2024年
 つぶやき

2/1
◆ 煮干し
 生協で見かけた「食べる煮干し」を買って帰る。
 加工者の住所が、鹿児島市の玉里団地だったからでもある。
 そこはぼくが30年以上働いた職場のすぐ裏で、まあ、昔のよしみってやつ。

2/2
◆ イギリスの大学
 児玉聡『オックスフォード哲学者奇行』〈明石書店、2022)は当たりだった。
 オックスフォードにおける哲学教育はチュートリアルによる個人指導が中心だそうだ。
 実存主義者や大陸系哲学者が言っていることの意味がわからないのは
 あちらにはチュートリアル制度がないせいだ、との説も紹介される。
 読んでておもしろく、なるほどね、と思えたりする。

2/3
◆ アンチ哲学を唱えた哲学者
 NHKの番組「100分で名著」、2月はアメリカの哲学者ローティだ。
 かれの著作『偶然性・アイロニー・連帯』(1989年)が扱われる。
 真理の探求はやめようと説く哲学者だというんで、おもしろいと思う。
 さっそく番組のテキストを買って、予習しました。

2/4
◆ 東大と一橋
 東大には秀才がいる。一橋には秀才はいないが、天才ならいるかもしれない。
 これはぼくが1年生のとき大学の寮のトイレで見かけた落書き。
 たしかに一橋で見かけるのはせいぜい、いわゆる「田舎の秀才」。
 あ、東大入試がなかった年に一橋にきた者には、ほんとうに頭のいいやつらがいたなあ。

2/5
◆ 賢い人
 前日のぼくのつぶやきは、『橋本治と内田樹』(筑摩書房、2008)という対談本の影響。
 いや、まったく、この二人にはいつもしびれます。

2/6
◆ 大自然
 中国映画「山の郵便配達」(1999)をパソコンのモニター画面で見る。
 ちょうど外は東京には珍しく大雪だ。つまり雰囲気ぴったり。
 この映画、20年前にも観た(たぶん、神田の岩波ホールで)。

2/7
◆ 雪の日でも客は来る
 おお、10cmほど積もった。
 リハビリ施設にはこんな日でも利用者が集まる。
 そして「先生」の掛け声にあわせて体を動かす。
 幼い頃からの「教育」の賜物で、ぼくも従順。

2/8
◆ 一人暮らしの老人
 お嬢さん学校で知られる女子大の教員だった男から電話。
 電話は単純な問い合わせで、用事はすぐに済み、あとは雑談。
 ヤツとはたいして親しくもないが、大学・大学院とずっと同期だ。
 しかも、ヤツはずっと独身のまま、この町で暮らしている。
 ヤツは市立図書館のヘビーユーザーなので、かつてはそこでよく出会った。

2/9
◆ 政治活動
 近所をヨタヨタ歩いていると、顔見知りの老人たちがビラ配りしている。
 80歳以上の人たちから「お元気ですか〜」と声をかけられ、恐縮する。

2/10
◆ 駅前まで歩く
 赤色のボールペンを買いたくて、文房具屋へ行く。
 大学通りで、どこかのばあさんに「大丈夫ですか?」と心配された。
 よほど歩き方が危なっかしかったんだろう。
 富士そばで「コロッケそば」を食うのも、この散歩の目的のひとつ。
 ぼくはこれを食うと幸せがこみあげるチープな人間なんです。

2/11
◆ デロンギ
 イタリア製の全自動コーヒーマシンが壊れた。
 その最廉価版を定年退職の記念に買い、エスプレッソを毎日のように飲んできた。
 壊れたのはミルクの泡立て機能で、カフェラテは作れない。
 不具合はそれのみだから、じつはさほど困らない。

2/12
◆ ドラマチック
 明け方にかならず夢を見る。
 不愉快なものではない。
 おもしろくて、目が覚めてもまだドキドキしてることもあるが
 どんな夢だったか、あらましすら覚えていない。

2/13
◆ 煮干し
 レンジでチンすれば、パキパキ食べられる。
 それをぼくは気に入っているんだが、家の者からは臭いと言われる。
 彼女らが不快そうにこぼす声は遠くにいても聞こえるのだ。

2/14
◆ 旅行計画
 リハビリ施設に通って1ヶ月半。
 四肢の可動域が少し広がったような気がする。
 そこそこ溜まった JALのマイレージは使わなければもったいない。
 さて、どうすべい?

2/15
◆「37セカンズ」
 脳性麻痺で下半身が不自由な23歳の女性を描いた映画(2020)。
 彼女は自立をめざし、母親による保護を脱しようとする。
 男性による性サービスを、客として受ける途中に脱糞。
 なかなかハードな内容だが、いい映画です。

2/16
◆「シャトーブリアンからの手紙」〈仏映画、2012)
 1941年、ドイツ占領下のフランスで、共産主義者などが処刑された一日を描く。
 ドイツ軍の将校一人が町なかで暗殺され、その報復として政治犯150人が処刑された日。
 イスラエルがハマスに何百倍も報復攻撃している現在、この映画を見ると胸が苦しくなる。

2/17
◆ 言いたいことは何もない
 学生時代からぼくは一貫して発信型ではない。
 論文だって読むほうが得意で、感想すら語れない。
 業績もないが、翻訳は業績に数えられたりするからありがたい。

2/18
◆ メキシコ映画「ROMA」
 メキシコシティの「ローマ」地区は中産階級の居住区で
 この映画(2018)はそこで働く家政婦をしみじみと描いた名作だ。
 5年前、吉祥寺の映画館で観たときも感激したが
 Netflix で配信されるものを自分の部屋で見ても、やっぱり感動するんだよ。

2/19
◆ 縦書きソフト
 翻訳した文章を縦書きになおして校正しようと考えた。
 在職中は Adobe社の InDesignとか使って処理できたのに
 いまはそういうことができるソフトをもたない。〈買う金がない)
 無料で使えるソフトでどうにかしようと苦労してる。
 ま、横書きのままでも校正はできるんですけどね。

2/20
◆「カラー・パープル」
 ミュージカル版の新作映画(2023年)を観に行った。
 40年前に「前作」も観ているんだが、全然おぼえていない。
 今回は自分が映画館内で席にたどり着くまで苦労したのが特筆事項。

2/21
◆ 依存
 リハビリ施設内では移動するとき手を引いてもらえる。
 その補助の具合がいい感じで、そのままずっと頼りたくなる。

2/22
◆『ショージ君、85歳』
 漫画家、東海林さだおのエッセイ(2023)を読んでクククと笑う幸せ。
 かれの書くもので何十年も笑ってこれたのも幸せだったね。

2/23
◆ 外に出ず
 まるで5月の陽気といわれた暖かさも束の間だった。
 そのとき浮かれてまとめ買いしたせんべいを
 窓から雨空を眺めながら、ボリボリ食べつづける。

2/24
◆ 漢詩
 高校の時の漢文の先生は、カイザー髭の名物教師だった。
 あれこれの有名な唐詩をただ朗々と読み上げ
 自分の心が深く揺さぶられているのを隠さない。
 いい授業だったな、と懐かしむ。

2/25
◆『漢詩のレッスン』
 川合康三著の岩波ジュニア新書で高校生向きだが、いい本だったなあ。
 こういう本を読んでも、ぼくはしみじみしちゃうんですよ。
 ついでにいうと、井波律子『裏切り者の中国史』(講談社、2024)もよかった。
 これも内容というより語り口、文章がすばらしく音読したくなる。

2/26
◆ 体幹の弱り
 直立してても体がふらつく。
 体を前に傾けると、それでもう転けそうになる。
 かなりやばい段階に入ったと思われる。

2/27
◆ 嫌われる理由
 思い切って家の者に「どうして?」と尋ねてみた。
 おしっこが便器の外にちらばってるから、だと。
 まあ、ぼくの存在そのものが不潔で不愉快なんだろうな。
 とすると、こまかな反省は無用ってこと?

2/28
◆ 確定申告
 税務署に出す書類自体はパソコンで簡単に作れる。
 しかし、それをスマホで送る、という技がぼくにはできない。
 寒風をついて自転車で市役所まで書類を出しに行く。

2/29
◆ 銭湯で失神
 ガス器具の故障で家の風呂が使えない。
 だから、この町に唯一残る風呂屋「鳩の湯」に行った。
 まずぬるいお湯に入り、それからだんだん熱いお湯に移る。
 気持ちいいなあ、と思ったところで気を失った。
 気がついたら洗い場に寝かされていた。
 実はこれ2回目の体験だ。
 1回目は4年前、沖縄のホテルの大浴場で溺れかけた。
 あんときは気づいたら救急車のなかだった。

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