち上げる。
 頭に浮かんだ単語や文章が、画面上に枠囲みであらわれる。
 その枠を配置しなおし、線で結んだりする。
 とりあえず、そういう作業ができることを再確認した。

5/3
◆ 引きこもり
 スポーツジムは休みに入っているんで
 このごろはふたたび誰とも会話をしない生活。

5/4
◆ 家族とは?
 うちのばあいは同じ宿屋に泊まっている客のようなもの。
 おたがい、目礼だって、めったにしない。
 こういうのを「ホテル家族」と名づけた人もいる。(小此木圭吾)

5/5
◆ くりごと
 ぼくの大学院生時代、論文執筆は苦役であった。
 おもしろがるような人間は研究者と見なされなかった。
 おもしろそうな論文は「随筆」と見なされた。
 それがいまでは論文=量産すべきものとなった。
 ぼくのばあい、量も少ないうえに質も悪いので話になりませんが。

5/6
◆ 旅
 旅の楽しみ方を知らない。
 名所旧跡をめぐっても、それはそこが有名だからにすぎない。
 レストランに入っても、食事の味わい方を知らない。
 酒は飲めないし、風俗店に入る勇気もない。
 日本語でも会話する力がないので、ナンパもできない。

5/7
◆ 無念無想
 散歩はするが、考えごとはしない。
 というか、歩くこと、そのことしか考えられない。
 とにかく、右足を大きく前に踏みだすこと。
 一二一二、あるいは一二三四、と数だけを頭のなかで響かせる。

5/8
◆ 学生時代
 この町の西区には、かつて音大があり、音大生がたくさん住んでいた。
 友だちつながりで、ぼくにもあちこちに女友だちができた。
 んで、毎日うろついて、楽しく遊びまわったのだが
 ぼくのばあい、すべてがほんとうのお友だち関係。
 お茶を飲み、音楽を聴き、ときにラーメンを作っていただいた。

5/9
◆ サードプレイス
 自宅でも職場でもない第三の、居心地のいい場所のこと。
 ちょっとおもしろそうだと思い、関連本を3冊予約しておいた。
 が、月が変わると、「まちづくり」の話題には興味が失せた。
 本はようやく届いたが、借りてすぐに返す。

5/10
◆ 街のトイレ
 この町にはトイレが少ない。(隣の府中市にはけっこうある)
 だもんで、長時間の散歩はとてもできない。
 このへんは住宅地なので、コンビニもあまりないんだ。

5/11
◆ 安い夕食
 郊外のスーパー「ロピア」で油淋鶏(ユーリンチー)を買う。
 恥ずかしながら、ぼくはこれをとても美味く感じる。
 ぼくのつくる玄米も美味しいのに、家族は食べない。
 だから、ぼくは夕方、ひとり台所でしみじみと食べる。

5/12
◆ 作文
 自分がずいぶん前に翻訳した本の紹介文を書き始めた。
 若い人を誘い込むようなキャッチーな文を書かねばならない。
 結婚式の挨拶を考えるオッサンのように、あぶら汗を流す。

5/13
◆ 西安料理
 降圧剤のおかげで、このごろは血圧がけっこう低く安定。
 だから、もう好きなものを食べてもいいわけだ。
 立川にできた友誼食府(中華のフードコート)で
 ビャンビャン麺(画数の多い漢字で有名)ちゅうのを食べてみたい。

5/14
◆ 目の手術をした
 目は開けたままだけど、何をされているのか見えない。
 水中で明るい光を眺めてるだけの感じ。
 左右の目を続けざまにやって、10分ほどで終了した。
 代金は2万円。

5/15
◆ 術後1日目
 う〜む、だいぶん落ち着いてきた。
 目の見え方は、まあ、前よりは良い、というレベル。
 眼中レンズは単焦点で、手元にあわせたので、単なる近眼になってしまった。

5/16
◆ 術後の見え方
 視力は 0.5/0.4 だから、前とさほど変わらず。
 昔つかっていたメガネをかけるとよく見える。
 裸眼でこれくらい見えるようになるのが望みだったんですけどね。

5/17
◆ 視界
 2m以上遠くのものは鮮明には見えない。
 だが、むしろぼんやりした世界がぼくには似合ってるかもしれん。
 世界が隅々までクリアだと疲れちゃいそうな気がする。

5/18
◆ 人づきあい
 高校まで過ごした田舎町を、グーグルマップで眺める。
 郵便局や病院の後継ぎの男らは、今でもそこにいるだろう。
 田舎の暮らしは、お祭りや何やらで、それなりに忙しいかも。
 ぼくは誰とも会話しない生活をしているので、少々うらやましい。

5/19
◆ 娯楽
 映画館もミニシアター系は開いてるので、立川まで観に行く。
 映画のあとは、立川駅コンコースで人通りを眺めて楽しんだ。
 花壇のふちに腰かけて、ひとびとの往来をぼんやりと眺める。

5/20
◆ さもしい?
 夕方6時すぎてから、郊外のスーパーに行く。
 お総菜が半額になるので走って買いに行くのは
 鹿児島に住んでいた時代から一貫して変わらぬスタイルだ。
 あ、言うときますが、これはぼく一人にかかわる生活スタイルです。

5/21
◆ 清澄
 眼内レンズの焦点は「手元」にしたので、ほんとの近眼になった。
 読書やパソコン使用には不自由しないが、壁の文字は読めない。
 だから、出歩くときはメガネが必要。(再手術したくなる)
 しかし、室内でも屋外でも空気は澄みきって見える。
 この感激は今だけだろうから、しばらく味わいたい。

5/22
◆ 写真家
 森山大道を追いかけた記録映画を見る。(UPLINK 吉祥寺)
 タイトルは「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい」
 ぼくも昔、高校の物理教室の暗室でさんざん写真の現像をしたなあ。

5/23
◆ 中国
 新井一二三の『中国語はおもしろい』などを続けざまに読んでいる。
 彼女の本は、中国語をほんとに勉強したい気にさせる。
 さらに、中国料理を自分で作りたい気分にもさせる。

5/24
◆ 哲学カフェ
 おお、何年ぶりだろう、久しぶりに参加してみた。
 zoom じゃなくて、なまの触れあいだったからだ。
 その場で話に加わろうとしたが、うまくいかず。
 ぼくは滑舌が悪く、発言内容も意味不明だったせいです。

5/25
◆ 調理器具
 玉ねぎをスライスするためにスライサーを買った。
 玉ねぎ一個をスライスして、ポン酢と混ぜる。
 炒めた豚肉の上にどっさり乗っけて、ガシガシ食う。
 おいしいんだよね。

5/26
◆ 老醜無残
 自分のことは棚に上げて言う。
 ワクチン接種会場に集まっている老人集団を見わたす。
 お近づきになりたいような人は一人もいない。

5/27
◆ 時間
 この歳になると時はまさしく非生産的に流れる。
 しかし、よくしたもので、高齢者(ぼく)はそれも苦にしなくなる。

5/28
◆ ビャンビャン麺
 立川へ映画を観に行ったついでに念願の麺を食う。
 幅広の手延べ麺を、辛いタレとともに食う。
 小規模ながらフードコートで、異国情緒も楽しんだ。

5/29
◆ 市の電子図書館
 3月半ばに予約した鹿島茂『渋沢栄一』(文春文庫)がようやく借りられた。
 渋沢がフランスに行ってサン=シモン主義にかぶれる話はおもしろい。
 なるほど、日本の資本主義はサン=シモンの社会主義と重なるわけだ。

5/30
◆ ひとり旅
 トルコの街歩き、田舎めぐりの紀行番組を好んで観る。
 トルコ語を独習して、ぜったい行くぞ、と思う。
 一人で街をうろつき、大衆食堂に入り、安宿で寝る。
 ま、異国に行っても、ぼくはいつもこのパターン。

5/31
◆ 富士そば
 5月末まで、ミニ親子丼付きのそばが500円。
 これを食べるため、国立駅前までノコノコ出かける。
 言うのも恥ずかしいが、とってもおいしかった。
 チープなぼくの舌。

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