つぶやき |
◆さん付け 鹿児島中央高校から出張講義の礼状が来た。 生徒4人分の感想文も添えられている。 好意的な文章ばかりで,頬をゆるませるが そういう文ばかりを選んだ高校側の配慮もうかがえる。 ただ,生徒が「斉藤さんは……」と呼ぶのが気になる。 「斉藤先生」と呼ばれるのに慣れているせいだ。 いつのまにか,ぼくはすっかり堕落してしまった。 ぼくを「斉藤さん」と呼ぶ高校生の方が健康だ。 |
◆体内時計 団地の集団清掃は朝7時からだ。 目覚まし無しでも 6時40分に目が覚めた。 清掃への参加はここでの暮らしに不可欠だからね。 |
◆理髪師バーサン オバーサンが一人でやってる場末の床屋に行く。 いつ行っても客はいないが じつはこのオバーサン,なかなか熟達の職人。 ぼくの頭はふつうに散髪すると,くせ毛がピンと立つ。 彼女はそこのところをたちまち見抜き くせ毛を全体の髪の毛の重みで抑える。 こうした技に加えて,寡黙なのもよい。 「いらっしゃいませ」と「終わりました」の二言のみ。 洗髪しないのがデフォルトってのも興味深い。 ぼくは2千円払って店を出,風呂屋に向かう。 |
◆無一文 学長の誘いで,中央駅前の居酒屋で飲む。 お勘定の段になって,懐のさびしさが露呈。 有り金2千円を出し,残りは学長が支払う。 学長の家まで約1キロ,川沿いの道をいっしょに歩く。 送り届けて,車で帰ろうと思ったら財布は空。 わが家までの2キロをふたたび歩いて帰る。 |
◆焼肉バイキング 同僚(女性二人)に誘われて車で焼肉屋に行く。 ランチバイキング 998円。 すし,ケーキなどもそろっていて 山盛りの皿を手にしたおばさんたちで混雑する。 はしたなくも,こちらも勢いづき 山ほどの肉,山ほどのサラダをぱくついた。 過剰なまでの満腹感ってのも久しぶり。 |
◆ジャカルタのホテル 学生を引率してインドネシアに来た。 繁華街のホテルに泊まったが 浴室の床一面に水がたまっている。 どこかから水がもれているのだ。 フロントに電話したらボーイが来たものの 「Tomorrow morning」とのみ言って去る。 |
◆インドネシア大学 インドネシアでトップの国立大学でも 外国人のための語学教室を開いて商売をする。 市内からはけっこう遠いが,タクシーで6万ルピア弱(約7百円)。 キャンパスは広すぎて,タクシーの運転手も迷う。 |
◆ホテルで洗濯 持参した衣類は数が少ないので毎日洗う。 風呂に入りながら,その日着た物を洗う。 米映画「シャレード」にも似たようなシーンがある。 いや,あれは男が服を着たまま洗うんだったな。 |
◆最後の入浴 ホテル4泊目,最終日にようやく水漏れが解消した。 副産物なのか,お湯も熱いのが出るようになった。 10日からしばらくは熱い風呂ともおさらばだ。 これで最後かと思うと,湯船から出るのも惜しい。 |
◆ホームステイ バンドンに来たが,2年前と同じところに泊まる。 変わった点は娘が歯学部に進み,下宿生活をしていることと 息子がまもなく結婚すること(もう家を出た)。 老夫婦ふたりだけの暮らしで,食事もやや質素に。 2004年8月末から9月初旬までの「つぶやき」を参照されたい。 ◆ITB(バンドン工科大学) |
◆値段の新旧比較 バンドン市内を縦横に走る小型の乗合バスに乗る。 2年前は料金500ルピアだったが,今は2000ルピア前後。 4倍化したものの,日本円では25円ほどだ。 一方,映画館の入場料は15,000 Rp(200円)のまま。 日本語が読めるネットカフェ(Warnet)が30分で約30円。 スピードの遅さは2年前と変わらぬ。 |
◆インド映画 夕食時の会話にはあいかわらず苦労している。 とくに奥さんと二人だけだと,英語も使えない。 ヘロヘロのインドネシア語で必死に会話する。 インド映画(いわゆるボリウッド映画)を話題にしたら 会話の流れで場末の映画館に行くことに決まる。 といっても,車の運転手と二人で行くのだ。 本来なら運転手は外で待つことになっていたが 車中で「君も映画が好き?」と下手に質問したため これが誘いの文句とされ,彼は喜んでついてきた。 場末ゆえ入場料は1人7千ルピア(80円)と安い。 映画「Zinda」はアクション物で,予想どおりの内容。 話はでたらめだし,主人公は不死身。 主演の Sanjay Dutt は有名なスターなんだそうだ。 |
◆ニュースの入手 金持ちの家には必ずあるパラボラアンテナのおかげで NHKのテレビニュースをみることができる。 玄関先に置かれたテレビを,朝,出かける前にみている。 本当は,ネットカフェで得る情報の方が豊富で深いのだが ホームステイ先のおやじの心づかいをムゲにできぬ。 大きいテレビを運んできて,調節もしてくれた。 「どう?うれしい?」という顔には 笑顔で答えるしかない。 |
◆ Jakarta Post バンドンでも毎日かかさず英字新聞を読んでいる。 社会批判的な編集の姿勢もさることながら とにかく英語が読みやすいので気に入っている。 いわゆるグローバル・イングリッシュってやつだね。 英語はこういうふうに書かなきゃ,と勉強になる。 んが,それでも英語をしゃべる力はいっこうにつかない。 |
◆彷徨 バンドンは Outlet の店が多く,買い物の町である。 しかし,買い物がないと,あまり行くところがない。 すでに何度も来ている町なのでなおさらだ。 午後,時間があったので一人でバスに乗る。 街中へ行くつもりなのに,車は郊外に向かう。 乗り間違いに気づいたが,そのまま乗り続ける。 とくにあてもないので,それでいいのだ。 |
◆ジャカルタふたたび ホームステイ先のおばさんの親戚の結婚式に出る。 場所はジャカルタだ。 金曜の午後に行き,その日の夜には帰ってくる…… というのでOKしたが,それは聞き間違い。 念のため英語で聞き直すと,帰るのは土曜の夜だと。 二日間はつらいな,と思ったが,もう後に引けぬ。 ジャカルタは暑かった。 しかも,泊まった家は豪邸なのに,蚊がいっぱい。 泊まったのが奥の部屋だし,深夜に殺虫剤など頼みもできぬ。 ◆交通事故 |
◆ジャカルタひとり遊び 息子の事件のせいで土曜も帰れず。 泊まった家の近くがブロックMという繁華街で そこには一週間前に泊まったホテルがある。 つまり,勝手知ったる地域なので,そこで遊ぶ。 バジャイ(三輪タクシー)には初めて乗った。 普通の市内バスに乗るのにもチャレンジした。 夕方,おばさんといっしょにバンドンに帰る。 おやじさんはもう数日ジャカルタに残るという。 |
◆バンドンで買い物 おばさんがぼくの買い物につきあうという。 いや,一人で行きます,といっても聞かない。 けっきょく大きなショッピングセンターなどを回る。 おばさんは,店の中ではぼくを放置してくれた。 ぼくはフラフラうろついて,なぜかたくさん買い物をした。 安物ばかりですけどね。 昼は,最上階のフードコートで焼魚を食べる。 おばさんに促されるまま,手で食べた。 魚の身を指でほじって食べるのは初めての体験。 ◆バイク・タクシー |
◆お祈り 夕食はいつもより早く,6時半にお呼びがかかった。 居間に行けば,イスラム服を着た男たちがたくさんいる。 交通事故を起こしたこの家の息子のために 親戚や近所の人が集まって,みんなで祈るんだと。 家のおばさんを除けば男ばかりの集まりだ。 そして,しずしずと地下の部屋に降りていった。 [後記:交通事故で,息子は無傷ながら相手が死んだんだそうだ。 |
◆バリ島 ホテル Masa Inn は庶民的なクタ海岸に近い安宿だが プールも2個ついてるし,騒音も聞こえぬ。 ベッドに横たわり,ひたすら眠る。 なんだか,けっこう疲れがたまっていたようだ。 |
◆デンパサール バリ島の州都まで小型乗合バス(ベモ)で行く。 バスの終点は少し町はずれだったので 中心部(と思われるところ)まで地図をたよりに歩く。 街並みや人々のようすをゆっくり眺めたかった。 地図はデータが古く,いくつかのデパートはすでに閉店。 新しい店との競争に負けて,とはいずこも同じ。 島で最古のデパート Tiara Dewata は開いていた。 2階建てのせいで,発見しにくい地味な店。 エスカレータは壊れている。 |
◆両替の手品 手元にお金がなくなり,円をルピアに替える。 少額でよいのだがあいにく1万円札しかない。 ここらじゃ1円=77ルピアが相場のようだ。 道ばたの看板で1円=79.99ルピアの両替屋をみつけた。 手数料なし,というのにもひかれて,店に入る。 中には怪しげなオヤジが2人。 1万円だすと,オヤジが2万ルピア札5枚一組を束にして テーブルに7つ並べ,それから1万ルピア札を1枚だす。 ぼくが「1万じゃなく,あと10万でしょ」というと 2万ルピアを1枚ずつ,5枚さしだす。 ぼくはテーブルの札束をかき集めて,店を出た。 後でゆっくり数えなおすと,70万ルピアしかない。 いつのまにか1束抜き取られたみたい。 勉強になりました。(But too late) |
◆健康 ジャカルタでもバンドンでもバリ島でも,ひたすら歩いた。 ほとんど一日中歩いていたような気がする。 食事はおいしいし,体調もいい。 インドネシアに来ると健康になるみたい。 |
◆ベタベタ お昼近く,鹿児島に戻り,空港で解散した。 学生たちにはボーフレンドなどのお迎えがある。 ぼくはその一人の車に乗せてもらった。 学生は人の目もはばからずイチャつく。 性のエネルギーのようなものが車に充満する。 |
◆生魚 row fish 日本に帰ったら握り寿司が食べたい,という人がいた。 ぼくは寿司があまり好きではない。 というか,今までおいしい寿司を食べたことがない。 それは刺身についても同じ。 好んで食べたいとは思わない。 じつに安上がりの体質なのである。 |
◆日常 鹿児島にもどれば,いつもの生活パターンに復帰する。 スーパーで食材を買って自炊する。 多少変化をつけるためにニンジンを生で食べる。 パキパキとした食感を楽しむが,なんだかさびしい。 |
◆昭和レトロ 夜,日本映画「フラガール」を観に行く。 常磐ハワイアンセンター創設の物語。 泣かせの仕掛けで……泣きました(恥)。 風景のCGは少し下手っぽく興ざめだが 炭住長屋の室内の小汚さはまさに昭和だった。 |
◆おしゃか 研究室のパソコンにつないだスピーカーが壊れた。 BOSE の PAM-DA で,10年前に買ったモノ。 常時スイッチが入りっぱなしの状態だった。 インドネシアから帰ってきたら音が出なくなっていた。 名器との評判どおり,いい音がしてたんだけどな〜。 コンデンサを交換すればどうにかなりそうだが そういう部品を探すのも,工作するのもめんどい。 |
◆はた迷惑 鹿児島から羽田行きの飛行機に乗る。 ぼくの前の席に「普通人」ぽいオヤジが来て座る。 空席が多かったので,後方から移ってきたのだ。 移るのはかまわないが,席を後ろに倒すのがうざい。 挨拶もなく,力一杯リクライニングする。 こういうオヤジでも若者に説教したりしてんだろうな。 なんてことを考えたら,ひとごとじゃない気がしてきた。 |
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