つぶやき 1999年

「調べて書く」訓練(99/1/16)

東京大学教養学部立花隆ゼミが出した『二十歳のころ』(新潮社,98年12月)を楽しんで読んだ。自分自身の二十歳のころが思い出され,しみじみとした気分になったし,著名なあの人この人の知的背景なども読み知ることができてベンキョーになった。
 この本を買った動機は,卒論指導のなかで「調べて書く」訓練の不足を感じたこと。
 立花隆は「はじめに」で言う:「多くの学生にとって,調べることと書くことがこれからの一生の生活の中で,最も重要とされる知的能力……。人を動かし,組織を動かし,社会を動かそうと思うなら,いい文章が書けなければならない……。調べて書くことということは,それほど重要な技術なのに,それが大学教育の中で組織立って教えられるという場面がない。」
 県立短大商経学科はなるべく早くこの欠落を埋めるようにしたい。入学早々、学生にコンピュータ・リテラシーの短期集中訓練を施すのは定着しつつあるが,さらに「調べて書く」訓練もカリキュラムに組み込みたい。もちろん,成果は(これも立花ゼミに習って)インターネットのホームページ上で発表される。

大学は生まれ変われるのか(99/1/19)

といったタイトルのNHK-BS放送の討論番組をみた(先日放送されたのをビデオで)。美人で評判だった上智の猪口がかなりバーサン顔になっていたのに驚いたが、それはともかく、東工大の橋爪大三郎のつっこみとか、テキサス・インスツルメント日本社長の妙な絡みとかはおもしろかった。大学審議会の報告は微温すぎてダメだといい、さらにドラスティックな改革を求めるわけだが、彼らの発言の過激さは大学審議会の怪しさを《まっとうなもの》に見せかけるための仕掛けだ。しかし、それでもおもしろい。
 なぜおもしろいかというと、変わるべきものが変わらないでいることへのいらだちを(その方向性は違っても)共有しているような気がするからだ。そういう気分って実は危険なものかもしれないが、もうしばらく(あと1年ほど)はこの気分のまま大学改革ってやつに取り組みたい。

電気毛布(99/1/25)

寒風吹きすさぶ、隙間だらけの我が家(官舎ですけど)。寒さにふるえつつ体を丸めて寝ていたが、年明け早々に思い切って電気毛布を買った。これがいいんだな、また。しみじみと暖かい。眠りも深まったような気がする。
 ところが、ここ数日は外気の温度も高くなったせいで、電気毛布じゃ暑すぎる。最低温度にセットしても、なお寝苦しい。で、スイッチを切って使っている。

なつかしい「前衛」ゲージツ(99/1/31)

大垣市の情報科学アカデミーの学生がつくったビデオアート作品をちょっと見る機会があった。時間がなくて途中までだったが、よかった。というか、なつかしかった。
 「わけのわからない」系の作品は、思えば昔(ぼくが学生だった時代)にもひとしきり流行したような気がする。ぼくとしては、そういう時代をくぐりぬけて、「わかりやすい」おもしろさへと好みをシフトさせたつもりだが、どこかしら「易きについた」脱落者のような、堕落したような後ろめたさも、先日はふと感じたことであった。

ひまな人々(99/2/6)

朝8時に学校に来て、夜の11時に帰宅、なんて生活をしているが、研究に励んでいるわけではない。研究室にいると暖かいから、そのなかでボーっとしているだけ。こたつに入ってじーっとしている老人とか、日なたで丸まって寝ているネコと同じスタイル。
 そういう人間はぼくだけでなく、けっこう周りにいる。みんな暇なんだろうな〜。ちゃんとした人間なら、他にやるべきこと(もっと活動的な生き方)がありそうなのに、部屋のなかに居座って、ぼんやり暮らしている。弁当を2個もちこんでる者もいるらしい。ぼくよりウワテだね。

アクセス数2000(99/2/9)

 半年かかって1000を加え、ようやく2000を越えた。
 といっても読んでくれるのは身内の人々ばかり。そう、あなたも身内なのよ。

メモリー不足(99/2/17)

少し凝ったホームページを作ってみるか、と思い、Dreamweaverとかいう有名なページ作成ソフトを買ったら、これは作動に20MB以上のメモリーを必要とする。うちのマシンのメモリーは64MBだから、ブラウザソフトを立ち上げると、もうほとんど余裕がない。つい、この間までは64MBだとバリバリだったんだけどな〜。いまじゃヨレヨレだ。
 このソフトは意外に使いづらい。PageMillやクラリスのHomePage Proの「易しさ」がなつかしい。後戻りしようかな〜。

横やり(99/2/28)

私の話にみんながうなずくという場面を想定してとき、横やりが入って嫌な気分。しかし、思えば私がかねてからやっていたことは人の話に横やりを入れることだった。因果応報ってやつ。

体調不良(99/3/11)

8日にバリ島から帰ってきた。一緒にいった学生たちは元気のようだが、ぼくは昨日から体調不良。要するにお腹をこわしてるんですけどね。昨日は微熱と頭痛も。
 しかし、一人暮らしなので寝込めない。職場(研究室)の方が暖かく環境もいい(部屋を訪れて声をかけてくれる人がいたり……)ので、このまま泊まり込もうかとも思ったりするが、さすがにそれは、ね。

バカゲット(99/3/15)

酒井冬雪『バカゲット』(双葉文庫、99年3月)は、女として楽に生きるために、バカ(=男)をいかにゲットするかという攻略本である。
肩肘張ったキャリアウーマンは志向しないが、ボサボサのひっつめ 髪、よれよれジャージ姿の主婦にもなりたくない女たち。彼女たちが求めるのは三高ではなく、三Cだ。Comfortable(安定した収入)、Communication(さびしくない)、Control(コントロールしやすい男)。
なるほどと思わず膝をたたくが、鹿児島はまだ女にもバカが多いような気がする。だって、うちの学生を見ていると 、まだ男=バカってことに気づいてないみたいだもの。

クレテック(99/4/8)

クレテックってのはグローブ(丁字ともいう香辛料)入りのタバコ。インドネシア特有のもので、咳に効くらしい。バリ島にいったとき、けっこうたくさん買ってきた。研究室の怪しい匂いのもとはこれです。
昨日、チェーンスモーキング状態でこれを飲みながらしごとをしていたら、のどが痛くなり、おかげで咳がとまらない。

虫食い(99/5/5)

自慢じゃないが上下そろいの背広は1着しか持っていない。ちゃんとクリーニングに出して、タンスにしまっておいたのに、なぜかズボンに小さな穴がたくさん。
それでも、4月末、高知への出張のさいに着て行った。
しかし、その後上京し、満員の中央線に乗ったとき、シートに座ったおばさんからジーっと見られると、身をくねらせたいような気分に。まだ修行が足りんというべきか。それとも新品を早く買えってことか? 解決法はたぶん後者だね。

自宅に招待したくない(99/6/6)

学生が私の家で酒盛りをやりたいという。
要望には応えてやりたいが、そうなると大掃除をしなければならない。空間を作るためにベッドの位置も変えなければならない。窓にカーテンをつけなければならない(いまは雨戸を閉めたまま)。
畳の上に脱ぎちらかした衣類(冬物)をタンスにしまったり、クリーニングに出さねばならない。古新聞・古雑誌を片づけて畳の表が見えるようにしなければならない。本棚がないので、廊下などに雑然と堆積したままの本は押入にしまわねばならない。
トイレをきれいにし、玄関を整頓し、台所にころがる空きビン・空き缶を外に出し……などなど、やるべきことの多さを思うと気が重い。
いまの自宅は自分なりに心地よい空間だが、公開は避けたい。

大学に入って何するの?(99/7/6)

娘は高校3年生。このごろは受験勉強に励んでいる。
しかし、ついこの間までは専門学校に行くとか言っていた。
「どうして?」と聞くと、逆に「どうして大学に行かなきゃなんないの?」と聞かれた。
「う〜」と口ごもってしまった。
やりたい仕事があり、そのためには専門学校の方が力がつく、と言われると、娘の方がよほどまじめに考えていると思われた。
こちらも一応大学教員だから、大学での勉強の「ありがたみ」を説得しなきゃならない。
で、じわ〜っと考えていたのだが、いつのまにやら娘は大学に行くつもりになっている。
どうしてそうなったか、まだ聞いていない。
娘がフツーの受験生になったおかげで「問題」がなくなったように見えるが、こちらのわだかまりは澱のように残ったままだ。

モバイルギア(99/8/24)

NECのモバイルギア(R320)という携帯用のパソコン(?)を使い始めた。
OS はWindows CE なので、マック愛用者としては「敵」の軍門に下った敗残兵の気分。
この夏はもっぱら機器操作の習熟のためにエネルギーを費やした。
9月に1週間ほどインドネシアへ行くので、あちらでもメールの送受信ができるようにと思って買ったのだが、はたしてうまくいくのやら。

息子のホームページ(99/9/6)

息子(大学2年生)はこのごろホームページづくりに熱心だ。ふだん会話することはあまりないので、父親はこのページを読んではじめてわかったことも多い。
息子はずいぶん幼いような気もするし、大人になったような気もする。
読んでるとちょっと恥ずかしい。
ここで紹介するのも恥ずかしいが、カウンターの数を増やすのに協力して……。

海外からの旅先通信(99/9/16)

バンドン(インドネシア)のホテルの電話線を利用してメールの送受信に成功した。
ちょっと感激。そのためにモバイルギアを買ったのだから。
バンドンにアクセスポイントをもつIBMの接続サービスを利用し、市内通話料金(ホテル側の手数料700ルピア=約10円)だけでOK。
ソウル(韓国)のホテルでも挑戦したが、そこは安ホテルだったせいか、電話のモジュラージャックが合わず、失敗。

モバイル熱も冷めて(99/9/28)

インドネシアから帰国して以来、熱はすっかり冷めた。いまはほとんど触ることもない。
余分に購入したコンパクトディスク(データ保存用)は息子のデジカメ画像保存用と化す。
また、西国分寺駅ビルにあるノジマ電器ではモバイルギアが秋葉原よりはるかに安く売られていた。ああ、あの夏の暑い日差しのなか、汗だくで秋葉原を歩き回ったのもむなしい。

学会(99/10/17)

鹿児島県立短大の校内にて日仏社会学会が開催された。ごく小規模の学会だが、それでも大会の開催は県立短大50年の歴史のなかで最初のできごと。めでたい。
学内はおろか県内に会員がいないので、私一人で準備しなきゃ、と思っていたが、心やさしい人々がいて、しっかりサポートしてくれた。なるべく人に頼み事をしないようにして生きてきたつもりだが、準備の最終局面、そして大会当日の作業には、やはりどうしても人手が必要であったので、すがりついた。
私もそれなりに人から愛されていることを実感した。ありがたや。

盗まれた(99/10/26)

朝7時ごろ,玄関のドアが半開きになっているのを見て,変だな〜と思った。
部屋のなかを見渡すとカバンがない。財布やモバイルギアや手帳などが入っていた。
昨夜遅く帰宅して,ベッドの足元に置いていたのに,それがない。
寝ている間にやられたのか。
夜1時頃,洗濯機を回しながら寝たのだが,朝までぐっすり眠ったようだ。
まことに健康な睡眠のしかたであるが,ドロボーに気づかぬようじゃ困ったもんだ。
夜,玄関の鍵を閉めてないのも不用心ではあった。(ここ10数年来の習慣だが)

近くの交番に届けたら,「盗難届けとなると捜索が大がかりになりますよ」と言われ
「紛失届けなら紙1枚で済みます」と勧められた。
「このへんじゃ盗難の話は聞かないな〜」とか「捜索となると家中ぜんぶ引きはがしたり,とことん時間をかけてやりますからね〜」とか,「品物が見つかったときの扱いは,盗難届けでも遺失届けでも同じですよ」とか,とにかく盗難届けは避けてほしいような口ぶり。
で,遺失届けを出す。

カード会社に電話して扱い停止の措置をお願いしたり,……今朝はその後もバタバタとしている。身分証明の代わりになる運転免許証の再発行はとくに大事な作業だが,今日は講義もゼミもあるので,それは明日に。

驚きながら考えた(99/11/13)

昨12日は天皇即位10周年記念で全国の国立大学の大半が日の丸を掲揚したとか。
夜,テレビ朝日のニュースステーションで,一橋大学でのモメゴトを知る。
日の丸掲揚に反対する学生たちが事務棟の前で騒いでいた。
田崎宣義学生部長の発言:「国家権力に屈するなというが,ここは国立大学」。
学生部長という職がそんな言葉を吐かせるのかい,田崎君?
腕に日の丸をかかえて,学生たちと対峙するその姿。
ちょっと涙が出たよ。

鹿児島帝国大学(99/12/3)

国立大学などには「改革疲れ」の現象が見られる。ここ数年,教員たちは改革プランの作文ばかりやらされて,へとへとになっているらしい。
その点,うち(鹿児島県立短大)は楽チンだ。大きな改革はするな,というのが設置者(=県)の意向のようだから。
鹿児島における高等教育の柱は国立の鹿児島大学だという。県の教育政策でもそうなっているから,その他の大学はいわばオマケ。私立大学はそれなりにはりきって改造をすすめているが,県民間での注目度は低い。
全国的な視野においては,鹿児島大学なんて屁みたいなものだが,鹿児島県内では違う。そびえたっている。鹿児島大学の教員までもがその気になっている(笑)。
けっこうな話である。われわれは設置者から注目されていないことを逆手にとって,勝手に遊んでいよう。放し飼いの状態だから,何をやってもよいのだ。
誰からの押しつけでもない「改革プランづくり」を楽しみながらやっている。
けっこうおもしろいプランができた。鹿児島大学がなんぼのもんじゃ,と思っている人々を探して,これを素材に「このままじゃ決して来ない鹿児島の明日」を語り合いたい。

権力の走狗(99/12/10)

地元の南日本新聞に連載されている「行政クリニック」で,自治体の首長の交際費公開の問題が扱われ,そこに私のコメントが載った(12月6日,朝刊)。
友人から「評判悪いぞ」と言われた。そりゃ,そうだ。鹿児島県知事が交際費を公開していないことに対して「一定の理解を示す」コメントだもの。
「これじゃ,おまえ,一橋大学の田崎学生部長を批判できるか」だと。
はい,おっしゃるとおりです。権力のイヌと呼んでください。

胃の調子(99/12/14)

11月30日の健康診断まで体調の良い日が続いた。胃の検診をパスしたほどだ。
ところが,12月に入ってからチクチクと胃が痛む。胃の検診をしておくべきだった。
胃が痛むようなことといえば,大学改革がらみのことしか思いつかぬ。
つまり,楽しかった改革運動がだんだんつまらなくなってきたことかな。
めいめいが勝手に楽しむはずのものが,指令→実行の形になったこと。
しかも,その指示がどうも得心ゆかぬ。
不得意の政治的な段取りにかかわるので反論もできず,黙然と従うのみ。
改革の実現が目的だともいわれるが,ぼくは運動そのものを楽しみたかったな。

息子に抜かれた(99/12/16)

息子のホームページはアクセス数が4300を超えた。開設4ヶ月でこれだ。
一方,こちらは約3年前の97年3月に開設したが,アクセス数はまだ4200。
あちらは隔日で表紙を変えているからか。
んなら,こちらは毎日更新の「日記」でも載せようか,とも思うが
ま,それは年が明けてからのことにしよう。

機械の不調(99/12/20)

デジカメ(Nikon 950)画像がパソコン(Macの旧型G3)に取り込めなくなった。
OS(Mac OS-9)を8.6にもどしたら正常化。
モニター(Apple純正の17inch)も字がにじむ感じで不快。
プリンタ(OKI-8w)の調子も悪い。ついには電源も入らなくなった。
外付けハードディスクもときどき認識されなくなった。
電気スタンドも結線が不良で,たたかないとつかない。今じゃ,たたいてもダメ。
ウォッシュレットのトイレも結線不良。ときどき電気が入らない。
いちどきにいろんな機械の調子が悪くなった。

メカニック(99/12/24)

上京したついでに秋葉原でパソコン周辺機器を購入。
デジカメ画像を取り込むためのPCカードリーダー(Hagiwara FlashGate)。
これはUSB機器なので、手持ちのパソコンにUSBポートを装備しなきゃ。
で、そのためのPCIカード(DIT社)も購入した。
家に帰ってパソコン本体を開き、シコシコと作業する。
メモリー増設程度の簡単な作業だった。
OS9で動かすと少し怪しいが、OS8.6だと順調に動く。

カラー印刷(99/12/25)

カラープリンター(Canon BJ-F850)を買う。
西国分寺駅ビルのノジマにて、4万4千円で。
このプリンターもUSB対応だが、昨日パソコンに装備したポートで大丈夫。
印刷のスピードもまあまあだ。
こうして毎日少しずつ機械が増えてゆく。

年賀状(99/12/27)

カラープリンターを買ったので,年賀状にも色をつける。
といっても数字の2000というロゴのみカラー印刷。
「あいかわらずバカのまま」というタイトルなどの部分は
旧式のレザープリンターですませて安上がりに。

Possible Communism(99/12/29)

『可能なるコミュニズム』(柄谷行人編,太田出版,2000年1月)を
笑いながら読んでいる。
笑うのは愉快だからだ。
かつてマル経をやってた連中が妙に現実にひれ伏しているとき
こういう「ほら」を聞くのは気持ちがよい。
グローバリゼーションと対抗する「地域通貨」のプランも楽しい。
プルードンの無償信用のアイデアも復活しそうな気配だ。
なんでもあり,というならば,一度は死んだアイデアを
どんどん蘇生させる運動=「遊び」もありだね。

表紙の改造(99/12/30)

休暇中なのでホームページの模様替えに取り組む。
Flash とかいうソフトを使って動きのあるページを作ろうか,とも思ったが
他人のページをあちこち参考のために眺めてみると
このごろはあまり流行っていないことに気づく。
やっぱり重たい画面はよろしくないようだ。
そこでなるべくシンプルなものをつくることにした。

Back to Home